「宇田川源流」 中国の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)開催中
「宇田川源流」 中国の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)開催中
昨日から、中国共産党の重要会議である「三中全会」が行われている。
中央委員会全体会議は中央政治局によって招集され、少なくとも年1回は開催される。中央委員会全体会議では党の路線や方針、国家の発展計画などの重要問題について討論・決定がなされる。通例として、第1回会議(1中全会)は党大会閉幕の当日に新中央委員会を選出。その翌日に新中央委員会が第1回全体会議を招集。会議後、新指導部が国内外の記者と初顔合わせをする。その翌年に行われる第2回会議(2中全会)では中央機関の人選名簿(人事案)を審議する。その後、第3回~第6回会議(3中~6中全会)はその後の3年の間に召集される。3回目は経済政策、4回目~6回目については各種の現状における問題点が論議される。最後の7回目の会議(7中全会)は次回党大会開幕の約1週間前に招集され、「前のものを受け継ぎ、後のものを導く」役割を果たし、またこの会議は中央政治局が日時を提案する次回党大会の招集日時を決定する。
なお、中国共産党の最高指導機関は通常5年に一度開かれる全国代表大会(党大会)によって選出され、党大会閉会中にその職権を代行する党中央委員会であるが、中央委員会も毎年1回程度しか開かれないため、平常時における党の指導および政策決定は、中央委員会全体会議によって選出される党中央政治局が行う。政治局は中央委員会全体会議の閉会中に中央委員会の職権を行使し、党大会や中央委員会全体会議で採択された路線や方針、政策を執行する。中央政治局には上位機関として中央政治局常務委員会が置かれ、政治局常務委員会の意見に基づいて政治局会議が党の「全体局面に関わる活動方針、政策」を決定する。
さて、今回は三中全会なので、経済政策が協議される。しかし、現在は経済が悪化している。不動産ディベロッパーの経営破綻から端を発していることになっているが、実際はアメリカ空の経済制裁や、頃ナウいウ留守対策における「ゼロコロナ政策」が、悪化させている。そのように考えれば複合的な要因でありなおかつ、知的財産権問題や覇権主義などによる政治的な排除が、経済に影響している。つまり政治を含めた複合的な経済悪化である。そしてその経済悪化の原因は、主に「習近平」なのである。
中国「3中全会」が15日から開催、改革強調でも具体策は期待薄か
[北京 11日 ロイター] - 中国共産党の重要会議、第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が15─18日に開催される。
共産党指導部は、経済が長期低落局面に入るのではないかとの懸念を払しょくするため、数々の野心的な目標を打ち出す見通し。
複数の政策アドバイザーによると、3中全会では(1)先端技術工業の振興(2)債務リスク軽減に向けた税制改革(3)不動産危機対応(4)国内消費喚起(5)民間活力の再生――といった項目についての取り組みの概要が示される。
ただ成長を押し上げながら債務圧縮を目指すなど各目標の方向性に矛盾が生じるため、実際の政策運営の大幅な軌道修正にはつながらず、経済構造の抜本的な改革を求める市場や国際社会の失望を招きそうだ。
これまでも指導部は、経済におけるさまざまな課題をどのように解決できるか明確な道筋を提示できていない。
政策アドバイザーの1人は「複数のリスクが重なり合っている。つまり高齢化の進行や不動産バブル(の破裂)、地方政府の債務リスク、金融リスクがあるので、改革は必要になる。だがその実行は非常に難しいだろう」と認めた。
中国政府は2035年までに経済規模を2倍にしたい考えで、そのためには年平均4.7%の成長が求められるが、実現可能との見方は乏しい。国際通貨基金(IMF)も、昨年5.2%だった中国の成長率は29年までに3.3%に鈍化すると予想する。
2人目の政策アドバイザーは「新たな成長エンジンを解き放たなければならない。改革なしでは、経済はIMFの見通し通りに減速する公算が大きい」と危機感をにじませた。
多くのエコノミストが提唱するのは、輸出や借金に基づいた投資に依存する経済構造を消費主導に転換すること。指導部も13年にこれを約束したものの、今なおほとんど進展していない。このような構造転換には、社会保障や賃上げを通じて政府・企業から家計に資源を移転しなければならないが、それは債務圧縮や先端技術工業の発展という目標達成にとってはマイナスとなる。
都市部と農村部の格差を助長してきた「戸口(戸籍)」制度の廃止や、世界で最も低い定年退職年齢の引き上げも議論されているとはいえ、いずれも社会情勢を不安定化させかねない改革だ。
中国政府が掲げる外資の積極的な呼び込みについても、不当な拘束や国家安全保障関連の厳しい法令、国内企業への過度な優遇措置などが外国企業にネックとなっている。
キャピタル・エコノミクスのチーフ・アジア・エコノミスト、マーク・ウィリアムズ氏は、結局3中全会で「改革に関する膨大な約束を打ち出すが、その後(具体的な)実行策は何も提案されず、それぞれの改革の優先順位も、矛盾緩和の対策も出てこないだろう」と予想した。
7/12(金) ロイター
https://news.yahoo.co.jp/articles/328c5b7a294cc866d9bcd44a156033523452c8c8
さすがに、経済悪化の責任が「習近平」であるということはよくわかっているが、しかし、まさか「習近平」を排除するなどということを、今の中国共産党の人々が決められるがはずがない。そのように考えれば、それなりの経済政策を行わなければならないし、またその元凶を取り除くことができない状態で、どんな対策を行っても無理というような感じになるのかもしれない。
一応、今回の内容は、マクロ経済運営、イノベーション重視、税制改革、そして金融リスクへの対応の4点が注目点となる。「全国統一大市場」では、全国で統一された市場制度・規則の構築、地方政府による保護主義・市場分断の打破、商品・要素・資源の流動性向上などが行われることになっているが、しかし、それはインターネットなど内容だけではなく、今まで省を超える物流ができなかった中国においてどのようにするのかということになる。そもそも陸路による物流で長江の下流域を輸送するのア度は不可能であろう。そのように考えれば、「商流と物流」を管理しながらしっかりと流す形ができるのかと言ことはかなり難しい話になろう。
「小而全」とは、小さな行政区であっても全ての産業に必要な設備・技術・人員・資材などが揃っていることを表す言葉であり、低効率の過剰投資が行われる主因のひとつとなっている。「全国統一大市場」が順調に構築されれば、こうした過剰生産能力が削減される誘因となる可能性もあるが、一方で巨大な無駄も構成される可能性がある。そこに政治権力が介入すればより一層不正の温床になる。制度的に不正ができるようになれば、中国経済の悪化はより大きくなる。逆にそのようにならなくても「全国組織が人民公社化」することも考えられ、どのような形になるのかは注目される。
一方で、習近平政権の2期目後半以降は、一強体制の弊害というか、既に習近平の独裁担っており、その弊害が色濃くなってきている。要するに「習近平が元凶である」という自由な議論が阻害される状況がすでにおかしな話になっているのである。元凶を指摘できない状態ですでに抜本的な改革は後回しとなり、対症療法的な政策が多くなっているのである。対処療法では、効果に限界がある。そして効果が出ないときに誰がその責任を負うのであろうか。
3中全会では(1)先端技術工業の振興(2)債務リスク軽減に向けた税制改革(3)不動産危機対応(4)国内消費喚起(5)民間活力の再生――といった項目についての取り組みの概要が示される。<上記より抜粋>
見ての通り、本来の最も大きな問題である「異常気象対策」や「知的財産権問題の解決(国内開発体制の構築)」などは全く話されていない。このようにここに書くと、「農業は経済にならない」などの事を言う人がいるが、実際に災害空の防衛などは、当然に、「経済」の問題として考えなければならないし、また、この順序も「不動産」が後回しになっている。先端技術工業が中心になっているのは「軍事技術の開発」が優先されているということであり、当然に「経済よりも軍事」というようなことになっていることが透けて見える。それで本当に経済が話し合われることになるのであろうか。
終わるとコミュニケが発表されるはずである。その内容がどのようになるのか、そこでももう一度見ることになるのであろう。
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