「宇田川源流」 中国で徐々に反習近平の動きがあるのは共産党終わりの始まりか
「宇田川源流」 中国で徐々に反習近平の動きがあるのは共産党終わりの始まりか
「逆族習近平」という横断幕が現在の中国に掲げられた。習近平国家主席の「独裁」が強まれば強まるほど、このような内容のものが増えてきている。単純に横断幕が掲げられただけであるならば、その地域だけの話であるが、現在はSNSの時代。この掲げられた内容は、SNSで中国国内に配信されている。もちろん中国共産党は、SNSに対して削除を行い、またおおもとの横断幕はすぐに撤去されたようであるが、しかし、日本でもニュースになるくらいであるから、かなりの人がその内容を見ているということになるのではないか。
2年前にも、北京市内で横断幕が出た。この時は「ゼロコロナ政策」によって、中国の国民(少数民族もすべて含めてなのであえて人民ではなく国民と呼称する)の反発を招いていた。ちょうど「白紙デモ」が行われており、そのために、かなりの大きなデモが起きていた。実際に、白紙を掲げ全くスローガンを出さずに町中を更新するデモは、かなり大きくなっていた。もちろん「ゼロコロナ政策」がそれだけおかしなものであり、すべてのマンションや建物を封鎖して都市に人が出ないようにし、街に出るためにはそのたびにコロナの抗原検査を行ったという事であるから、かなり大きな問題になるのである。要するに「住民から外出の自由を奪った」ということに対して抵抗があったということになるのであろう。この時に習近平は独裁者だというようなスローガンの横断幕が北京市内に二か所掲げられた。これに対して、北京政府は犯人捜しは基本的にせず、ただ単に横断幕を撤去し、そのうえで「ゼロコロナ政策」を撤廃せざるを得なかったということになる。
さて、今回の内容はそのような2年前の「白紙デモ」の時と同じような状況になっているということが挙げられる。つまり、横断幕を行った側は、何らかの要求があり、その要求を習近平国家主席に飲ませるということを考えている。逆に言えば「要求をのまない(要求があることも気が付かない)習近平派政治家としてふさわしくない」ということになるのである。
では共産党側はどのように今回の横断幕を解釈しているのであろうか。
「逆賊習近平」赤い横断幕が中国で騒ぎに…2年前の「白紙デモ」に似ている
中国湖南省で習近平国家主席の統治に反対する奇襲デモが起きた。習主席を独裁者、逆賊などと呼ぶ文言が書かれた横断幕が都心部に掲示された。2022年10月に北京の四通橋で起きた反政府デモを連想させるという反応も出ている。
台湾の中央社と自由時報などが31日に伝えたところによると、前日湖南省新化県のある陸橋に、白い布に赤い文字が書かれた横断幕が2枚掲げられた。横断幕には「特権の代わりに平等を、統制の代わりに自由を、嘘の代わりに尊厳性を、文化革命の代わりに改革を、指導者の代わりに投票を、奴隷の代わりに市民を望む」と書かれていた。
反対側に掛けられた横断幕には「ストと授業拒否を通じて独裁者であり国賊の習近平を罷免し統制に反対する」と書かれていた。
こうした様子は30日、「李老師不是?老師」というアカウントがXにこの様子を撮影した10秒ほどの動画2件を上げて広がった。動画では横断幕が掛けられた陸橋周辺では「自由を望み、民主を望み、選挙を望む。ストと授業拒否を通じて独裁者であり国の逆賊習近平を罷免しよう」という音声が繰り返し登場する。
中央社は「スピーカーから流れたスローガンがあらかじめ録音された内容なのか現場でだれかが直接発言したものかは定かでない。動画には陸橋の下へ車両が過ぎ去り道端にいた人たちが陸橋側を見ている場面も写っていたが、陸橋の上を通る人は見られなかった」と伝えた。まだ中国当局の公式な反応や横断幕デモ後の変わった状況に対しては知らされていないという。
今回のデモをめぐり2022年の四通橋デモを連想するという反応も出ている。中央社は「湖南省の横断幕デモの文言は四通橋デモ当時の文言を模倣したようにみえる」と伝えた。中国の物理学者彭立発は2022年10月にゼロコロナ政策と習近平体制に抗議する横断幕を四通橋に掲げて1人デモを行い逮捕された。だがこのデモは同年末に上海の大学街を中心に始まり全国的に広がった反政府デモである白紙デモを触発したとの評価を受ける。
今回のデモを伝えた「李老師不是?老師」もやはり中国内の反政府デモ現場を伝えてきた代表的人物だ。160万人フォロワーを持つ彼は、2022年の白紙デモ現場の動画と写真をリアルタイムで投稿し有名になった。
自由時報は「最近中国経済が振るわず自然災害が頻繁に発生している中で中国共産党は言論の自由のような基本的人権を厳格に抑圧している。今回の動画は中国人が憤怒の声を出せなくさせた中で公開された」と伝えた。
2024年7月31日 16時40分 中央日報
https://news.livedoor.com/article/detail/26898936/
このブログでは、何度も書いているように、中国という国家は秦の始皇帝の時代から、国民の氾濫を最も恐れている国である。外敵が入ってきて、国家そのものを滅ぼすということは、歴史上何回か経験している。特に外敵としての騎馬民族は何回か大陸の王朝を滅ぼされている。古代はその憂慮をなくすために、万里の長城のような建物を作ることになる。しかし、中国大陸の王朝は、そのような外敵よりも、国民の反乱を最も恐れているのである。
この理由は二つある、外敵は必ず外敵の元の王国がある。また、外敵が入ってきても中国という「人口の海」のような国に入り、そのまま取り込まれてしまう。それは「金」や「元」や「清」がそのようになり、いつの間にか中国大陸の王朝になってしまっていた。そして、その「金」も「元」も「清」も国民の反乱で滅びた。要するに、外敵として入ってきても国民の反乱には勝てないでいる。つまり「数は力」でありなおかつ「民のない国家政府は存在しない」という事でもある。
さて、今回の内容で問題があるのは、まさに、このような動きがあるということが中国の実態になる。横断幕というのは、一人で作成し設置することはできないし、また設置している状態の時に警察も他の人もみな見ている。そこに数名の人々が横断幕を設置する。今回「SNSに掲載されるまで全く止めることがなかった」ということは、その人々も消極的な共犯、つまり、習近平の政治に反対しているものであるということになる。
現在の中国共産党は、胡錦涛を首魁とする官僚集団が習近平派に「面従腹背」の状態にある。その「消極的な反乱」は民主派がこのような動きをすることに対してすべて「お目こぼし」をしてしまうというような形になってしまうのではないか。
要するに、共産党内部の対立などがあり、その共産党内部の対立がこのような歪みを生むことになる。そしてその内容を処罰しきることができない共産党の国民に対する弱気問いことがある。逆に言えば、共産党はすでに中国の国民と乖離しつつあり、その国民との乖離が今の中国の最も大きな弱点になるということになるのである。
単に反乱があるどころか、そのような弱みが存在することを暴露してしまったことが、そのままである。
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