「宇田川源流」 令和二年の年初放談「今年はこうなる与党の政治」
「宇田川源流」 令和二年の年初放談「今年はこうなる与党の政治」
改めまして、新年あけましておめでとうございます。本年令和二年も「宇田川源流」よろしくお願いいたします。
早速ですが、今年も、例によって「年初放談」を行いたいと思います。
毎年、一年の初めはニュースもなく、まあ適当に今年はどうなるか占い、その標語なるものを出して、当たるか当たらぬかを適当に話しているのがこの内容になる。実際に、私自身、そもそも占い師でも何でもないしまあ、当たらないからといって何か問題が発生するわけではないのである。ある意味で年初めのお遊びであり、また究極の自己満足ということになるのである。
まあ自己満足にお付き合いいただくのは大変恐縮なのであるが、三が日何もしないのもよくないのであるから、まあ、初詣の列に並んでいる間になんとなく読んでいただければありがたいかもしれない。
では早速、去年の答え合わせからやってみよう。
<2019年の与党政治の標語>
・ 夏の参議院選挙で20近く議席を減らし、憲法改正をあきらめた安倍政権は、菅官房長官を軸にした「ポスト安倍」の動きが加速するも、今年のうちには何もなく、淡々と国会運営がされることになる。しかし、マンネリ化が進むことと与党内の対立によって、安倍政権の求心力はさらに低下し、徐々に祖の支持率が低くなってゆく。
・ 経済政策は官僚主導で行われるために、複雑な内容になってしまい、そこに利権を感じる人々の不正が大きな話題になる。しかしすでに緩み切ってしまった安倍政権において、官僚を指導することはできず、マスコミのいい題材になり、与党内でも官僚批判などが再燃することになる。その中で、様々な政策を進めるので、ますます支持率が下がる結果となる。
・ 北方領土、竹島・尖閣などの領土問題及び拉致問題は進まない。金正恩や習近平との首脳会談は行われるものの、アメリカ側につくのか、中国側につくのかということが大きな焦点となり、どっちつかずの日本が双方から非難される状態になり国際的に「八方美人」ではいられなくなる。しかし、何かを決断することなく、2020年のオリンピックまではそのまま進める結果になる。
さて、まずは、昨年夏の参議院選挙であるが、実際に、議席20も減ることはなかった。実際に147議席から141議席になっただけである議席の減は6である。
まあ、何もなかったということはなく、実際に「モリカケ」で、後半は「2大臣辞任」「桜を見る会」そして「IR贈収賄での秋元元副大臣の逮捕」ということになった。まあ、ある意味で「マンネリ化は進んだ」といえる。
国会が、スキャンダル追及の場になることを国民が飽き飽きしており、そのために、国民の政治離れが進んだということになるのではないか。その分野等の支持率が下がり、安倍内閣の「消極的支持」が増えたとということになるのではないか。
まあ「ポスト安倍」に関しては、菅官房長官の目は菅原・河井大臣の辞任で「指導力の欠如が露呈」してしまったことになり、結局はいまだにポスト安倍は決まっていないということになっている。
いずれにせよ「一つ目の標語は完全に外れた」ということになる。
二つ目の標語では、「官邸主導と利権を感じる人」ということでは「IRの秋元元総務副大臣の逮捕」が最も顕著な例になるのではないか。実際に「マスコミの良い題材」というのは、まさにそのもので、あり、支持率が下がる原因になった。この部分ではあたっているということになるのではないか。
そのことから考えると、まさに、この「二つ目の標語は当たり」ということになる。
「三つ目の標語」に行ってみよう。
北方領土・竹島・尖閣問題・拉致問題、いずれも全く進まなかったことは間違いがない事実である。「金正恩との首脳会談」はなかった。「習近平との首脳会談」は、G20などの時に行われている。そして、日本の場合は「アメリカか中国か」ということで、「八方美人」的に2019年にはトランプ大統領を、そして2020年には習近平国家主席を国賓として招き、そのまま、どっちつかずのまま進めていることになってしまうのである。まさにここに書いたままの形で2020東京オリンピックというような形になってしまった。まさにこれも「当たり」である。
このように考えると、2019年の標語は「2勝1敗」ではないか。まあまあ、上出来である。
さて今年はどうなるのであろうか。
日本の政治には根本的な問題点がある。
一つ目の問題点は「官僚の事なかれ主義と責任転嫁」である。
二つ目の問題点は「政治家の政局重視と選挙対策」である。
そして三つ目の問題点は「根本的な解決を図ることができないに日本型体質」である。
さて安倍政権というのは、この三つの問題点を全く解消することなく、「憲法改正」「少子化」「領土(竹島・尖閣・保峰領土)」「経済対策(消費税・年金)」そして今年は「オリンピック外交」を行うのである。
まあ、官僚のこれらの状況をしながら、そして「民主主義という名の衆愚マスコミ」を相手に様々なことを行わなければならないので、かなり大きな問題ということが言えるのではないか。
今、小説を書いている岡山県の偉人「山田方谷」は、「理財論」「擬対策」という二つの著書の中で、このような状況に関する内容を書いている。
まあ、今の政治家には難しいことばかりを書いているのであるが、単純に「長期間の平和で、官僚組織(当時は武士)が緩んでいる」という問題意識があり、そのことをこのように書いているのである。
「近ごろは、平和な時代が長く続いたために、国内は平穏で、国の上下とも安易な生活に慣れてしまっているのです。ただ財務の窮乏だけが現在の心配事なのです。
そこで、国の上下を問わず、人々の心は、日夜その一事に集中し、その心配事を解決しようとして、そのほかのことをいい加減にして、放ってしまっているのです。
人心が日に日に邪悪になっても正そうとはせず、風俗が軽薄になってきても処置はせず、役人が汚職に手を染め、庶民の生活が日々悪くなっても、引き締めることができない。文教は日に荒廃し、武備(武芸)は日に弛緩しても、これを振興することができない。
そのことを当事者に指摘すると、「財源がないので、そこまで手が及ばない」と応える。
ああ、今述べたいくつかの事項は、国政の根本的な問題だというのに、なおざりにしているのです。そのために、綱紀(規律)は乱れ、政令はすたれ、理財の道もまたゆき詰まってしまいます。にもかかわらず、ただ理財の枝葉に走り、金銭の増減にのみこだわっています。
これは、財の内に屈していることなのです。理財のテクニックに関しては、綿密になったにしても、困窮の度がますますひどくなっていくのは、当然のことなのです。」
<炎の陽明学より>
まあ、正直に言ってこれほどまで今の日本の政治(与党に限ったものではなく官僚も野党もすべて。大企業も一部も入る)の状況を言い当てた文章はなかったのでなかなか衝撃である。
さて、歴史を知っている人ならばその後「江戸幕府」がどうなったかはわかると思うが、まあ、安倍内閣はそこまで脆弱ではない。しかし、日本という国家そのものがかなり脆弱になってしまっており、そこが大きな問題になってくるような気がするのである。
安倍内閣の「憲法改正」は、まさにそのような日本の根本から治すということでは重要な政策であり、それが行われるかどうかがかなり大きな節目になるのではないか。
同時に今年の節目としては「オリンピック」も節目となる。つまり不定期な「憲法改正」そして期日が決まっている「オリンピック」という二つの節目がどのように動くのかということが非常に大きな問題になるのではないか。
もう一つは「ポスト安倍」の問題であると思われる。「ポスト安倍」が出てくると、当然に、安倍首相の求心力はなくなってしまう。しかし、来年2021年の自民党総裁任期までに次が決まらなければ、四選ということが話題になる。
当然に、そうなれば長期政権のゆるみも出てくるし、自民党そのものにも人材不足ということが出てくることになる。
過去には中曽根首相の次に「安倍・竹下・宮沢」その次は「小泉・加藤・山崎」というように複数の候補がいたと思う。そのような候補が上がらなくなってきているのは「小選挙区」と「マスコミの外」ということ。そして小泉純一郎が壊してしまった「派閥」ということの問題ではないか。
実際に派閥などによってしっかりと下積みを積んでいない議員たちが、結局マスコミなどにうまく使われて、そのまま落とされていなくなってしまう。「先に名前が挙がった候補は『ポスト』争いから早めに落ちる」という感じになってしまう。そのような状況が数年続いているのではないか。
そのような中での今年の標語を考えてみよう。
<令和二年の与党政治の標語>
・ 与党は今まで通りの政治を行うことが考えられる。実際に解散などは行われることはなく、淡々と行われることになる。外交に関してはあまり進むこともなく、中国よりの経済界と、アメリカよりの防衛に挟まれ、どっちつかずの官僚によって世界的な批判を受けることになる。オリンピック後、外交が少し動くことになり、アメリカ大統領選挙に向けて外交がおきく変わってくる状況になる。
・ ポスト安倍をめぐる争いは「今までとは異なる名前」が出てくることになる。今まで通りに岸田文雄政調会長は残るものの、それ以外の名前は石破茂元幹事長くらいしか出てこない状況であり、小泉進次郎環境大臣も大臣になって以降スキャンダルなどがあり滝川クリステル氏と結婚で何かを失ったことにより、さまざまな問題が出てきてしまっている。
この後、他の「若手」「女性」の名前が出てくることになる。その名前は都知事選以降、何か一つの動きになってくるのではないか。
・ 憲法改正に関して、与党は「憲法改正が必要と考える世論」とともに、粛々と進めることになる。憲法改正をでは9条を改憲するかどうかが大きな問題になってくるが、その問題を避けるように他の部分で憲法改正を行うという方向で行われると考えられる。
まあ、こんな感じであろうか。
実際に1月に始まる通常国会は、「桜を見る会」と「秋元司事件」でスキャンダルばかりになる。その間に、与党は粛々と予算案などを通すというような形になるのではないか。
結局政策を出すことができない野党に対して「政策と実行力」をどのように示すことができるようになるのかということが大きな問題になるのではないか。
そのような感じになっていつも通りの政治になるような気がするのである。
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