「宇田川源流」イギリスの総選挙でなぜ労働党が勝利したのか

「宇田川源流」イギリスの総選挙でなぜ労働党が勝利したのか


 はっきり言ってしまって、選挙前のイギリスの保守党と、今か十数年前に、民主党に政権を取られる直前、要するに福田内閣から麻生内閣になって、何をやってっもダメというような状況であった当時の自民党と、この二つの状態が似ているというように思う。もちろん、選挙結果を見てからそのように言うことは誰にでもできることなので、そこになぞらえて話をしてみても、あまりためになるようなものでもないし、またその内容が当たっていたとしても、他人に誇れるようなものではない。しかし、少なくとも現在のイギリスをしっかりと解説した内容のニュースなどは見ないので、それは、今の人々が意義いr素の選挙などは全く興味がないのか、または、イギリスのことを報道しても意味がないと思っているのか、またはそのような内容にまったく気づいていないのかそのようなところであろうか。

本来、同じ立憲君主制の国家であり、なおかつ議院内閣制をしているということになるのであるから、アメリカの選挙などよりもはるかに日本の選挙に参考が出るということになる。そのように考えれば、イギリスの選挙を参考に据えべきであろう。もちろん全く異なる部分はたくさんあるが、それでも政治制度や国内の制度は似ているということになろう。

さて、イギリスの事情を簡単に見てみよう。2016年、俗にいうブレグジットといわれる欧州連合(EU)から離脱をした。すぐに離脱をするというものではなく、2018年に離脱と決まったのであるが、その後に、コロナウイルス禍ができたので、経済的に完全な独立を計る前に、経済的な内容がおかしくなった。そのうえで、移民がはいり、経済が悪化するということになる。その経済の悪化の上に、ロシアのウクライナ侵攻によって経済が悪化し、なおかつ、物価の口頭となった。

つまり、戦争的な経済悪化に経済制裁の経済の悪化、そして、ブレグジットに基づく経済の悪化、そしてそれを回復する手段がないという現状である。国際的にもイギリスを助けてくれる国々はいない。このように考えれば、イギリスの政府の採るべき道は少なかったはずである。

英国、なぜ中道左派が躍進? 欧州が右傾化する中

 (CNN) 英国が中道左派の労働党に議会の過半数を与える決断を下した一方で、欧州では広く、右派ポピュリストの台頭と称される現象に見舞われている。

 先月の欧州議会選挙では、極右政党から史上最多となる議員が選出された。この選挙結果が大混乱を引き起こし、フランスのマクロン大統領は自国で解散総選挙を宣言。先週の第1回投票では極右の「国民連合(RN)」が勝利した。

 オランダでは今週、極右政党のメンバーで構成された政権が発足した。イタリアは、第2次世界大戦時にムソリーニ元首相が率いたファシスト政権以来、最も右派の指導者が国を率いている。これらの選挙での勝利と、右派ポピュリストが政権を握る見通しは、欧州諸国ではもはや驚きではない。

 ポピュリズムの台頭には多くの理由があり、各国に固有のものが多い。ただし、大まかに言えば、多くの欧州諸国は経済の停滞、移民の増加、炭素排出量を実質ゼロにする政策の推進を要因の一つとするエネルギー価格の高騰に苦しんでいる。ポピュリストの政治家は、国家の苦境の原因として欧州連合(EU)を非難することが多く、国内で高まるEU懐疑論をたき付けている。

 では、EU懐疑論がEU離脱の是非を問う国民投票につながった唯一の国である英国が、なぜこの傾向に逆行すると予測されているのか。

 労働党の勝利の規模にかかわらず、選挙の結果を見れば、英国の右派がまだ廃れていないことは明らかだ。保守党にとっては失望の一夜となったことは間違いないが、同党は選挙期間中に実施されたいくつかの世論調査の予想を上回る結果を残す見通しだ。一部の調査では保守党が100議席を下回ると予測されていたが、それが現実になっていたらとてつもない大敗だったと言えるだろう。

 世論調査の予想を上回ると見込まれるもう一つの政党は、長年保守党の天敵だったナイジェル・ファラージ氏が率いる右派ボピュリズム政党の「改革党」だ。同氏は最近、トランプ前米大統領との親交でよく知られている。ファラージ氏はそれ以前、英国のEU加盟に反対する活動を数十年にわたり続けた結果、ブレグジット(英国のEU離脱)を実現させたとされている。

 ファラージ氏のこれまでの政治的成果はすべて、議席を持たないまま達成されたものだ。今やファラージ氏は議席を獲得しただけでなく、労働党を率いるスターマー党首を攻撃する準備を整えた少数の仲間も抱えている。スターマー氏が獲得した過半数に当たる3桁の議席に比べれば取るに足りないように思えるかもしれないが、ファラージ氏が保守党の今後の方向性に関する議論に影響を与えることは間違いないだろう。おそらく保守党をさらに右傾化させるとみられる。

 ファラージ氏が右派を分裂させたことが、スターマー氏の今回の大勝利に貢献した可能性もある。英国政治の奇妙な点は、政党の得票率が必ずしも議席数に結びつかないことだ。議席は個別に決定され、得票数が最も多い候補者が勝者となるが、その得票率は50%未満であることが多い。

 労働党が獲得した議席の多くで改革党が善戦したことで、同党は議会で無視できない存在になるだけでなく、その影響力がさらに高まる可能性も十分にある。

 英国は他の欧州諸国と同じ問題を数多く抱えている。スターマー氏が首相として揺らぐことがあれば、欧州の他の国々と同様に、大衆に迎合する右派が国民の心を捉え続ける可能性は十分にある。

 本稿はCNNのルーク・マクギー記者による分析記事です。

7/5(金) CNN.co.jp

https://news.yahoo.co.jp/articles/faa064140394c39666dcc7fcac1a77e0acb7d3b0

 イギリスの国民は「今の政権がよくない」というように判断する。民主党政権になった当時、「サブプライムローン」による世界恐慌があり、そのために、麻生内閣が何をしてもうまくゆかなかったのとあまり変わりがない。何をしても、手はないが、しかし、国民はその時に「変化」を求める。今までのままではだめだというような感覚になると、反作用になる。

では、その時に多くの国民は「民主党で政権が維持できる」と思っていたであろうか。当時の内容は、「自民党にお灸をすえる」というようなことを言っていたに過ぎない。しかし、勝った民主党はそのようなことを全く考えなかった。それだけではなく、政権担当能力がない場合、「選挙結果」で見えるように「今までの政権の反対」を行うということになるのである。つまり全否定である。当時民主党政権で官房長官に就任しいていた仙谷由人(故人)は、「革命を起こした」と言っていたが、選挙で一回買っただけで革命などということを言っていること自体がおこがましいことこの上ない。

相手を否定するという事だけで、政権がうまくゆくはずがない。世の中はそのように単純なものではないのである。しかし国民はそこまでよくわからない。そのような状況になってしまうのである。

今回のイギリスにおいて、まずは誰が何をしても、「増税なしで改革することができない」ということであり、そのことから、メイ、ジョンソン、トラスと三人の短命内閣を作り出してしまった。しかし、短命内閣が出れば、それだけ政党としては劣化してしまう。今の自民党をみても、小泉内閣や安倍内閣のように、長期政権でなければ話支持率の安定はない。胃や政治の安定がないので、そのことから信用が失われえてしまうということになるのである。

さてでは次の労働党内閣である。何をするのか。いや、何ができるのかということが問題になる。

すでにEUに戻るということもできないであろう。また戻るにしてもフランスをはじめとした国々では極右政党とマスコミに呼ばれる政党が出てきている。実際に、それらはイギリスと同じように現状が打破できずに現政権が壊れていった結果である。そのように考えれば「今からEUのように連合体を組むという選択肢はヨーロッパ各国にはない」問いことになりまた、アメリカもトランプになれば、同様の状況になることは間違いがない。ある意味で「現状否定」でとった政権は、「道しるべがない迷路」に入ることになる。その迷路から抜け出せなければ混乱が出てきてしまうのである。

その紺頼は、ロシアや中国に利することになる。それでよいのか。もう一度よく考える必要があるのではないか

宇田川源流

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