「宇田川源流」 中国の反日反米政策の成果に見る「企業はなぜまだ中国に行くのか?」

「宇田川源流」 中国の反日反米政策の成果に見る「企業はなぜまだ中国に行くのか?」


 江蘇省の蘇州は、非常にのどかな町である。私自身、すでに20年以上前に何度か行っているが、基本的には非常にのどかな場所である。

月落烏啼霜満天

江楓漁火対愁眠

姑蘇城外寒山寺

夜半鐘声到客船

 『楓橋夜泊』という漢詩で、意味は次の通りだ。

月は沈んであたりは闇、カラスが鳴いて一面霜が降りそうな寒い夜

旅の寂しさに眠れないでいる私の目に、川岸のカエデの葉といさり火が赤々と

蘇州の町の郊外にある寒山寺からは

真夜中の鐘の音がこの船にまで響き渡ってくる

 まさに、このような場所だ。上海も近く、日本人には非常に人気の場所である。当然に上海が近いということから、日本の駐在企業も多く、また日本企業の多くのは中国の企業との取引を行っている。それだけではなく、上海の観光客もここにあげた「寒山寺」を見るためにやってくる。つまり「比較的日本人が多い」地域であるということが言えるのではないか。

さて、このように中国が外国との経済的なつながりを維持し、その投資や貿易によって経済発展をしてきた。しかし、中国が「大国」であるというようなことを言える相手は、すべて小さな国や発展途上国であり、中国の経済に影響を及ぼすほどの経済力はない。つまり「中国が敵であると認識し、覇権主義の邪魔であると認識した国から科学技術やネット技術、そして金銭的投資や貿易を行わなければ、中国の経済はうまくゆかない」ということになる。しかし、「経済音痴」といわれる習近平国家主席はそのような状況であっても全く異なる政策を行うのである。

外国人襲撃事件が相次ぐ……中国は「安全な国」なのか?

   中国は安全なのか

 中国・江蘇省蘇州市で日本人母子が襲撃された事件をめぐり、中国は安全な国かという議論が巻き起こっている。

 蘇州市で24日、スクールバスを待っていた日本人の母親と子どもが男に刃物で切り付けられ負傷した。2人はいずれも命に別状はないという。また、止めに入って切り付けられたバス案内係の中国人女性は重体となっている。この事件では、52歳の男がすでに拘束されている。

 25日の記者会見で事件について問われた中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は「このようなことが発生したことを遺憾に思う」と述べた上で、「私が知る限り、警察はこの事件を偶発的な事件であると初期段階で判断している。私が言いたいのは、こうした偶発的な事件は世界のどの国でも起こりえるものであり、中国側は中国国民を守るのと同じように外国人の安全を守る」と強調した。

 なお、今月10日に吉林省で米大学教員らが刃物で襲われる事件が起きた際にも、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官が「独立した偶発的な事件と判断している」と発言、「中国は世界で最も安全な国の一つと広く認識されている」と主張していた。

 一連の事件をめぐっては日本のみならず中国でも「中国は果たして安全な国か」という議論が起こっているが、中国のSNS・微博(ウェイボー)で300万超のフォロワーを持つブロガーはこれに否定的な見方を示している。

 同ブロガーは「日本の(安倍晋三)元首相が街で銃殺されたことは、日本が安全でないことを表しているのか?米国の大統領が街で頭を吹き飛ばされたのは、米国が安全でないことを表しているのか?」と反問した上で、「中国で、クズによる社会への報復によって外国人が襲われたことは、中国が安全でないことを表しているのか?前者2つは国のトップが殺害されているにもかかわらず(その国は)安全だと思われ、人々が殺到している。なぜ中国で数人の外国人が襲撃事件に遭遇したからといって、中国が安全でないことになるのか」と疑問を呈した。

 ネットユーザーからも同調する声が多く、「その通り」「国のトップが殺害される国に比べれば、中国の方がずっと安全だと思う」「日本で中国人が日本人に殺害される事件だって起きている」「中国は何でも完璧にしなければだめだということか?」などと訴える声が寄せられている。(翻訳・編集/北田)

2024年06月26日 18時00分RecordChina

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-3153442/

 6月になってからアメリカ人の学校の先生が三名、公園で刺されるということがありました。そして今回記事で見たように、日本人の親子が蘇州で襲撃されるということになっています。

習近平国家主席の政権は、その前に「日本の和服や日本の文化を広めた場合には警察が規制する」ということになる。そのようなことを行うことになってしまい、和服を着てイベントに来ることなどが禁止されている。これは日本の文化が脅威であるということもあるが、一方で、日本を称賛することを許さないということを政府が主張しているということになるのである。

アメリカに対しては、私が中国に行っていた1990年代後半から「アメリカ帝国」という言い方をしていて、「打倒する対象」という言うような感じになっているのである。そもそも、中国は「中華」であり、自分たちだけが中心であるということになる。自分を中心に四方はすべて「魑魅魍魎」の住む場所で「東夷・西戎・南蛮・北狄」となっている。日本は古くから「漢書東夷伝」というところで「楽浪海中倭人あり」という言葉から日本が出てきているのである。

中国共産党は、この考え方を踏襲し、そして毛沢東は「中華人民共和国以外はすべてダメな国」として「共産主義は先進的である」という前提で世界共産主義革命を推進していたのである。

習近平は、この毛沢東時代の共産主義的外交を復活している。「中華民族の再興」ということを掲げている習近平の政治は、まさにこのような事から「他の文化はすべて劣っている」というようなことから行われるのである。そして「他の文化が中華民族の考え方や政権を壊しに来ている」といういうようなことを考えているのである。

共産主義は「平等」と言いつつ「すべてが上下関係で人間を序列化する」という考え方になっており、平等や仲間意識というような並列の人間関係を構築することはほとんどない。そのようなことから「外交」においても「並列的な外交関係」はなく「上下関係」特に「朝貢貿易」のような内容しか認められていないのである。そのような関係で日本やアメリカを見ており、並列になっていれば「武力でたたく」ということしか考えていないのである。

このような国に「なぜ日本人は喜んで技術などを持ってゆく」野であろうか。その技術が、今回の親子のように「日本人を殺すためのもの」であるということが今段位わからないのであろうか。そのことをしっかりと見てゆくべきではないか。上記の記事もそうであるが、日本人の事件ばかりを見てしまう。そうではなく、中国で今何が起きているのかということをしっかりと見るべきではないか。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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