「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 すでに「本能寺」「松平竹千代(徳川家康)」「鉄砲」「公家」様々な伏線が張られている「作品」の面白さ

「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 すでに「本能寺」「松平竹千代(徳川家康)」「鉄砲」「公家」様々な伏線が張られている「作品」の面白さ

 大河ドラマがなかなか面白い。

まずそもそも論として「織田信長が出てくる前の三河・尾張・美濃」をしっかりと描くことは少ない。第二回で書かれた「加納の戦い」や前回書かれた「小豆坂の戦い」など、そんなに詳しく書かれることがなかっただけに、その辺の歴史に興味がある人(少ないですが)はかなり面白い。

そもそも歴史の楽しみ方というのは「結果」から「原因」を導き出すものであり、その結果に関しては多くの人が知っているという状況になっている。「なぜ織田信長が台頭することができたのか」というような感じが出てくる。

もちろん、信長そのものの実力があったり桶狭間の戦いなどで注目を集めたというような話がある。しかし、その内容に関して、「その基盤となった力はどのようになっていたのか」「今川はいつから織田と対立していたのか」「そもそも三河の松平は何故そんなに弱かったのか」というような疑問がたくさん浮かんでくるはずだ。今回そのような話がなんとなく書かれている。

今回も竹千代が出てくるシーンで「お父上は弱い」というようなセリフがある。実際に松平清康という、家康から見た祖父はかなり強い力があったが、父広忠はあまり名君ではなかったといわれている。

この辺がしっかり描かれているのは、ずいぶん前のNHK大河ドラマの「徳川家康」であり、滝田栄が家康を演じたときであるが、その時は家康に注目しているので、その時の斎藤道三や織田信秀(信長の父)はあまり書かれていない。

すでに強いもの、すでにそれなりの基盤があるものというような感じで書かれてしまっており、その辺をうまく表現しなければならない。

そのようなところを表現するのが「伏線」というものである。

伏線があまり読み取れない人は「読みにくい」「わかりにくい」というような感想になる。私の小説などでも「読みにくい」という人は、ほとんどが伏線を読み取ることができない人であり、まあ、小説を書く側からすればあまり参考にならないのである。


麒麟がくる:早くもパワーワード! 「本能寺」登場にSNS沸く 可愛すぎる“竹千代”にも反響

 俳優の長谷川博己さんが主演を務める2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)の第4回「尾張潜入指令」が2月9日に放送され、物語の終盤に「本能寺の変」でおなじみの京の寺「本能寺」の名前が浮上。SNSが大いに沸いた。

 第4回「尾張潜入指令」では、今川との戦いで尾張の織田信秀(高橋克典さん)は瀕死の重傷を負う。その知らせを受けた斎藤道三(本木雅弘さん)は、妻の治療を終え今度は尾張へ向かうという東庵(堺正章さん)に、天敵・信秀の容体を秘密裏に探るように命じる。その目付け役に任命される光秀(長谷川さん)。菊丸(岡村隆史さん)もお供に加わり、尾張・古渡城へと潜入し、信秀の情報をうまく聞き出すことに成功する……。

 無事、ミッションをやり遂げた光秀に上機嫌の道三は、鉄砲について興味深い話があるから「明朝、再び登城せよ」と命ずる。翌朝、城にやってきたのは常在寺の住職で、道三や光秀を前にし、「京の都に本能寺という寺がございます」と切り出すと、「近頃、本能寺は種子島にある末寺を通じて、ひそかに鉄砲を作らせている」と語る……という展開。

 すると視聴者は「え、本能寺? もう?」「いま本能寺っつった? ヒイ…」「もうそのパワーワード出てきちゃうの!?」「前フリが早い!」などと反応。さらに「本能寺で鉄砲!」「京の火薬庫本能寺」「ここから伏線しいてる?」「これは本能寺の変、銃撃戦フラグ」「あーだから本能寺は爆発するんですね」「敵は本能寺にあり!」と盛り上がりを見せた。

 また同回では、尾張・古渡城で光秀(と菊丸)が竹千代(のちの徳川家康)と出会うシーンも描かれた。竹千代を演じたのは子役の岩田琉聖君で、「竹千代キター!!」「かっっっわ!」「かわ、可愛い…! 竹千代ちゃん…!」「竹千代かわゆいんですど!?!?!?」「史上最大級にかわゆい家康登場」と視聴者の心をわしづかみに。「こんな可愛い少年があんな狸ジジイになってしまうのか」「こんなかわゆいこが、将来狸爺に」「これが将来、津川雅彦になるのか(なりません)」「これがのちに、家康となり、田畑政治になるのか」など、一般的なイメージや過去に家康を演じた俳優と絡めて、成長を憂う(?)声も上がっていた。

2020年02月09日 マンテンテレビ

https://mantan-web.jp/article/20200209dog00m200041000c.html


 さて、作者もまたプロデューサーなども、制作側はすべてそうであるが、様々な伏線を張り、その伏線を一つ一つひも解いて、最後になった時に「ああ、あの時にこんなセリフがあったな」というようなことを書くのが、最高の面白さになる。

特に歴史小説などにおいて、「伏線」を書いて、多くの人が見えなかった場合などは「してやったり」と思うものである。もちろん最後まで気づかれないような伏線もあれば、わざと見せるような伏線もある。伏線と思わせて全く違うものもあれば、伏線の上にもう一つ伏線を張るというような複雑なものもある。当然に、演じている役者がわかっているものもあれば、その演じている人がわからないようなものも存在するということになる。それを見る側が、歴史の知識を総動員したり、自分で調べてみて楽しむというのが一つの楽しみ方である。

今回の「麒麟がくる」はその楽しみ方を存分に出してくれている。さすがに「今まで裏切り者のイメージであった明智光秀のイメージチェンジの作品」というだけあって、その内容をうまく書いているのではないか。今のところ、(まだまだ初めなので何とも言えないが)そのような感じがするのは私だけであろうか。

例えば、上記に「本能寺で鉄砲!」「京の火薬庫本能寺」「ここから伏線しいてる?」「これは本能寺の変、銃撃戦フラグ」「あーだから本能寺は爆発するんですね」「敵は本能寺にあり!」<上記より抜粋>とあるが、例えば「寺が武装」「寺が武器貿易の中心になっている」というようなことになれば、当然に「比叡山延暦寺の焼き討ち」ということにつながるし、また、その寺と鉄砲というつながりになれば、「雑賀衆」「石山本願寺」というところにもつながる。まさに鉄砲というものを基軸にして、信長・光秀という二人の人生が大きく変わるということになる。

ちなみに、光秀は石山本願寺を責めているときに天王寺砦で病の斃れ、その病の看病の疲れで妻の煕子が死ぬ。要するに「寺と鉄砲」の組み合わせが、光秀の一生を大きく変えるし、その妻の死が、本能寺に何らかの関係が出てくるというような伏線も考えられる。そのような考えはなかなか面白いということになるのである。

また、織田信秀の毒殺、そしてて遅れ、そして斎藤道三の動き策略というのがなかなか面白い。その辺は今後出てくるのであろう。

まあ、一人一人の演技のすばらしさはあるが、同時に、その演技のすばらしさ以上に、その伏線の貼り方が面白い。その伏線を感じることができれば、より面白く見ることができるのではないか。

宇田川源流

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