「宇田川源流」【日本報道検証】 8月20日にTICADアフリカ阿開発会議開幕
「宇田川源流」【日本報道検証】 8月20日にTICADアフリカ阿開発会議開幕
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたます。
さて、今回は「アフリカ開発会議」について見てみることにする。
TICAD(Tokyo International Conference on African Development、アフリカ開発会議)は、1993年に日本政府が主導して創設されたアフリカ開発の国際フォーラムである。アフリカ諸国が主体的に開発戦略を策定し、国際社会と協働する「オーナーシップ」と「パートナーシップ」を基本理念に据え、冷戦終結後に低下したアフリカへの関心を喚起した。 冷戦終結直後、国際社会は東欧や旧ソ連圏の復興支援に注力し、アフリカへの援助関心は後退していた。欧米先進国の援助疲れと経済停滞を背景に、アフリカ開発は再び「忘れられた開発課題」となりつつあった。そのような環境の中で、1989年に世界最大のODA拠出国となった日本は、従来の二国間援助に加え、多国間フォーラムを通じてアフリカの声を吸い上げる場としてTICADを提唱。対話の中核にアフリカ諸国自身の開発責任を据える「オーナーシップ」と、国連や世界銀行、NGOなど多様なアクターが協調する「パートナーシップ」を打ち出した。
まずはそのオーナーシップとしてアフリカ諸国の自助努力を尊重し、主体的意思決定を促進ということになり、また、パートナーシップとして国際社会とアフリカ諸国が平等に協調し、資金・技術・人材を共有という理念が決まった。この理念は、一方的な援助提供からの脱却を意味し、「支援される側」と「支援する側」を柔軟に往還させる構造を実現した。
その参考記事の前に、まずはTICADの歴史的展開を見てみよう。以下では第1回から第8回までの主要テーマと成果を概観する。なおその内容は箇条書きにして過去の内容を見てみることにしよう。
TICAD I(1993年・東京)
・開催地:東京
・参加:アフリカ48カ国の首脳を含む約12カ国、国連、世界銀行など合計約68主体
・テーマ:アフリカの自助努力(民主化・良い統治)と南南協力の推進
・成果:東京宣言採択。アフリカ開発への国際社会の関心喚起を図った。
TICAD II(1998年・東京)
・テーマ:貧困削減と世界経済統合
・構造:社会開発、経済開発、基盤整備の三本柱
・成果:東京行動計画を策定し、「オーナーシップ」と「グローバル・パートナーシップ」の重要性を再確認。
TICAD III(2003年・東京)
・テーマ:アフリカ開発の新パートナーシップ(NEPAD支援)
・成果:アフリカ連合(AU)とNEPADへの連携強化、人間の安全保障への注目。
TICAD IV(2008年・横浜)
・テーマ:経済成長加速、人間の安全保障、環境・気候変動対策
・成果:横浜宣言採択、医療分野の顕彰として野口英世アフリカ賞創設。
TICAD V(2013年・横浜)
・テーマ:「援助から民間投資へ」の転換
・成果:ABEイニシアティブ発表(産業人材育成)、SDGs策定過程へのアフリカ参画支援。
TICAD VI(2016年・ナイロビ)
・テーマ:持続可能な開発アジェンダ促進
・成果:初のアフリカ開催、FOIP(自由で開かれたインド太平洋)構想提唱、エボラ等保健危機対応協力。
TICAD VII(2019年・横浜)
・テーマ:ビジネスを中心に置く開発
・成果:官民対話強化、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進、平和構築新アプローチ(NAPSA)表明。
TICAD VIII(2022年・チュニジア)
・テーマ:共に成長するパートナーシップ
・成果:コロナ禍・ウクライナ危機の複合危機対応、人への投資・法の支配強化など重点分野設定。
<参考記事>
政府、アフリカ新経済圏提唱へ 20日から横浜で開発会議
8/14(木)共同通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/87c0c6a8d96dd886f83e546bae16271a34550225
<以上参考記事>
過去の内容を見てわかるように、その時の政権がアフリカや外交、または資源外交に興味が会ったりまたは一生懸命であれば非常に良いないようになっているのであるが、あまり外交として興味が無かったり国内の事情で一生懸命であまり良い話がなければ、対した成果がない。
本来日本の外交的な位置づけとして考えれば、TICADは日本とアフリカに限らず、国連、世界銀行、AU、NGO、民間企業など多彩なステークホルダーが参加する「開かれた対話の場」を維持してきた。中国やEUの二国間会議との大きな違いは、非締結的であるがゆえの柔軟性と、テーマ選定の透明性にある。同時に、日本は「人間の安全保障」の概念を保健・医療分野や平和構築支援に結びつけ、資金援助のみならず、制度設計や人材育成に重点を置いてきた。このアプローチは、アフリカ諸国が国内制度を強化し、国際的評価を高める契機としなければならないのであるが、その様になっていない会があるということになる。
そのような中で第9回のTICADが8月20日から横浜で開催される。
アフリカ諸国側では、TICAD9を「最終フロンティア」として期待している。人口急増や中間層の拡大、豊富な天然資源を背景に、アフリカ全域でビジネス・投資環境の整備や市場統合が進むことを強く望んでおり、とくに起業支援やデジタルイノベーション、都市・農村をつなぐ交通網の整備などを通じて、持続的な経済成長と雇用創出が実現されることに高い関心が寄せられている。
日本政府はこれらの期待に応えるため、具体的な資金調達策と官民連携プラットフォームを準備している。JICAが「アフリカ・TICADボンド」を発行し、アフリカの人材育成やインフラ事業への民間投融資を後押しするほか、TICAD Business Expo & Conferenceを通じて日本企業とアフリカ企業のマッチングを強化。加えてデジタル技術や再生可能エネルギー、AIなど新産業分野での協力を深め、グローバルなバリューチェーンへの統合を図る計画となっている。
石破内閣は、物流インフラの強化を柱と位置づけ、「インド洋・アフリカ経済圏イニシアティブ」を掲げています。TICAD9の場で、ザンビア内陸からマラウイを経由しモザンビーク東岸へ至るルート「ナカラ回廊」の早期整備を表明。これにより、鉄鉱石をはじめとするアフリカ資源の日本への最短輸送ルートを確立し、電気自動車の原材料供給安定や経済安全保障上のリスク軽減を一気に推進する考えているようだ。
過去、2016年のTICADでは、アフリカを交えたインド洋の経済圏FOIPの提唱をするなど、様々な内容をしっかりと考えて行っており、そのことが今になってQUAD等につながり、インド洋の平和という観点が世界の共通項目になっている。このように日本の提案が、世界を動かした瞬間である。
日本ではなぜかアフリカといえば、いまだにサバンナやマサイ族のような原住民のイメージしかない。しかし、そのようなことばかりではない。同時に世界で今人口が増えているのはアフリカなのである。そのうえ地下資源も残っており最後のフロンティアこそがアフリカになったのである。
政府が、20~22日に横浜市で開催する第9回アフリカ開発会議(TICAD)で、インド、中東諸国と連携してアフリカの経済成長を後押しする新たな構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を提唱する方向で調整していることが分かった。自由貿易推進に向けた産学官の枠組み設置も確認する。複数の日本政府関係者が14日、明らかにした。
中国がアフリカへの巨額支援で影響力を拡大する中、産業育成や防災といったアフリカが直面する課題について、日本が共に解決策を追求する姿勢を打ち出す方針だ。
会議では、日本とアフリカの協力強化に向け「経済」「社会」「平和と安定」を3本柱に具体策を話し合う。「自由で開かれたインド太平洋」実現への協力や重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化を確認する方向だ。
新たな経済圏構想は、日本主導でインドや中東などを拠点とする企業が連携し、アフリカでの貿易・投資の拡大を図ることが中心。相手国の要請を待たずに日本側から事業を提案する「オファー型」の政府開発援助(ODA)の展開を訴える。
この会議に関して注目が少ないのは残念なのである。
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