「宇田川源流」【日本報道検証】 マスクは無償で配ったのに、何故コメを「入札」しているのか
「宇田川源流」【日本報道検証】 マスクは無償で配ったのに、何故コメを「入札」しているのか
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は最近というか昨年の夏以降問題になっている「米の高騰問題」に関して、現在の石破内閣のあまりにも無策な対応に対して、非常に大きな問題を意識しているということに関して、その内容を見てみようと思います。
さて、今回の「米高騰」に関して、石破政権があまりにも無策であるという指摘が多くあります。実際に、「備蓄米」を「小出し」にして、それでもコメ価格は全く下がらない状態です。そもそもという言い方はよくないかもしれませんが、今回のこの米価格の高騰は、昨年の南海トラフ由来の東海地震の「警戒警報」から始まったことを覚えていますでしょうか。実際それまではコメ価格は安定していたということになります。
自身が来るという恐怖感からコメを買い占める行為ができたということになる。そのことから、市場に出回る米の在庫がなくなったということを意味している。これは「日本国からコメがなくなったということではなく、市場に出回る米がなくなった」ということに過ぎない。つまり、「米の在庫」は「米問屋やJAなどに存在している」ということになる。しかし、政府はそのことを強制して米問屋などに在庫を吐き出させるのではなく、政府が持っている備蓄米、つまり「緊急用の米」を放出したのである。
しかし、その放出した米も、「入札制」で売ったということになる。その入札の米をそのまま「米問屋」などが収奪しているということになるのである。
もう一度言うが、そもそもの発端は「小売業における米の流通量の減少」である。それは「米問屋などが米を出さなかった」ということが大きな問題であり、そこに「備蓄米を供給する」などということがあること自体がおかしな話なのである。
いかに、石破内閣、特にこの問題では、江藤拓農水大臣が米の流通や米に関する市場の動向を理解していないかということが大きな問題になっている。
<参考記事>
食糧法に“価格の安定”は「書いていない」と答弁した江藤農水相…消費者が「2キロのコメ」で節約もJA全中会長は「コメ価格は高くない」で大炎上
5/19(月) デイリー新潮
https://news.yahoo.co.jp/articles/852d3ad03352417af5b91558dc62f0b52e034152
<以上参考記事>
さて、今回に似たようなことは以前にもあった。実際にゲーム機のプレイステーション5の販売時には、かなりの問題になっていたし、何かレアなものが発売される食べに「転売」が問題になっている。特に皆さんの印象に残っているのは、新型コロナウイルスCovid19による外出が制限されたときの「マスク」です。マスクは、中国製であり、そのことから輸入がストップして少なくなってしまったということになります。そのことから、マスクが高騰したということがあった。その時に安倍内閣は、様々な批判はあったものの「マスクそのものを各家庭各個人に配布する」という手法を行ったのである。このマスクは、マスコミなどによって「アベノマスク」などと揶揄されていたが、実際には、このマスクの配布によって、マスクそのものの恐慌状態がなくなり、そしてマスクは正常な値段(何が正常な値段なのかということはよくわからないが、しかし、少なくとも恐慌状態になる以前の値段に近づいたということ)になったのである。
マスクと米、何が違うのか。
マスクも、使い捨てのマスクであるから、米と同じように耐久財ではない。しかしマスクを配布することによってマスクそのものの値段が下がる。少なくとも「高騰したマスクを購入する必要がない」ということになるのである。しかし、政府の対応は米の場合、米そのものを米の問屋に出した。もともと米の流通業者が十分な米を小売業者に放出しなかったことが大きな原因になるということなのであるが、残念ながらそのことを全く考慮していない。
もちろん余すことなくすべて出してしまえということはない。しかし、趣向品ではない食料品などから、ある程度の適正な量をしっかりと供給する義務があるはずが、残念ながら日本にはそのような力はないし、政府にもそのような力はない。そのことから、政府はそれなりに頑張っているかもしれないが、すでに「市場に十分な量の必需品を供給する」というような義務を果たさずに、自己の利益のみを追求する問屋に貴重なコメを渡してしまえば、それでは解決が遠ざかるということは間違いがないのである。そのことが全く理解できていない程、内閣は市場のことをわかっていないし国民の生活を全く見ていない。
単純に言えば、内閣がどこを見て仕事をしているかということがよくわかる。
これから毎月10万トン放出するという。10万トンの米を12万トンにすれば1億2000万人に1キログラム配布することができる。そのことで助かる人がどれくらいいるのであろうか。そして、市場は1キロ売れなくなるのであるから、そのぶん米が売れなくなる。当然に、売れないのであるから値段が下がるのである。
そのような市場の原理が全く見えていないということが、今回よくわかったということになるのである。これでは、国民の支持を得られるはずがないのである。
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