「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 新たな展開の越前編で「様々なシグナル」

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 新たな展開の越前編で「様々なシグナル」

 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、好き勝手に書かせていただいている。一応歴史小説家としてその内容を見ているので、他の人と違った部分もあるのかもしれない。まあ、要するに多少歴史に詳しい一般人が、何か書いているということなのだが、まあ、そんなブログも面白いのであろう。

さて、今週からは「越前編」である。私の記憶では、紫式部が越前に赴任(父と同行)していたのは2年弱であったと思う。その間のことを様々に書いている。その中で一つ大きく出てくるのが「宋」という国である。

960年(日本の天徳4年)に成立した北宋は、貿易を振興する目的で各地に市舶司を設置し、日本、高麗との貿易や南海貿易を行った。市舶司は、中国において唐代から明代の間設置された、海上貿易関係の事務を所管する官署のことを言う。市舶司の職務は内外商人の出入国の手続きや保護・取り締まり、貨物の検査、徴税、禁制品の取り締まり、官買品の買い上げ、外国使節の接待など、非常に広範なもので広州に加えて泉州や明州(後の寧波)などにも置かれた。

日本では遣唐使停止(894年)の後大宰府の統制下で日唐貿易、鴻臚館貿易が行われた。貿易は朝鮮半島の高麗を含めた三国間で行われ、日本では越前国敦賀や筑前国博多が拠点となった。博多には鎌倉時代に多くの宋人が住み、国際都市となった。1019年(寛仁3年)の刀伊の入寇の頃から太宰府権能の衰微が始まる。日宋間の正式の外交貿易は行われず、一般人の渡航は表向き禁止されたが、宋の商人は主に博多や薩摩坊津、越前敦賀まで来航し、私貿易が盛んに行われていた。「私貿易」というのは、日本の国家として直接正式に行っている貿易ではなく、民間で行っていたということになる。この時代は藤原氏が専権事項として行っていたのがこの貿易になる。その後、平家がその貿易の利益を独占するようになり、平清盛は開運の平安を祈願して厳島神社を建立するのである。

もちろん、この時代は藤原氏の権限である。藤原伊周が大宰府に素直に行っていれば、その貿易の権限を持っていたのかもしれない。

【光る君へ】「周明」松下洸平、ラストシーンでの衝撃の言葉に「最愛コンビでのサスペンス展開、来た―!」の声

 女優・吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第22話「越前の出会い」が2日、放送された。

 今回、敦賀の松原客館に立ち寄ったまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)は、宋人の朱(浩歌)、通事の三国(安井順平)らに迎えられる。

 浜辺に出かけたまひろは、そこで佇む周明(松下洸平)と出会う。その夜、国守を歓迎する宴が行われ、まひろは皆と楽しいひと時を過ごす。

 翌日、越前国府に到着し、大野(徳井優)、源光雅(玉置孝匡)に出迎えられるが、為時は早々に激務で体調を崩してしまう。医師として現れたのは…というストーリーだった。

 (以下、ネタバレがあります。ご注意下さい)

 今回、冒頭、敦賀の海岸でのまひろと周明の初対面シーンが美しい映像とともに描かれた。

 大河ドラマ初出演の松下は吉高とは2021年10月期のTBS系ドラマ「最愛」で恋人役を演じた仲とあって、ネット上には「海での出会い、『最愛カップル』再びの予感」、「ああ、これ始まってしまうヤツ」など今後の2人の恋愛展開を期待する声が浮上。積極的に周明と漢字でのコミュニケーションを取るまひろに「まひろちゃん、グイグイ行くなあ。だって、相手は大ちゃんだもんね」と「最愛」の際の松下の役名を口にする声も。

 その後、物語はラストシーンで急展開。賄賂を受け取らない清廉潔白な為時と地元役人との関係がギスギスする中、三国が何者かに殺害されるミステリアスな展開に。ラストシーンでは、殺害は宋人によるものではない証人を連れてきたとする周明がいきなり「話があって来た! 朱様は通事を殺していない!」と流ちょうな日本語で訴える驚きの展開に。

 それまでは宋の言葉しか話さなかった周明の急変。次回予告では、まひろが「あなたは日本人なの? 宋人なの?」と問いかけるシーンも流され、ネット上には「洸平、日本語、しゃべれるんか~い!?」、「きゃー、周明、急に日本語しゃべってもカッコいい!」、「最愛コンビでのサスペンス展開、来た―!」などの驚きの声が集まった。

 最後の最後で物語が急展開を見せた今回、放送中にはX(旧ツイッター)のトレンドワードで「#光る君へ」が1位に急浮上した。

 大河ドラマ63作目となる同作。吉高は2014年に連続テレビ小説「花子とアン」のヒロインを演じており、朝ドラと大河の両作品の主演は4人目になる。

 脚本は2006年の大河ドラマ「功名が辻」やドラマ「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」「星降る夜に」などを手掛けた大石静氏が担当。大河の中でも数少ない平安時代を舞台に、世界最古の女流作家とも呼ばれる紫式部/まひろ(吉高)の生涯を描く。音楽は冬野ユミ氏、語りはNHKの伊東敏恵アナウンサーが務める。

2024年06月02日 20時45分スポーツ報知

https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12265-3087755/

 さて、ここからはドラマの話をしよう。

まずは、周明(松下洸平さん)とまひろ(吉高由里子さん)の出会いの場面からである。二人が言葉が通じず、砂に文字を書いて会話する。これは、このドラマの初回に、まひろが後の道長となる三郎(柄本佑さん)との出会いでも、やはり土に名前を書いて会話をする。「恋の始まり」というか、「自分を知ってもらいたい相手との会話」ということがここに出てきており、様々な説明もなく、まひろが周明に行為を抱いているということが、続けてみている人にはわかる仕組みになっている。この辺は、うまく作っているなと思うものである。

宋の人々ということが見えてくるしまた、その宋の人々が様々な意味で「何かを考えている」ということを表すようなことになる。為時(岸谷五朗さん)を接待したり、医者を連れてくるなど、様々な内容が出てくる。一方で、大野(徳井優さん)、源光雅(玉置孝匡さん)というところは、うまくわいろを渡して、そのまま自分たちの自由にするということが見えてきている。まさに、このようなことが往々にして行われるので、戦国時代に守護大名よりも守護代の方がのし上がるとか、平安時代でも、平将門の乱のように実力のあるものが出てくることになる。そのような「平安時代の世界」というよりは「日本の官僚社会の病巣」が出てきているということになるのではないか。このようなところに、その内容を今く取り入れているのが、NHKらしい感じである。

そして事件が発生し、そこに周明が現れるという事であろう。こののちに、多分宋人の本当の狙いや、源光雅などの悪事などが出てくることになるのであろうが、それは来週以降の話だ。この辺はうまくミステリー仕立てになっていて、面白く作っている。もちろん、この辺の人物は記録上に残っているのかどうかというようなことであり、基本的には捜索であろう。

一方都では、藤原伊周(三浦翔平さん)が大宰府から戻ってきてしまい、そして、様々な事件が起きるが藤原定子(高畑充希さん)が天皇の子供を身ごもっているということと、その母高階貴子(板谷由夏さん)が亡くなったことが明らかになる。藤原伊周は、意気消沈して出てゆくということになりまた一条天皇(塩野瑛久さん)は取り乱すということになるのである。この辺は、記録にある内容であろうが、それにしてもうまく作っていると思う。その中で越前からの手紙が来て「まひろの文字」ということを気付くが自分では何もできないということで越前のことは越前で差配せよというようなことを書く。これは、為時だけではなく、まひろもいるのだから大丈夫であろうということと、一条天皇自身は、判断できないということを意味しているのであろう。その辺のまひろと道長の信頼関係も見えてきているのではないか。

人と人、特に男女の関係をうまく書きながら、その関係の中で、様々な事件を入れているということ、そこにいくつかの伏線があり、先ほど書いた文字で相手がわかるとか、砂の上に文字を書くという「文字」を通した仕草で、様々な心理状態がわかるというようなことになるのではないか。その辺の面白さは、長期間やるドラマならではであろう。

宇田川源流

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