「宇田川源流」【現代陰謀説】 中ロが衛星でヨーロッパを監視し未確認飛行物体を飛ばしている

「宇田川源流」【現代陰謀説】 中ロが衛星でヨーロッパを監視し未確認飛行物体を飛ばしている


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現在このように普通に生きている中で、今まさに動いている陰謀ということを、現在公開されているニュースの中からその内容が見いだせるニュースをピックアップし、そしてその中にある「陰謀」を暴きだしてみたい、という内容である。もちろんニュースだけでは完全に不足していることから、それ以上の知識などが総動員されなければならないが、このブログではそこまでしようとは思っていない。それよりも「このような読み方をすれば、陰謀を読み分けることができる」ということをこの場で示したいと思っている。実際に、完全に見分けることは難しくても、ニュースの読み方を見てゆけばよいのではないかということとを考えている連載である。

 さて、陰謀というのは基本的には「戦争」に直結することが少なくない。結果論ではそのように物事がみえる。実際は「相手の国を、自国の思い通りにコントロールする」ということがあり、その場合、相手の国の事を考えて行うのではなく、自国の利益のために相手の国を使う、場合によっては相手国の政権を崩壊させるというようなことにつながるので、そのことが露見した場合に両国の関係は悪化し、その結果、「戦争」に繋がってしまうということがある。

 もちろん、善意による他国の介入というものがあるが、だいたいの場合、国の価値観が異なるのであるから、その価値観そのものを押し付けた結果を求められた場合、その内容が大きな問題として出てくることになるのではないか。またそのように外部からコントロールされていたことが明らかになれば、その外部勢力は当然に反発を覚えるということになる。

 そしてそのような陰謀の前には、相手国を観察するということが必要になる。その上で「戦争を覚悟した観察」を最後に行う必要がある。秘密兵器や、隠れた何かがあった場合は、戦争になって被害を被る可能性があるからだ。そのように考えれば、「陰謀を仕掛ける前」と「陰謀の終盤」のにかい、よく相手国を観察する必要があることは間違いがない。

<参考記事>

中ロの人工衛星、英独は「もはや無視できない」 どのような脅威なのか

11/11(火) CNN.co.jp

https://news.yahoo.co.jp/articles/c46d755b32e0c020d954d9280b13960e5742ccd7

<以上参考記事>

 近年、ロシア製ドローンや正体不明の飛翔体が欧州上空で相次いで観測され、空港の一時閉鎖や運航停止を招く事例が報告されている。これらの出現は単発にとどまらず頻度が増しており、欧州側では大規模な監視と識別の負荷が生じていると伝えられている。

 危機が示すのは複合的な脅威である。第一に領空侵犯や偵察によって軍事情報や政治的圧力が生まれる点、第二に無人機群や小型飛翔体の大量運用が従来の防空や管制の常識を覆し得る点、第三に空港や民間インフラへの直接的な影響によって社会的混乱や経済的損失が連鎖的に発生する点が挙げられる。欧州の首脳会議では、こうした事象を単なる事故や個別事案と見るのではなく、組織的な運用や戦術の一環として評価する議論が進んでいる。

 対応は短期的な被害回復と中長期の体系的対策に分かれる。即応段階では空港や航路の運用見直し、領空監視の強化、関係国間での情報共有や追跡能力の連携が行われている。中長期的には「ドローンに対する防護」や電子戦能力の強化、無人機検知網の整備、複数国にまたがる早期警報と対応ルールの策定といった枠組み作りが進められており、欧州全体で防空体制や対領空侵入ルールの見直しが加速している。

 今起きているのは単純な領空事件ではなく、無人機や小型飛翔体を巡る新しい安全保障上の挑戦である。対応は技術的対策だけでなく、法的・外交的整理と同盟内の情報協調、民間インフラの回復力強化を並行して進める必要がある。透明性のある事実確認と連携の強化が、誤認や過剰反応を避けつつ抑止力を作る鍵になると見られている.

 。中国の衛星や衛星関連能力が情報収集(監視・偵察)や通信妨害といった機能を急速に拡大しており、その活動が欧州の軍事・民間インフラや同盟軍の運用に影響を与えうると警戒されているという点だ。

 具体的には、中国は多数の小型・中型衛星を展開して地表観測・電波監視・マルチスペクトル観測などを行い、対地・対艦・対空の動きや通信トラフィックの把握を強化しているとの指摘がある。また衛星からの電波妨害や遠隔での機能無効化、あるいは物理的に破壊する対衛星兵器(ASAT)やジャミング能力の開発・実験が進んでいると報じられており、これが欧州側の警戒を強めている。

 こうした能力は軍事的な監視・標定(C4ISR)能力の向上と重なる一方で、衛星通信や航行支援、地上のライフラインに依存する民間分野にも波及する可能性がある。衛星の妨害や破壊は軍事通信だけでなく民間のブロードバンドや金融・電力インフラにも影響を及ぼすため、被害の広がりを懸念する声が出ている。

 欧州やNATOの対応は多面的といえる。欧州連合内では特定の供給・技術リスクに対する対処や対中交渉の枠組み整備が進められており、軍事面では宇宙空間の安全保障を強化するための協力や規範づくり、被害に強い運用や代替手段の整備が議論されている。NATOや個別国は宇宙を戦域として捉え、宇宙態勢監視や衛星防護、妨害時の回復力向上に資源を振り向ける動きを強めている

 結論として、報道が伝える懸念は技術の二面性と依存性に端を発しているのではないか。中国の衛星活動は欧州の監視や意思決定にとって情報優位を脅かす要因となりうる一方、衛星機能の妨害は民生分野まで影響を及ぼすため、軍民を横断するレジリエンス強化と同盟間の協調が安全保障上の課題になっていると整理できる。

では日本はどうすべきか。

 領空や宇宙空間での衛星・ドローン活動がもたらす複合的リスクに対して、日本は軍事的、外交的、技術的、法制度的、社会的な手段を統合した「全方位の備え」を進める必要がある。まず即応能力の強化として、空域監視と識別の精度を高めることが不可欠だ。従来のレーダー網に加え、光学・電波・信号情報を統合するマルチセンサーの常時稼働を確保し、自動化された追跡と脅威分類の運用を整えることで、早期発見から適切な対処までの時間を短縮できる。こうした監視能力は自衛隊単独ではなく、警察や航空管制、民間事業者との情報連携を前提に運用設計することが重要である。

 防護と抑止の面では、電子戦やサイバー防御、物理的迎撃手段のバランスを取る必要がある。電子妨害や通信遮断に対する耐性を民間・軍用双方で高めること、衛星通信の代替ルートや運用プロファイルを複数持つことで被害の波及を抑えること、限定的かつ適法な無人機対処能力を航空自衛隊や海上自衛隊、自治体の実働部隊に配備することが求められる。迎撃や妨害行為は誤認やエスカレーションを引き起こすため、明確な運用ルールと比例原則に基づく承認手続き、そして事後検証の枠組みを整備しておくことが安全確保につながる。

 同盟と国際協調は戦略上の柱である。米国や欧州の同盟・パートナーと宇宙・空域における情報共有の枠組みを深化させ、共同での早期警報体制や脅威評価、対処手順を合意することが重要だ。外交面では、領空侵害や無人機活動の事実関係を透明に提示するための外交チャンネルと検証メカニズムを維持し、国際法や民生インフラ保護に基づく規範形成を主導する姿勢が求められる。多国間の議論を通じて宇宙の軍事化や有害行為に対するルール作りを促進するとともに、被害が生じた際の共同対処や制裁の選択肢を外交的に整えておくべきだ。

 産業基盤と技術開発の強化も不可欠である。国産の小型観測衛星や電波・光学センサー、耐妨害型通信技術、衛星運用のセキュア化に対する中長期投資を拡大し、民間宇宙産業との連携を深めることで安定的な観測・通信能力を確保する。国内サプライチェーンの多様化と重要技術の国内保有は、外部依存による脆弱性を減らす。研究開発面では、人工知能を活用した異常検知や追跡アルゴリズム、妨害下での代替航法・通信の実用化を優先課題に据えると効果が高い。

 法制度と国内ガバナンスの整備によって、迅速かつ適切な対応を可能にする環境を作るべきだ。現行法の適用範囲を見直して領空・宇宙での新たな行為に対する対応手続きや責任分担を明確にし、必要な場合の行政命令や民間協力の法的基盤を整える。また民間インフラ事業者に対するセキュリティ基準と報告義務を整備し、重要インフラのレジリエンスを高めるための支援策や演習を恒常化することが必要である。

 国内社会の備えと情報発信も忘れてはならない。空港や主要インフラでの運用停止・遅延が社会的混乱を招く可能性があるため、民間事業者と行政が共通の対応シナリオを持ち、住民向けの危機情報伝達手段と復旧優先順位を定めておくことが最小限の混乱で乗り切る鍵になる。透明性を重視した説明と、誤情報を抑える速やかな公表体制が国民の信頼を保つ。

 最後に戦略的一貫性である。短期の対処策と中長期の抑止・回復力強化を並行させ、外交・防衛・産業・法制度・社会対応を時間軸で結び付ける国家戦略を策定し、国民的合意を得ながら実行することが重要だ。単発の事件への反応に終始するのではなく、宇宙および低高度空域を巡る新しい安全保障環境を前提とした持続的な国家能力の構築こそが、日本の安全と社会の安定を守る最善策となる。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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