「宇田川源流」【現代陰謀説】 ハメネイ最高指導者の死の影にイスラエル諜報機関モサド

「宇田川源流」【現代陰謀説】 ハメネイ最高指導者の死の影にイスラエル諜報機関モサド


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現在このように普通に生きている中で、今まさに動いている陰謀ということを、現在公開されているニュースの中からその内容が見いだせるニュースをピックアップし、そしてその中にある「陰謀」を暴きだしてみたい、という内容である。もちろんニュースだけでは完全に不足していることから、それ以上の知識などが総動員されなければならないが、このブログではそこまでしようとは思っていない。それよりも「このような読み方をすれば、陰謀を読み分けることができる」ということをこの場で示したいと思っている。実際に、完全に見分けることは難しくても、ニュースの読み方を見てゆけばよいのではないかということとを考えている連載である。

 さて、陰謀というのは基本的には「戦争」に直結することが少なくない。結果論ではそのように物事がみえる。実際は「相手の国を、自国の思い通りにコントロールする」ということがあり、その場合、相手の国の事を考えて行うのではなく、自国の利益のために相手の国を使う、場合によっては相手国の政権を崩壊させるというようなことにつながるので、そのことが露見した場合に両国の関係は悪化し、その結果、「戦争」に繋がってしまうということがある。

 もちろん、善意による他国の介入というものがあるが、だいたいの場合、国の価値観が異なるのであるから、その価値観そのものを押し付けた結果を求められた場合、その内容が大きな問題として出てくることになるのではないか。またそのように外部からコントロールされていたことが明らかになれば、その外部勢力は当然に反発を覚えるということになる。

 そしてそのような陰謀の前には、相手国を観察するということが必要になる。その上で「戦争を覚悟した観察」を最後に行う必要がある。秘密兵器や、隠れた何かがあった場合は、戦争になって被害を被る可能性があるからだ。そのように考えれば、「陰謀を仕掛ける前」と「陰謀の終盤」のにかい、よく相手国を観察する必要があることは間違いがない。

<参考記事>

「ハメネイ師参加の会議が夕方から朝に変更」トランプ大統領に"絶対的自信"を与えたイスラエル諜報機関の暗躍

3/5(木) 7:15配信 プレジデントオンライン

https://news.yahoo.co.jp/articles/25180fc22b0ea32d1f61acc0e418e57418542b54

<以上参考記事>

 アメリカやイスラエルの情報機関による工作活動について、現在の緊迫した情勢を踏まえ、その具体的な内容を紐解いていきます。

 まずはイランにおけるハメネイ師殺害とインテリジェンスの役割です。

 2026年2月28日、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師がイスラエル軍とアメリカ軍の共同作戦によって殺害された事案では、モサド(イスラエル対外情報局)とCIA(米中央情報局)が数十年におよぶ準備の集大成ともいえる連携を見せました。

 まず、ハメネイ師の正確な居場所を特定するために、両機関はデジタルとアナログの両面から徹底的な包囲網を敷いていました。テヘラン市内に張り巡らされた交通監視カメラのネットワークをハッキングし、最高指導者の車列をリアルタイムで追跡。さらに、ハメネイ師の側近や居住区周辺のモバイルネットワークをサイバー攻撃によって掌握し、物理的な警護の隙を突くためのデータを収集していました。

 特筆すべきは「ヒューミント(人間による諜報活動)」の深さです。モサドは20年以上前からイラン国内に協力者のネットワークを構築しており、今回の作戦でもハメネイ師の私生活??食事の調達ルートからゴミの処理、日々のルーティンに至るまで??をパズルのピースを埋めるように詳細に把握していました。一部の報道では、ハメネイ師の最側近の中にCIAの協力者が存在した可能性も指摘されています。

 攻撃の直前には、ハメネイ師の事務所周辺にある12箇所の通信基地局がサイバー攻撃によって無効化され、警護チームは空襲警報を事前に受け取ることができませんでした。この周到な「情報の遮断」が、わずか60秒という極めて短い時間での精密爆撃を成功させた決定打となりました。

 参考に、ベネズエラのマドゥロ大統領拘束とCIAの関与についても触れておきましょう。

 一方、2026年1月初頭に実施されたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束作戦「アブソルート・リゾルブ」においても、CIAは軍の特殊部隊(デルタフォース)の先兵として不可欠な役割を果たしました。

 CIAは、マドゥロ大統領の「生活パターン(パターン・オブ・ライフ)」を数ヶ月にわたり執拗に監視していました。彼がどこで寝起きし、何を身につけ、どのようなペットを飼っているかといった細部までを調査し、それに基づいてアメリカ国内には大統領官邸の精巧なレプリカが建設され、特殊部隊が何度も突入シミュレーションを繰り返しました。

 また、CIAはベネズエラ政府の内部に極めて秘匿性の高い情報源を確保していたとされています。この情報源により、マドゥロ大統領がカルカス市内の軍事基地「フェルテ・ティウナ」に滞在するタイミングが正確に把握されました。作戦決行時には、米サイバー軍と連携して首都のインフラを一時的に麻痺させ、防空網を無力化することで、ヘリコプターが検知されることなく官邸へ侵入する経路を確保しました。

 これらの事例が示すのは、現代の情報機関が単なる「情報の収集者」にとどまらず、サイバー攻撃、心理戦、そして物理的な軍事行動を融合させた「ハイブリッド作戦」の司令塔として機能している実態です。国家の主権を揺るがすこうした暗躍は、国際法上の議論を呼びつつも、現在の国際政治における最も強力な武器として行使されています。

 台湾やウクライナの事例に見られるように、武力行使の数年前から「静かなる侵攻」とも呼ばれる情報機関の暗躍は始まっています。日本という民主主義国家において、こうした目に見えない脅威を察知し、対策を講じるためには、組織と個人の両面で極めて高度な「防諜(カウンターインテリジェンス)意識」が求められます。

 具体的な対策について、その兆候の捉え方と行動指針を解説します。

 まずは認知領域における「分断の兆候」を察知するということになります。

 情報機関が最初に着手するのは、その国の国民の意識を操作し、社会を内部から弱体化させる「影響工作」です。具体的には、SNSやインターネットメディアを通じて、国内の特定の対立軸(政治信条、世代間、地域格差など)を過激に煽る言説が急増した際、それは背後に外国の工作員が介在している強力なサインとなります。

 これに対抗するには、情報を受け取る側が「この情報は誰を怒らせ、誰を喜ばせるために発信されているのか」という視点を持つことが不可欠です。特定の勢力を極端に攻撃したり、逆に特定の外国を過剰に称賛したりする情報が、一見無関係な「インフルエンサー」や「一般利用者」のアカウントから同時多発的に発信される現象に注意を払う必要があります。情報の出所を複数の信頼できるソースで確認する習慣(クロスチェック)を社会全体で共有することが、最も基本的な防衛策となります。

 次に、人的な「アプローチのパターン」を理解するということです。

 スパイ活動は、映画のような派手な潜入よりも、日常的な「親交」の中から始まります。研究者、ビジネスマン、あるいは留学生といった正当な身分を装い、先端技術を持つ企業の社員や、政策決定に近い官僚、政治家の周辺に近づきます。

 具体的に警戒すべきは「過剰な好意」と「小さな貸し」です。例えば、国際会議やセミナーで知り合った人物から、相場を大きく上回る高額な報酬での講演依頼や、豪華な接待を伴う海外への招待を受けた場合、それはターゲットを心理的に「断りにくい状況」に追い込むための常套手段です。

 また、情報機関は「エリートの不満」や「金銭的困窮」を敏感に嗅ぎ取ります。組織内で正当に評価されていないと感じている人物や、多額の借財を抱えている人物に対し、親身な相談者を装って接近し、最初は「公開されている範囲の資料」を提供させることから始め、徐々に引き返せない一線を越えさせます。周囲の人間が、特定の同僚の急激な生活水準の変化や、不透明な海外渡航の増加に気づき、それを「単なる個人の問題」と片付けずに組織として相談できる体制を整えておくことが重要です。

 次に、技術と資産の「不自然な流れ」を監視するということです。

 経済安全保障の観点からは、技術流出や重要土地の買収に対する警戒が必要です。自国の防衛施設や電力、通信といった重要インフラの周辺で、外国資本による不透明な不動産取引が繰り返されることは、有事の際の物理的な破壊工作や通信傍受の拠点を構築している可能性を示唆します。

 また、サイバー空間においては、特定の企業のサーバーに対する「微弱だが持続的なアクセス」が兆候となります。一気に情報を盗むのではなく、数年にわたってシステム内に潜伏し、いざという時に社会機能を停止させるための「バックドア」を仕掛けるのが現代の定石です。システムの不自然な挙動や、身に覚えのない接続ログを軽視せず、速やかにセキュリティ機関と情報を共有する意識が、国家レベルのインフラを守る鍵となります。

 このように、情報機関の暗躍は日常の中に溶け込んでいます。それを防ぐには、個々人が「自分はターゲットにならない」という過信を捨て、身の回りの「小さな違和感」を記録し、報告する勇気を持つことが、最大の抑止力となります。

 このように日本の我々にこれを言っているのは、日本も過去そのような事件があったからです。いわゆる「ゾルゲ事件」です。最後にその内容を見てみましょう。

リヒャルト・ゾルゲという人物が日本の中枢に深く食い込み、歴史の針を動かした「ゾルゲ事件」は、インテリジェンスの歴史において今なお世界中で研究対象となっている戦慄の事例です。

 この事件の本質は、単なる情報の窃取にとどまらず、日本政府の意思決定そのものを背後から操ろうとした「影響工作」にあります。

 ゾルゲはドイツの有力紙「フランクフルター・ツァイトゥング」の記者という肩書きで1933年に来日しました。彼は熱烈なナチス党員を装い、当時の駐日ドイツ大使館員や武官たちから絶大な信頼を勝ち取ります。大使館内に個室を与えられるほど深く食い込んだ彼は、ドイツ側の極秘情報を手に取るように把握していました。

 さらに恐るべきは、日本側の協力者ネットワークです。ゾルゲの右腕となった尾崎秀実は、当時の近衛文麿内閣の嘱託(アドバイザー)を務める超エリート知識人でした。尾崎を通じて、ゾルゲは日本政府の最高機密である国策の方向性や、軍の動向をリアルタイムで入手し、それをソ連の軍事情報局(GRU)へと送り続けていました。

 ゾルゲがソ連に送った情報の中で、第二次世界大戦の行方を決定づけたとされるものが二つあります。

 一つは、1941年のドイツによるソ連侵攻(バルバロッサ作戦)の正確な開始日時です。これはスターリンに無視されましたが、的中していました。

 もう一つ、より決定的なのが「日本軍は北進(ソ連攻撃)せず、南進(東南アジア・真珠湾攻撃)を選択した」という情報です。当時、ソ連は東西でドイツと日本に挟み撃ちにされることを最も恐れていました。ゾルゲが日本軍の南進を断定したことで、ソ連は極東に配備していた精鋭部隊を西側の対独戦線へと回すことができ、これがモスクワ攻防戦での勝利、ひいてはナチス・ドイツ敗北の転換点となりました。

 この組織的なスパイ網が発覚したのは、特高警察(特別高等警察)による共産党関係者の地道な内偵からでした。一人の協力者の供述から芋づる式にネットワークが露呈し、1941年10月、ゾルゲや尾崎は逮捕されました。

 ゾルゲ事件が現代に突きつける教訓は、情報機関の暗躍は決して「外部からの侵入」だけではないということです。自国のエリート層や、同盟国(当時のドイツ)の信頼厚い人物が、実は敵対国のエージェントとして動いているという「内部の脅威」の恐ろしさを物語っています。

 当時の日本は、ゾルゲたちの流す情報によって「ソ連との衝突を避け、アメリカとの戦争へ向かう」という選択肢を、ある意味で強化・誘導されてしまった側面も否定できません。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000