「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 様々な絆の中で藤吉郎と小一郎の絆が最も強い
「宇田川源流」【大河ドラマ 豊臣兄弟】 様々な絆の中で藤吉郎と小一郎の絆が最も強い
毎週水曜日はNHK大河ドラマ「豊臣兄弟」について、単なる見た感想を書いています。今年の大河ドラマは、一回一回、テーマがしっかりとしていて、そのテーマに従って信長の周辺と藤吉や小一郎の周辺で、異なった「テーマの解釈」で事件が起き、それを対比することでテーマがより戦目に見えてくるというような物語の作り方をしています。そのような、テーマの分かりやすさを強調するために、史実とされていることとはまた区異なる解釈がありますが、それでも「歴史を扱ったドラマ」として許容できる範囲になっているのではないかという気がします。
さて、今回は「本国寺の変」ですので、その内容を史実でまずは見てみましょう。
2026年放送の大河ドラマ『豊臣兄弟!』でも重要な局面として描かれる「本国寺の変」は、永禄12年(1569年)に京都で発生した激戦です。この事件の背景には、織田信長が擁立した室町幕府15代将軍・足利義昭を排除しようとする旧勢力の執念がありました。
当時、信長は義昭を奉じて入京を果たしたものの、美濃での政務や周辺勢力への対応のために一時的に京都を離れていました。この隙を突いたのが、信長によって畿内から追い出されていた三好三人衆や斎藤龍興らの軍勢です。彼らは義昭の仮御所であった本国寺を急襲し、将軍の首を狙って猛烈な攻撃を仕掛けました。
この絶体絶命の危機において、守備側の中心となったのは明智光秀や細川藤孝らでしたが、ここに木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)も加わっていたことが史実として記録されています。当時の藤吉郎はまだ信長の一介の部将に過ぎませんでしたが、この防衛戦で粘り強く戦い、将軍を守り抜くという大功を立てました。
一方で、弟の木下小一郎(後の豊臣秀長)がこの戦いにどう関わっていたかについては、当時の一次史料に具体的な記述は見当たりません。しかし、この時期の秀長はすでに兄の片腕として政務や軍事の裏方を支え始めていたと考えられています。ドラマ的な視点で見れば、最前線で槍を振るう兄の藤吉郎に対し、小一郎が後方で補給や連絡、あるいは情報の収集に奔走し、兄弟の阿吽の呼吸で将軍の危機を救うといった「二人三脚」の活躍が期待される場面でもあります。
結局、本国寺の守備隊は数倍の敵を相手に数日間持ちこたえ、その間に岐阜から驚異的な速さで駆けつけた信長の援軍が到着したことで、三好軍は撤退を余儀なくされました。この事件は、信長に「京都の防備を固める必要がある」と痛感させ、後の強固な城郭である二条御所の築城へとつながっていきます。
木下兄弟にとっては、織田政権内での信頼を確固たるものにし、天下人への階段を一段登るための重要なターニングポイントとなった事件だと言えるでしょう。
<参考記事>
【大河ドラマ 豊臣兄弟!】第11回「本圀寺の変」回想 「みんなのため。豊作の世にしてくだされ」直の願い、義昭に訴えた小一郎 長政と市、深まる絆の先にあるもの
美術館ナビ 2026.03.22
https://artexhibition.jp/topics/news/20260322-AEJ2863878/
<以上参考記事>
織田信長(小栗旬さん)は、松永久秀(竹中直人さん)を受け入れることによって、当時の国際商業都市の堺を手に入れるということを考えていた。その堺の商人たちは信長に支配されるのは良くないという結論から、三好三人衆と組んで、本国寺の変を起こしたというストーリーでした。
さて、今回もまずは兄弟の絆、人の絆ということが見えてきていました。一つは、やはり藤吉郎(池松壮亮さん)と小一郎(仲野太賀さん)についてでした。将軍足利義昭(尾上右近さん)の前で、松永久秀についての話を重臣たちとしているときに、いきなり放屁して、そのエピソードで問題を解決するということがあった。その時に、将軍義輝と義昭の兄弟の、義昭が3歳で僧籍に入れられてしまい、そのことから、まったく兄弟としての絆がないということを打ち明けます。ある意味で藤吉郎と小一郎の絆をうらやましがるようなことをしているということになります。
もう一つは、織田信長と、浅井長政(中島歩さん)そして市の方(宮崎あおいさん)の絆も大きな問題になります。信長が浅井長政に市の方に渡す土産をたくし、そして市の方がそれを大事にするという絆がでます。この夫婦と兄弟(義兄弟を含む)の絆はしっかりしていますが、浅井久政(榎本孝明さん)が、家柄のことからこの絆を断ち切ろうとしているということになります。まさにシェークスピアの書いた「ロミオとジュリエット」のように、家が絆を引き裂くという新たなパターンが出てくるということになります。
人と人の「絆」が様々に出てきて、その絆が比較してゆくということになります。そして、家柄や、将軍家の都合などで、「絆」を大事にしなかった人々は、すべて途中で天下を取れず、兄弟の絆を大事にして、助け合った豊臣兄弟が天下を取るということになります。
また、その絆は、生きている人とばかりではないということになります。やはり途中でなくなった「直(白石聖さん)」との約束が、そのまま豊臣兄弟の絆が平和の戦いのない世の中にするということを目指しているということになるのではないでしょうか。まさに、その内容が今回の本国寺の変での小一郎の活躍になります。
はっきり言って史実とはかなり異なると思いますし、上記にも小一郎が関係があったかどうかという事や、その小一郎が僧侶に変装して三好三人衆の前に現れ、説得したという事や、その中に斎藤竜興(濱田龍臣さん)がいたというようなことがありましたが、実際にはそのようなことはなかったのかもしれません。しかし、「なかった」という資料はないので、ある意味ではドラマの演出として許容される範囲ではないかと思います。
ある意味で斎藤竜興がいたことで、「恨み」を持つものが上手くゆかないということも上げますし、また、小一郎が僧侶に変装して時間を稼いだことで、兄藤吉郎が帰ってくることを待っていたということ、そしてその状態を明智光秀(要潤さん)が将軍義昭に言っているということが、絆の強さが様々な人の運命を変える、今回は、将軍の命を救ったということになるのです。
このような「絆の比較」が出てくることがこのドラマの面白さかもしれません。
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