「宇田川源流」【日本報道検証】 弾道ミサイルまで出てきた中国の「威嚇」

「宇田川源流」【日本報道検証】 弾道ミサイルるまで出てきた中国の「威嚇」


 それに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます

 さて今回は、ドイツが中国の大使を呼びつけて抗議をした中ロ軍事演習について見てみましょう。まずは細心の話ですが、7月6日に、中国は潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の発射先週を行っています。このことを含めた軍事演習の意味を見てみましょう。

今回の中国海軍による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射、および同時に開幕したロシア海軍との合同軍事演習「海上連合2026」は、周辺地域に対する強力なメッセージを含んでいます。ご指摘の通り、単なる定例訓練の枠を超え、日本や台湾、フィリピン、そして南太平洋諸国を射程に収めるような位置関係で行われた今回の動きには、明確な軍事戦略的意図と具体的な演習内容が存在します。

 まず、今回の軍事行動の具体的な内容についてです。中国海軍の戦略原子力潜水艦は、太平洋の公海上に向けて模擬弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射しました。日本政府への事前通報では「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」と説明されていたものの、実際には隠密性の極めて高い原子力潜水艦からの発射(SLBM)であった可能性が指摘されており、事前の情報開示と実際の運用における不透明さが周辺国の警戒をより高めています。これと同時に山東省の青島周辺ではロシア海軍との合同演習が始まっており、水上艦艇や潜水艦、航空機が参加する大規模な共同作戦を展開したあと、一部の部隊はそのまま太平洋へ向けて合同パトロールを実施する流れとなっています。

 次に、この行動の背景にある主な目的についてです。最大の狙いは、アメリカおよびその同盟国・パートナー国に対する「第二撃能力(核攻撃を受けても潜水艦から報復できる能力)」の誇示と、地域への軍事的な威圧です。中国から見れば、日米韓の防衛連携の強化や、フィリピンを巻き込んだ南シナ海での包囲網、さらにはオーストラリアやニュージーランドが南太平洋諸国との防衛協定を相次いで締結している現状は、自国への対抗措置と映っています。今回のミサイル発射とロシアとの連携は、有事の際にアメリカ軍などの接近を阻む「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」の能力が実際に機能することを示すデモンストレーションであり、周辺国に対して「いざとなれば太平洋のいかなる場所も射程に入る」という強い心理的圧力をかける意図があります。

 今回の演習とミサイル発射は、単に兵器の性能を確かめるための技術的な訓練ではなく、二国間の緊密な軍事協力をアピールしつつ、西側諸国の防衛ネットワークを揺さぶるための高度に政治的な軍事シグナルであると言えます。

<参考記事>

【独自】中国艦船、日本のEEZで護衛 海洋調査、「管轄権」行使

6/28(日) 21:00配信 共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c7c1a58b6b3a0f6d22dfde733b7fabcd3f1e214

中露爆撃機が日本周辺を共同飛行、日本政府は「重大な懸念」を伝達

6/28(日) 1:17配信 日テレNEWS NNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/87c068e64cd35ec948ffaa1266bfdfc99f74a9c7

<以上参考記事>

 さて、中国はアメリカとの間で5月に米中首脳会談を行ったばかりです。この首脳会談と今回の軍事演習の関連性を見てみましょう。

 米中首脳会談という最高レベルの対話が行われた直後であっても、両国が軍事的な対峙や演習を止められない背景には、外交と軍事戦略が表裏一体であるという冷徹な国際政治の現実があります。首脳会談の目的は、多くの場合、対立そのものを解消することではなく、偶発的な衝突を防ぐための「防護柵」を設置することにあります。首脳同士が握手をして経済や対話の継続を確認する一方で、国家の安全保障の根幹に関わる軍事力の均衡や勢力圏の争いは一切妥協していません。特にアメリカによる対中包囲網の強化に対し、中国は対話のテーブルにつきつつも、軍事的な実力を示し続けなければアメリカに対して優位な外交交渉ができないと考えています。そのため、会談後であっても、自国の抑止力が健在であることを誇示するための軍事行動が必要不可欠となるわけです。

 そこにロシアが共同で演習に参加していることには、アメリカ主導の国際秩序に対する「二正面作戦」の突きつけという意味があります。ウクライナ情勢を巡って欧米諸国と激しく対立するロシアと、台湾や南シナ海でアメリカと対峙する中国は、共通の対抗軸としてアメリカを据えています。ロシアがアジア太平洋地域での演習に加わることは、欧州での対立がアジアへ連動していることを示し、アメリカとその同盟国に対して軍事的なリソースを分散させる圧力をかける狙いがあります。中ロの緊密な軍事連携は、アメリカが単独で世界の覇権を握る「一極集中」の時代が終わり、複数が対抗する時代に入ったことを国際社会に強く印象付ける政治的デモンストレーションにほかなりません。

 さらに、これらの演習やミサイル発射のタイミングをアメリカの独立記念日に重ねてきたことには、極めて意図的で痛烈な心理戦の意味が込められています。独立記念日はアメリカ国民にとって国家の誇りと団結を象徴する最も神聖な祝日であり、ワシントンをはじめ国内が祝賀ムードに包まれる日です。この日にあえて核抑止力の象徴である潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を太平洋へ向けて放ち、ロシアとともに大規模な艦隊を動かすことは、アメリカの祝祭に冷や水を浴びせる行為です。これは、アメリカの防衛網や警戒態勢がどれほど強固であっても、その誇りの象徴である日に合わせていつでも戦略的な打撃力を誇示できるという、中ロ側からの強い挑発であり、アメリカの最高指導部や世論に対する強烈なメッセージとして機能しています。

 このような中ロによる軍事的な威圧に対し、日本、台湾、フィリピン、そして南太平洋諸国が連携して立ち向かうことは、地域の安定を維持するために極めて現実的かつ重要なアプローチとなります。これらの国や地域は地理的に「第一列島線」から「第二列島線」、そして南太平洋へとつながる防衛上の要衝に位置しており、中国の海洋進出やA2/AD(接近阻止・領域拒否)戦略の直接的な影響を受ける当事者だからです。

 具体的な連携の内容としては、まず第一に「情報共有と早期警戒体制の構築」が挙げられます。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)のように隠密性の高い兵器に対抗するには、一国だけの探知能力では限界があります。日本が持つ高度な警戒監視能力、台湾が有する中国本土近傍の情報網、フィリピンや南太平洋諸国がカバーする広大な海域のデータを相互に、あるいはアメリカを仲介して迅速に共有するネットワークを平時から作っておくことが不可欠です。さらに、共同訓練やパトロールを通じて、中ロの艦隊が太平洋へ進出する際のルートとなる海峡や重要海域での「共同の抑止行動」を示すことも有効です。これにより、中ロに対して「孤立した一国を個別に威圧することはできない」という連帯のメッセージを送ることができます。

 一方で、今回の演習に北朝鮮が入っていないことには、中ロ側の戦略的な意図と、北朝鮮自身の立場という二つの意味があります。まず中ロ側から見れば、今回の演習は「大国としての戦略的抑止力」を誇示するための舞台です。特にアメリカの独立記念日に合わせた戦略核ミサイルの発射実験や大規模な近代的海軍演習は、アメリカと対等に渡り合う力を示す政治的デモンストレーションであり、ここに国際社会から厳しい制裁を受け、核・ミサイルで独自の挑発を繰り返す北朝鮮を直接巻き込むことは、演習の持つ「大国間のパワーゲーム」という文脈を歪め、単なる非難対象の集まりに見せてしまうリスクがあります。

 また、北朝鮮が入っていないことは、中ロと北朝鮮の連携が「全面的な一枚岩」ではないという現実も浮き彫りにしています。北朝鮮は近年、ロシアとの間で有事の軍事援助を含む条約を結ぶなど急速に接近していますが、中国は北朝鮮との関係において、過度な軍事的エスカレーションが日米韓の防衛協定をさらに強固にし、結果的に自国の安全保障環境を悪化させることを警戒しています。中国としては、北朝鮮の暴走をある程度コントロール可能な枠内に留めておきたいため、米中首脳会談の直後という極めてセンシティブなタイミングの演習に北朝鮮を直接引き入れることは避けたと考えられます。つまり、北朝鮮の不在は、中ロが北朝鮮の行動を歓迎しつつも、自国の大国としての軍事戦略とは一線を画しているという冷徹な計算の表れであると言えます。

宇田川源流

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