「宇田川源流」【土曜日のエロ】 アメリカの宅配で宅配者がかかわった性暴力が3000件を超えるという「便利さの代償」

「宇田川源流」【土曜日のエロ】 アメリカの宅配で宅配者がかかわった性暴力が3000件を超えるという「便利さの代償」

 今週も土曜日のエロの日になってきた。まあ、今年は12月28日が最後の土曜日のなるので、来週エロをやるかどうか、なかなか迷うところである。たぶん28日が「最後のエロ」29日と30日が今年の十大ニュース特集というようなことになるのではないかと思う。

さて、今週のニュースといえば、やはり「伊藤詩織氏の勝訴」であろう。はっきり言うがここでは「エロ目線」でしか話をしない。そのうえであえて言うが、まあ、男性とともにホテルの部屋に入って何もないということを期待すること自体がおかしな話である。

つまり「性行為の合意の形成」が「ホテルの部屋に入った」ことで外形的に成立するのか、あるいは「明確な意思表示」が必要なのか、あるいは、「行為後のメールなどで事後承認を受け付ける」ものなのかということの問題でしかない。

アメリカの場合、例えば「ボブサップのグルーピーレイプ事件」などの場合は、「明確な意思表示」が存在しなかったということが大きな問題になった。つまり「部屋に入っただけでは、性行為までの合意形成は成立していない」ということになる。その代わり裁判の中で性行為をすべてつまびらかにしなければならないので、その訴訟の記録とその報道こそが「セカンドレイプ」というように言われるようになったのである。今回のような伊藤氏に対する内容は、そもそも「セカンドレイプ」の拡大解釈であるといえる。

さて、一方日本の場合は、「部屋に入った時点で合意の形成があったと外形的に判断できる」とされているのが普通の判例である。特に法学的には「城の法理」というものがあり、プライベート空間に公的権力が介入できないことになっているので、「マッサージ師」「ハウスキーピング業」または「秘書などほかの業務であることが明らかな場合」を除き、基本的には、「合意形成」が成立する。

つまり理由なく相手のテリトリーに入ること自体がそれなりのリスクを伴うものであるということになる。そして「性行為をしても仕方がないという軽い認識があった」とされるべきであり、そのために、喫茶店など公の場所がかなり多く設定されていることになっているし、プライベートで部屋以外で打ち合わせできる貸し会議室のような場所も幅広くあるのである。

まあ、いずれにせよ、これを「安倍の友達」として強引に政治に結びつける人がいるが、基本的には「TBSの記者とジャーナリスト志望(だった)女性」の私人同士の痴話げんかでしかなく、大きく扱うこと自体が、双方の売名行為に加担していることになるのではないか。

さて、ではプライベートの空間に入るということで、アメリカではどのようになっているのであろうか。


米ウーバーで性暴力3000件超

 アメリカの配車大手ウーバーは、アメリカ国内で去年1年間に運転手や乗客が関わった性暴力が3000件以上あったと発表しました。

 アメリカ発の「ウーバー」は、乗客がスマートフォンなどのアプリを使って車を呼び、登録している一般のドライバーが乗客を迎えに来て、目的地まで送り届ける配車サービスで、世界各地で広く利用されています。

 ウーバー社が5日に公表した安全報告書によりますと、去年1年間に自社の配車サービスで、同意のないキスや性的な身体の接触など運転手や乗客が関わった性暴力が3000件以上あり、そのうち、レイプ被害は235件あったということです。

 ウーバー社は去年1年間でおよそ13億回の利用回数があり、99.9パーセント以上は安全に利用できていると強調。ダラ・コスロシャヒCEOは自身のツイッターで、「正しいことは性的暴行を終わらせるために件数を把握し、向き合い、行動を起こすことだ」と述べています。(07日06:47)

2019年12月07日 06時56分 TBS

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-490900/


 ウーバーイーツといえば、日本でも幅広く知れている食事の宅配であるが、アメリカの場合「ウーバー」という「車の配車サービス」が存在する。ウーバーの内容は、日本でもそうであるが、基本としてユーザーはスマホから何かの配送を頼む。これに対してウーバーという会社は、その情報を一手に引き受け、「契約している個人事業主」に対して仕事を依頼し、その仕事依頼に対して個人事業主が個人の経営責任においてその依頼事業を完遂するということになる。

つまり「依頼主→会社→個人事業主」というような依頼形態になっており、会社そのものは、情報の伝達しかしていないので、個人事業主の管理まで請け負うものではないというような感じになってしまっているのである。

さて、この場合、会社としては従業員ではないので社会保険料などを負担する必要はなく、そして、その分を安くすることができる。一方、個人事業主は会社との雇用契約がないので、自分の働きたいときだけ働くというような感じになっている。そして、依頼主は、安くサービスを受けることができるという「金銭的なメリット」と「便利さ」を共有できることになる。

一方でデメリットとしては「責任が分散化する」ということになる。前から言っているように「便利になる」ということは、そこに介在する人が増えるということであり、その介在に対して、「心」や「思いやり」という「サービス」という行為がすべて「金銭的に評価される」ということになり、逆に「金銭的に評価されない状況」であれば、「その内容をリスクとして依頼主が負わなければならない」ということになるのである。

まさに「責任」の分散化ということと、多数の人が介在するということの二つが、大きな問題になり、その内容がかなりさまざまな軋轢を生む。雇用契約ではないということは、会社が責任を負わない、つまり会社は、個人事業主に対して指導や規則で縛ることをしないので、その行為などに関しては責任を負わない。

つまり性暴力をしたりサービスの不十分に関しても全く「信用」を商売材料にしないということになるのである。その便利さと安さで、性暴力を「甘受」できるのかどうかということが今回の問題になる。

まだここには書かれていないが、「自宅まで配車する」ということは、「自宅の個人情報を会社と個人事業主に晒す」ということであり、そのことに関する問題はないのであろうか。

日本では、今は結婚した菊池桃子さんに対してタクシー運転手がストーカーをした行為があったが、実際に、そのような行為が今後このアメリカのウーバーという配車サービスでは存在することがあり、会社によると「ウーバー社は去年1年間でおよそ13億回の利用回数があり、99.9パーセント以上は安全に利用できていると強調。」<上記より抜粋>つまり、会社の発言であっても「0.1%」はそのような事件の発生があるということになるのであり、そのことに関しても責任を負わないというような状況を表明しているのと同じなのである。

そこまでして、つまり「安全」を犠牲にして便利さを追求することがあるのか、逆にエロ目線で言えば「個人情報保護法」などがあっても、全く意味がないこれらのサービスに関して、エロ事件がどれだけ少なくなるのか。そこが大きな問題になるのではないか。

宇田川源流

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