「宇田川源流」【日本報道検証】 親欧米派と親露派の対立が深まるジョージア
「宇田川源流」【日本報道検証】 親欧米派と親露派の対立が深まるジョージア
毎週火曜日と木曜日は、「日本報道検証」をお送りしている。「日本報道検証」というのは、なにも報道を同行しようというものではなく、単なるニュース解説であると考えいてただいて構わない。もちろん、その内容に関して、あまり日本の報道機関が報道していないものでありなおかつ重要であろうと判断できるものも少なくないのであるが、私の性格上あまりまじめなものばかりではないので、その点はご了解願いたい。
さて、今回は、「東欧ジョージアの議会選挙」に関する問題である。
もともとは旧ソ連の中の一つの国で1991年に独立した国の中の一つある。しかし、独立直後、多くの閣僚はソ連旧共産党員であったことや強権的な統治が行われたために、政局不安は改善されず治安も悪化し内戦状態になる。その後、アブハジアや南オセチアやアジャリア自治共和国で分離独立運動が起き、現在は南オセチアとアブハジアが事実上の独立状態となっている。
そこから、元ソ連の外務大臣であったシュワルナゼ氏が大統領になるなどがありその後も親露派と新欧米派の争いになっている。そして選挙のたびに、ロシアが介入し大騒ぎになる。
2008年にはロシアが介入して南オセチアの独立戦争を支持することになる。この内容は、まさに現在のウクライナと同じような内容で、ジョージアの南オセチアに旧ロシア系民族があり南オセチアが独立を宣言し、その独立に対して、ロシアが支持するというようなことになる。ウクライナ東部のドネツク・ルハンスク州で行われたことと同じことを行っている。この事から行われているジョージア内部の内戦を「南オセチア戦争」である。
その後2018年にフランス出身の女性大統領が出てきたのである。
<参考記事>
親欧米派が抗議デモ 対ロ融和与党の勝利認めず ジョージア
10/29(火) 時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a94a07eaf8d32bc3eaf04b4aa2c957436eeaf1a
<以上参考記事>
2024年10月26日、議会選挙の投開票があり、公式発表では与党「ジョージアの夢」が過半数議席を獲得と発表。しかし野党や国際監視団は、この投開票の結果について不正や暴力が幅広く行われていたと指摘し、サロメ・ズラビシヴィリ大統領も、今回の投票は認められないと述べ、ロシアが選挙に介入したと主張している。
インターネット上には、ロシア人が買収していたり、脅迫している姿が動画としてアップされており、また、その内容に関して様々な噂話が出てくる。これに対して野党の人々は野党4派は今回の選挙結果を認めず、不正選挙だと非難。与党が票を盗んだと主張している。野党4派のうち、「変革のための連合」と「統一国民運動」の2派は議会をボイコットすると表明している。一方、与党「ジョージアの夢」は、彼らが主張している憲法改正を審議する議席には足りないという状態です。一連の批判についてコバヒセ首相は「不規則な事態は、あらゆる場所で、どの国でも起きる」と述べている。首相はさらに、野党はうそをついていると批判。2016年、2020年、2021年の選挙の際にも野党は不正選挙だと主張したのだと首相は言い、「もちろん野党にはほかにやりようがない。なので自分たちがうそをついたと支持者に認めるか、政府が不正選挙を仕組んだのだと言うしかないのだ」と述べているのである。
国際選挙監視団は、多数の投票違反が選挙結果に影響を与えた可能性があると指摘し、第三者による調査を呼びかけている。アメリカと欧州連合(EU)もこれを支持している。しかしコバヒゼ首相は、3111カ所の投票所のうち、不測の事態があったのは「ほんの数カ所の選挙区」だったと主張しているのです。欧州議会のシャルル・ミシェル議長(EU大統領)は27日夜の声明で、「不正の疑いは真摯に解明し、対応しなくてはならない」と述べ、迅速かつ透明性のある独立調査を求めた。アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、「法の支配」を尊重するようジョージア政府に呼びかけたのである。
さて、このジョージアの内容は何を意味しているのか。民主主義といってもその内容が外国から操作された民意であれば、それは国家の意思として尊重されるものではないということではないでしょうか。国家の内容は、まさに国家の意思にしなければなら似のですが、しかし、その国家の意思が操作されているものであれば、話にならないということになる。
選挙は、人が投票するものですが、一方で、その集計も人が行うものです。その集計を行う人が不正を行えば、そこに不正が行われることになりますし、また、多くの人が買収されても、同じように選挙そのものの結果が信用されなくなる。逆に言えば、民主主義を正当な内容にするためには、その中立性公正性を担保しなければならない。
その様に考えれば、その公正性をどのように担保するかということが大きな問題になる。
スターリンの名言の中にこのようなものがある。「投票した者が決めるのではない。投票を数える者が全てを決めるのだ」というものがあります。その様に考えれば、選挙の正確性をしっかりと行うことが最も重要なのである。
日本でも同じだが、インターネットやSNSで様々な噂や陰謀論などが出てくる。もちろん真実もありますしまた、単なるデマや人を扇動するための嘘もある。そのようなものをしっかりと考えるようにしなければならない。そして選挙における投票が自分の未来を決めるものであるということ、そして現在の状況は過去の人々や過去の自分の投票の結果であるということをしっかりと考えるべきなのである。
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