「宇田川源流」 安売りと嫉妬で日本型デフレが近づく中国の経済崩壊とその「裏側」

「宇田川源流」 安売りと嫉妬で日本型デフレが近づく中国の経済崩壊とその「裏側」


 私の予想では中国はとっくに崩壊していてよいのであるが、比較的よく持ったと思う。実際に習近平の経済政策ではうまくゆくはずがなく、なおかつその予算の多くが軍事費に行っている。つまり、民政にはほとんど予算が言っていないということになる。

実際にコロナウイルス禍があり、なおかつ異常気象による洪水などが毎年のように報道されている。しかし、それにたいして中国がどのような復興をしているのか、そこに何らかの補助金や政府が何かをするということがあるのかということが話題になるのである。要するに「政府は何もしない」ということであろう。救出まではしてもそれ以上のことはしない。街の復興などはすべて「民間任せ」というのが、中国である。

中国の事故や災害に対する内容としては、最も記憶にあるのが「中国新幹線の事故」である。日本の新幹線は改行以降50年以上まったく事故がないのであるが、開業早々2011年中国の新幹線は衝突事故を起こす。そして中国政府は、メンツを重視した結果、救助活動を行うのではなく、中に人が残ったまま事故車両を土の中に埋めてしまうということを行ったのである。現在も中国政府のその体質は変わっていないので、当然に災害などに支援をするのは「メンツの範囲」でしかないことは容易に考えられるのである。

さて、習近平は、私も中国関係の本何冊かに書いたが、上海市長の時代に当時大連市長絵あった薄熙来をまねして開発計画を行ったが、しかしそのすべてが失敗に終わっている。基本的には、「人命」や「街の発展」というような、経済そのものに最も必要な内容をすべて蒸すし、共産党の政策と自分のメンツを最優先にするということから、開発における自由がなくなり、なおかつそもそも共産主義経済しかわかっていないで、資本主義などの投資のことが全くわかっていないのであるから、当然に経済が発展するはずがない。自由がない資本主義などは成立するはずがないのである。

景気が悪化する、開発が失敗に終わるということは、そのまま会社に関する人々が経済的に困窮し、なおかつ、失業者が増えるという事になる。日本の場合は、第一次安倍政権の時に再チャレンジ政策などを行い、またセーフティーネットが整備されるなどのことがあり、それでもダメな人は生活保護がある。では中国はどうなのであろうか。

アングル:中国で安売り店が躍進、近づく「日本型デフレ」の足音

 [上海 11日 ロイター] - 中国では一部の小売業者が低価格を売りに積極的にシェアを拡大し、大きな利益を手にしている。しかし、こうした経営戦略が厳しい価格競争を一段と激化させており、中国が慢性的なデフレに陥るのではないかとの懸念が高まっている。

 中国の安売り業者は、不動産危機や高い失業率、暗い経済見通しで消費心理が落ち込む中、何とか需要を掘り起こそうとコーヒーから自動車、衣料品に至るまで、あらゆるものを値下げしている。

 低価格帯の通販「?多多(ピンドゥオドゥオ)」のような企業は、電子商取引大手アリババなどライバルに対抗するために値下げに踏み切り、売上高が増加した。しかしエコノミストは、こうした戦略が成功したことによって、中国でも消費者の間に日本型のデフレマインドが定着し、慢性化するのではないかと危惧している。

 小売業者は何よりも価格で勝負するため、商品の納入業者は厳しいコスト圧縮を強いられ、利益率が圧迫される。その結果、賃金の伸びが鈍ったり、単発で仕事を請け負う低賃金の「ギグワーカー」への依存度が高まったりして家計の需要が打撃を受ける。

 豪メルボルンにあるモナシュ大学のヘリン・シ教授(経済学)は、「この状況が続けば中国は悪循環に陥るかもしれない。付加価値の低い消費がデフレを引き起こし、利益率が悪化して賃金が下がり、それがさらに消費を押し下げるという負の連鎖だ」と警鐘を鳴らす。

一方、直近の決算シーズンで安売り業者は利益が市場予想を上回り、競合他社を凌駕した。ピンドゥオドゥオを運営するPDDホールディングスは131%の増収を記録。フードデリバリーアプリの美団は25%、ディスカウントストアの名創と瑞幸??(ラッキンコーヒー)もそれぞれ26%、42%の増収だった。

 消費者心理がどん底に近い環境では、価格こそが王様だ。

中国の自動車メーカーは国内需要の低迷を受けて、ほぼ2年にわたり価格競争を繰り広げており、一部のディーラーや自動車金融会社はこの2カ月間に頭金なし、さらには金利ゼロなどのローンプログラムを開始した。

 米スターバックスは、「安売り業者間の熾烈な競争」(ラクスマン・ナラシムハン最高経営責任者)のせいで第1・四半期に中国での売上高が8%減少。この数カ月で割引クーポンの利用を増やし、価格をラッキンコーヒーに接近させている。

 アリババの国内電子商取引部門であるタオバオと天猫(Tモール)、およびネット通販大手の京東集団(JDドットコム)は売上高の伸び率が1桁台だったが、いずれも決算後の電話会見で価格競争力が今後の成長のカギになると説明した。

 JDドットコムの創業者、リチャード・リュー氏が従業員に送った社内メモに、同社が「肥大化」していると書かれていたことから、JDドットコムが競争激化に対応して人員削減に踏み切るのではないかとの憶測が流れている。これはまさに国内需要の回復に不可欠な策とは正反対の動きだ。

 中国欧州国際ビジネススクール(上海)のアルバート・フー教授(経済学)は「長期的には価格競争によってさまざまな産業で弱小プレーヤーが淘汰され、生き残った企業は価格を引き上げてサプライチェーンに一息つかせることができるようになるかもしれない」と話した。ただ、こうした展開が可能になるのは、価格競争が引き起こす市場からの業者撤退を補うだけの雇用と所得が他の産業で創出された場合に限られるとくぎを刺す。

フー氏は「デフレは深刻な問題であり、日本は30年以上もこれと闘ってきた。重要なのは賃金の伸びだ」と強調した。

6/15(土) 7:50配信ロイター

https://news.yahoo.co.jp/articles/d2068d4975344d8adf370e4950cfe33d4a8f64a5

 そもそも中国という国のことを資本主義自由主義経済であるなどと誤解している人が少なくない。しかし、中華人民共和国憲法を四でもわかるように、中国は社会主義であり、共産主義経済である。つまり「破産」などという概念は存在しないしまたそもそも至上主義経済そのものが「イレギュラーな政策」であるということが重要なのである。そのように考えれば、当然に、再チャレンジやセーフティーネットなどがあるはずはない。。

現在の中国の経済状態は、間違いなく日本と同じ、または数字上は日本よりも強い「少子高齢化」が進んでいる。しかし、長老たちが仕事を止めないということや、権力志向などから、当然に、長老たちがいつまでも上層部に君臨するということになる。ネット産業などの「新規企業」は若手でもっ企業ができるが、しかしそもそも流通網が確立されていないなどのことから考えれば、それらを利用するということがなければうまくゆかず、本人が権力者ではなくても、権力者と友好的な関係を維持しなければ、成功はしないということになるのである。

当然に中国の政府関係者の中には、経済の専門家もいるし、アメリカ的というよりは西側諸国的な、資本主義に詳しい人もいる。しかし、習近平はそれらのアメリカにつながる人々をすべて粛清してしまっており、そのことから習近平の近辺に資本主義的な開発をしっかりとわかっている人はいない。

当然に共産党政府は、これらの例外的な「資本主義的な経済行為」に対して、全く関係ないというような感覚になる。要するに共産主義的な「搾取」の為に資本主義的な手法を用いて、海外から投資させるということになる。同時に失業者が多くなるということは、そのまま「少子化の中で兵士を増やす」ということになる。まさに「兵が少ない人民解放軍が再就職でありセーフティーネットになる」ということになるのである。今回の開発会社の破産と景気の悪化は、そのまま中国が共産主義的な経済に戻ることを意味しており、その共産主義化する中国の中で、独裁を強めるということになる。

自由主義ということは資本主義という中では、当然に、習近平個人の権力の強化にはならない。そのように考えた場合、当然に、今回の開発会社の不景気は、「仕組んだ」ということではない(習近平に開発会社を破産させるほどの能力はない)が、その現象をうまく使い、自分の権力を増強させる道具として使っていて、それを何とか景気回復させようとする力を完全に奪っているということになる。

そのようなことを平気で行うのが、中国なのである。

宇田川源流

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