「宇田川源流」【日本報道検証】 ロシアの戦勝記念日に中ロ首脳会談
「宇田川源流」【日本報道検証】 ロシアの戦勝記念日に中ロ首脳会談
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。
さて、今回は、5月8日ロシアの対ドイツ戦争(第二次世界大戦)の80回目の戦勝記念日の式典をロシアで行った際、そこに中国の習近平国家主席が参加し、ロシアのプーチン大統領と会談したことに関して、その背景とその内容を見てみたいと思う。
さて、まず何よりも注目したいのは、この会談に北朝鮮の金正恩総書記が参加していないということである。日本の報道などでは「ロシア・中国・北朝鮮の三か国が連携をしてるかのような報道」が少なくない。今回、私が注目していたのは、1カ月ほど前には、北朝鮮の金正恩総書記が戦勝記念日に向けてロシアを訪問するのではないかという報道が流れたことである。実際に、4月の終わりまでその報道はあり、また北朝鮮の兵がウクライナ戦争に参加していることをロシアと北朝鮮の両政府が正式に認めたということから、金正恩・プーチン会談があるのではないかというようなことが噂されていたのである。しかし、中国の習近平国家主席の訪問発表度同時に金正恩総書記の訪問の報道は消えてしまい、この三つの政府首脳が集まる場面が無くなってしまったということになるのである。
実際にこの三つの政府首脳が一堂に会するという場面は基本的にない。ニアミスのような内容はいくつかあるが、残念ながら、三者会談ということは数十年無かったのではないか。この「会談がない」特に、「習近平国家主席が参加表明をしたら、金正恩総書記の参加が立ち消えになる」ということから、この三つの政府首脳の微妙な関係が見えてくるのではないか。
アメリカから見た、または日本から見ていて、「三つとも敵」という感覚はわからないではないが、しかし「参政不とも敵対関係にあるからと言って、三つの政府が同盟関係にあるとは限らない」ということは当然のことである。トランプ大統領は対中国・対ロシア・対北朝鮮と別な対応をしており、その温度差を疑問視するような日本の解説者もいるようであるが、残念ながら全く当たっていない。そしてこの三つの政府の微妙な距離感こそ、実は日本にもアメリカにも付け入るスキがあるということになるのではないか。
<参考記事>
習氏とプーチン氏が共同会見
2025年05月09日 09時20分RecordChina
https://news.nifty.com/article/world/china/12181-4091171/
露、非欧米諸国の結束と軍事的余力を演出 戦勝記念軍事パレードでウクライナと欧米を威迫
5/9(金)産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc7de6e25ec347897cbfdd6a1114c4b6b7019fc3
<以上参考記事>
火曜日(5月10日)のブログでもご紹介した通り、インドとパキスタンのカシミール地方での戦いに関しても中国が何となく関与している。そもそもカシミール地方がインドとパキスタンだけしかなく二国対立であるかのような報道はおかしく、カシミール地方には中国も侵入し実効支配をしている。なぜか日本の報道機関は中国が関与すると急に報道をしなくなってしまうのであるが、そのようなことで「報道の自由が守られている」と言えるのであろうか。日本の場合、日本政府の圧力以上に中国や韓国の圧力によって報道がゆがめられていることを、もっと多くの国民が知るべきではないか。
今回のこの内容に関しても同じである。
実際に、中国が「反米」の旗を上げているのは勝手にすればよいことであるが、その中国が様々な国に「支援」という名目で「兵器の輸出」「軍事力の提供」「軍資金の援助」場合によっては「義勇兵の展開」まで行っているということや、「周辺国の買収」を行っていることが、そのまま戦争に繋がっている場合が少なくない。これは直接的な場合もあれば間接的な場合も存在する。これは、必ずしも現代だけではない。
1999年に中国が「超限戦」という概念、つまり、日常のサイバー攻撃や認知攻撃などで敵国国民の認知領域を洗脳しそのうえで、その国の政府を離れさせて、最小限の軍事行動で領土を併合するというようなことが言われた。この論理の中では8割が非軍事領域の戦いで、残り2割が軍事領域であるというような形になっている。ある意味で、中国が思想工作や経済工作などを行っていることが全て戦争の一環であるということが言える。その内容を研究し2012年にロシアのゲラシモフ総参謀長が、ほぼ同じ内容の「ゲラシモフ・ドクトリン」を制定し、そのうえで、2014年にウクライナのヤヌコビッチ大統領やウクライナ政府の腐敗を宣伝した工作からクリミア半島の併合をお行うということになるのである。
最近では中国の支援によるロシアのウクライナ侵攻、中国のイラン支援からハマス=イスラエル戦争、ヒズボラとイスラエルの軍事衝突、イエメンフーシ派による紅海航行米英商船の攻撃だけではなく、スーダン政府の内戦やシリアの内戦(これはアサド政権が持ちきれなくなったということなのであるが、逆に中国がそれまでロシア経由で言支援していたことが明らかになった事案)など、全てに中国、もう少し言えば中国マネーと中国の工作が入ってきているということになるのである。
その中国の国家主席がプーチン大統領と7時間も会談した。当然にその中には、ウクライナの侵攻の話だけではなく、そのウクライナ侵攻の停戦を訴えているとr名プ大統領をはじめとしたNATO殿対応などが話し合われたのである。
習主席は記者会見で、「混迷を深める国際情勢において、中ロ両国は永遠の善隣友好、全面的な戦略的協力、互恵・協力・ウィンウィンの精神を堅持し、共に嵐を乗り切り、共に困難を乗り越えて中ロ関係の次元、質、持続可能性を全面的に高め、世界の平和と安全により多くの安定性をもたらし、グローバルな発展と繁栄にさらなる推進力を提供しなければならない」といいそのうえで、80年前の対日戦争んも言及するということである。つまり次の標的は日本と台湾であるというこ徒が言われているということになる。ウクライナの和平交渉と終戦があれば、当然にそのようなことが行われるということになるのではないか。
最近ロシアは「アイヌはもともと大陸系の民族でロシア系住民であるにもかかわらず、日本が迫害している」というようなことをロシア国内の言論で主張するようになっておりまた、中国は「琉球が中国の冊封国であった」という明代の石碑の発見を大々的に報道している。これ等は「日本を標的にしている」ということの「戦争の理由」を作っていることであり、日本はそれに防衛をしなければならないのである。
その直接的な交渉が行われたと考える今回の会談。その内容を早めに解明することと、上記にも書いたように北朝鮮をうまく使って二カ国を分断する工作をしなければならないが、今の政権には残念ながらその余力はないようである。
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