「宇田川源流」【日本報道検証】 中国における定年年齢引き上げの意味する「不景気」
「宇田川源流」【日本報道検証】 中国における定年年齢引き上げの意味する「不景気」
毎週火曜日と木曜日は「ニュース解説」という意味で「日本報道検証」を書くことにしている。基本的には一般のニュース解説で、少し深堀をしたものであるという感じではないか。もっと深掘りをするものはメールマガジンやオンラインサロンでしっかりと行ているので、こちらは「ニュース解説コラム」くらいなのかもしれない。
さて、しかし、この時期というか、不定期ではあるが「選挙」の時期は、報道がどうしてもそちらの方になってしまうので、他のニュースの扱いが小さくなってしまう。つまり、本当に重要なニュースよりも、なぜか選挙の報道の方が大きくなってしまうだけではなく、新聞も雑誌も、また、テレビやラジオも、すべてその選挙になってしまう。ましてや、自民党の総裁選挙など「政党の中の選挙」は、公職選挙法という法律の範囲ではないので、何をやっても基本的には法律違反にはならない。もちろん「党規」には違反するのであるが、そのことで警察に捕まるようなことになることはないのである。そのように考えれば、かなり過激な手段を使うこともある。そのような事であるので、政治の記者にとってはそちらの方が面白いうことになってしまうのである。政治部の記者というのは、各メディアやマスコミの中では、一部の例外を除いて主流派であるということで、政治部がすべてそちらに行ってしまえば、マスコミ全体が動いてしまうということになるのだ。そのことから、そのほかの内容がおろそかになってしまうのである。
本来は、総裁選も「外交」や「日本をどの様に導くか」ということが最も重要な内容になる。つまり、政治改革などではなく、外交や、経済政策ということが最もううような内容であるはずだ。しかし、なぜか政治改革特に直近のスキャンダルに関する内容ばかりを話しているのでは、おかしな話になってしまう。民主主義というのは、その国の民衆のレベルに合わせた政治しかできなくなってしまう。幕末の聴衆の志士、高杉晋作は船中八策の中に書かれた現在の国会にあたる内容を見て、「これは国民が馬鹿になったら国が亡ぶっていう政じゃないか。そんなものは認められない」と言って、議会正民主主義をすべて否定した。まあ、そのような内容ではないか。
では今見るべきは何か。
その中の一つがアメリカの大統領選挙で、また、ロシアとNATOの関係であり、また中国の南シナ海やインドへの進出である。そしてその裏打ちになる中国の経済であろう。
<参考記事>
70年不変の中国の定年年齢、引き上げへ 男性63歳・女性55歳
9/13(金) 朝日新聞デジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/f645627ff71dbdd26147803975d00a4dc2ef980f
<以上参考記事>
中国が定年年齢の引き上げを行った。これは日本でも行ってきているのであるが、日本の場合は、各々の企業が行っている。中国の場合はきょす暗闘が指導して法律としてそれを行っているということになる。
ちなみに、、中国では国民年金も国民健康保険もないのである。それなのに定年を国家が決め、そして法律や国家の制度としてその内容を見ているということになるのである。それなのにすべての制度を決めるのが中国共産党である。そこまで決めなければ何も動かない、それが中国共産党なのであろう。
さて、このようにしなければならない理由は、二つある。
一つは「労働人口が少ない」ということである。
まさに、中国は少子化になりなおかつ、労働人口が少なくなってきている。そのうえ、多くの若者はネット環境に慣れてしまい、仕事を選り好みすることになる。肉体労働が必要なものなどは、若者が寄り付かず、一方、投資やネットビジネスのような「簡単にあぶく銭がもうかる」というようなものが、若者人気になってしまうという現状になるのである。もちろん投資やネットビジネスなどは、成功するかどうかもかなり難しくそのことから、失敗する人も少なくないということになる。そもそも若者はそのようなことを目指すが、しかし、大学卒業でも資金や資本金があるわけではないので、そのまま労働できるような人がいない。つまり、人握りの成功者と、数多くの失敗者とで別れてしまうということになるのである。このことは、そのまま「若者の、貧困化」を招くことになるが、その貧困化を招いても軍隊や肉体労働にはゆかず、犯罪者が増えてゆくということになる。
この流れは、30年前に日本で同じようなことが起きた。日本の場合は商業などが自由なので、それでも、アルバイトや派遣業で生活をしている人が少なくなかったが、しかし、中国の場合は、上記に書いたように、すべての行為に許可が必要でありその許可には申請だけではなく資本金などの条件が必要になる。
つまり、若者は労働力として働かなければならないが、しかし、一攫千金を夢見ている。その状況で若者が中国共産党支配下に見切りをつけて海外に出て行ってしまうので、そのまま労働人口が少なくなってしまうのである。
しかし、そもそも中国は「安い人件費や資源費」ということで「世界の工場」として経済をまわしており、曾野工場として「設備や資金の投資」や「就業ノウハウ」そして「先端技術」得ることで経済の活性化を成し遂げてきていた。それが、「中国は独自にできる」というように考え、習近平の世代担って「中国製造2025」などという目標を掲げたために、多くの企業は中国を警戒しまた中国のスパイを排除する方向になっていった。そのたっめに、習近平の就任以前の技術で中国は止まってしまいまた、中国に対する投資は、頭が悪くエコノミックアニマルとかした日本の頭の悪い企業以外は、欧米各国が行わなくなってしまったのである。
こような意味で経済活性化はうまくゆかず、なおかつ、新たな投資も得られず、技術や製造品質が悪いことから、発展途上国以外は相手にしてくれないということになる。そのために「労働市場はマイナスになっているのに、労働人口が少ない」ということになるのである。そのうえ「若者が国外に流出している」と言うことになる。そのことが、今回の定年の引き上げの一つの理由である。このことによって「労働人口が増える」ということと「労働者が海外に流出することを防ぐ(老人になってから海外に言ったりはしない)」ということがあり、同時に「年金などの費用を祓う必要がない(公的年金制度がないが、公務員や軍人には年金があるので、その人々の再就職をさせるという意味で)」ということになり、政府の費用を節約できるということになるのである。
ここまでは日本と同じであるから、だいたいわかりそうなものである。
しかし、もう一つ理由がある。これは「ベテラン労働者の人脈を生かす」ということである。
これも上記に書いた「中国製造2025」の所に書いたが、中国は独自に製造をできるということを宣言したことから、中国に対する投資や技術移転が極端に少なくなった。そのことから中国では様々な技術開発がうまくゆかないしまた、商業にも支障が出ってきている。開発案件に関しては、恒大集団の破綻など、様々に見えてきているが、それ以外にも、欧米の工場などは閉鎖されているしまた、アメリカはトランプ政権の時から輸入に制限をかけている。昨今ではEV自動車に関してEUやカナダが警戒感を示していて政策的に関税をかけるのなどの方策を行っている。
このような時に「昔一緒に働いた」という人脈を屈指して、打開を図るということが重要になる。一般に「中国」は嫌いでも「中国人の友人」は信用できるという場合がある。まさにそのようなことで、中国企業を立て直すということが重要になってくるというレベルまで、現在資源も技術も投資も少なくなったということを意味しているのであろう。
これらは習近平政権の経済政策の失敗であるということが言えるが、同時に、その失敗は、中国の現在の経済の構造をすべて変えなければならないほどの大きな失敗であり、その内容は、中国国民の定年制度を変えてゆくということまで行わなければならないように切羽詰まったところになったということを意味しているのである。
0コメント