「宇田川源流」【日本報道検証】 中国と韓国で「キムチの起源」論争の愚

「宇田川源流」【日本報道検証】 中国と韓国で「キムチの起源」論争の愚

 毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」として、まあニュース解説というか、またはそれに関連するトリビアの披露とか、報道に関する内容を言ってみたり、または、報道に関する感想や社会的な問題点、日本人の文化性から見た内容を書き込んでいる。実際に、宇田川が何を感じているかということが共有できれば良いと思っているので、よろしくお願いいたします。

さて、今回の内容は「中国と韓国がキムチの起源で論争をしている」という話である。

正直に言って、「起源論争」程まったく意味のない話はない。実際にどこが起源であるかということよりも、本来はどこが一番売れているかまたはシェアを治めているか、つまり「どこの商品が受け入れられているのか」ということの方が大事である。

いままでも、韓国の大学教授辺りがソメイヨシノなどが「韓国が起源」と言ってみたり、韓国のネット社会で「キリストは韓国生まれ」「漢字は韓国が起源」などといって、いったい何を言っているのかというような感じになっていた。

正直に言って「かわいそう」というような感じにしかならない。単純に「他の内容で世界で勝負できるものがない」ということでしかないのである。要するに、このような発言を繰り返すことは「今の韓国は世界で相手にされないダメな国だ」ということでしかないということを、自ら証明していることでしかない。他者を非難したり批判したり、またはどこかの内容を乗っ取るということは、そのまま、「自分のところに実力がない」ということの証明でしかないのである。同時に、「そのようなことを言っている暇があったら、世界で通用するものを自分で開発すればよい」という批判しかないのである。

今回の論争も同じである。

日本のことわざで「目糞鼻糞を笑う」というものがあるが、日本から見れば、また、現代の観点から見れば、「愚」戸しか言いようがない低俗な争いでしかない。その理由をしっかりと見てゆくことにし、日本の保守陣営なども、韓国や中国がそのように挑発してきても、あまりそこに乗らないようにというような事の継承を含めて以下文章を構成しようと思う。

<参考記事>

中国のSNSで“韓国文化略奪”動画が拡散?=韓国ネットから批判の声「みっともないまね」

2024年11月25日 12時00分RecordChina

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-3593677/

<以上参考記事>

 そもそも、キムチとはどのような食べ物であろうか。

キムチとは、世界大百科事典の記事から抜粋すると、「野菜類を塩漬し,水をきってトウガラシ,ニンニク,果物,アミやイカ,小魚などの塩辛類の薬味と合わせて漬け込む。文献上キムチがみえるのは13世紀初の李奎報の詩が初めであるが,それ以前より存在したことはまちがいない。キムチにトウガラシが使われるようになったのは17世紀後半からで,これを境にキムチの種類が豊富になった。それまではサンショウ,ショウガ,ニンニク等は用いられたが,おもに塩味だけの単純なものであった。」(以上抜粋)というようなものである。韓国旅行をした人ならば知っていると思うが、キムチとは、何もトウガラシの者ばかりではなく、基本的に「漬物」のこと、特に塩漬けや「水キムチ」の様に辛くないものもある。

単なる漬物であれば、中国そのものも保存用に塩を使て野菜などを貯蔵していたのであろうし、その貯蔵中に発光するようなものも少なくない。中国の場合、ザーサイ(搾菜)や発酵白菜(酸菜)などがあるあが、勿論塩漬けもあるので、そのようなことから言えば、どちらが起源かなどということは全くわからないばかりか、他の地域が起源かもしれないのである。

一方現在普通にキムチといって使っている「唐辛子」は、上記にもあるように17世紀唐朝鮮半島で使われるようになっている。これは豊臣秀吉による文禄・慶長の役の時に寒さをしのぐために当時南蛮貿易で手に入れた唐辛子を持ち込んだことが起源とされているが、実際のところこの当時南蛮船は朝鮮半島も言っていたので、それはどこが起源だかよくわからない。いずれにせよ、「現在のキムチと考えられている唐辛子の漬物は、南蛮貿易がなければできないものであり、中国も韓国も起源ではない」ということになる。

このようにしっかりと歴史を見れば、何が政界かわかることになるし、また現在中国が起源だといいはじめたところで、少なくとも朝鮮半島がキムチの本場であるということは世界の共通認識であろう。いずれにせよ、そのことをしっかりと証明することもできないし、ただ主張しているだけの話などに取り合っている暇はあまりないのではないか。

どこでも「元祖・本家論争」があるが、しかし、それらは証明できる内容のものであることが重要で、インドで「バターチキンカレーの本家論争が裁判になった」などというのは、面白い話であるが、完全に文化として定着している内容を、いまさら他の国が何かを言ってもあまり意味がないということになるのではないか。

起源がどこであるかというよりも、例えば「漢字を使っている日本語」の様に「その文化を使ってどのように発展し、現在世界にどのように受け入れられているのか」ということの方が重要ではないのではないか。その「本質的に何が問題であるか」ということを全くわかっていない、この手の論争は、本当に無駄である。

では、なぜこのような論争が起きるのであろうか。

このニュースから読み取れるのは、「中国は韓国のことを嫌っており、また、韓国も中国人のことを嫌っている」という事実である。お互いがお互いを信頼していないという事だけはよくわかる。まあ、そのような関係をどのように見て、日本人は学んでゆくのか。「人の振り見て我が振り直せ」とは、このことである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000