「宇田川源流」【現代陰謀説】 イラン大統領の事故死によって動く中東情勢

「宇田川源流」【現代陰謀説】 イラン大統領の事故死によって動く中東情勢


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。いつもであれば「日頃目にするニュースの中に隠れている陰謀」ということを言うのであるが、今回はその逆、一つの事故において陰謀がささやかれているが、実際は損の語られている陰謀などは存在しないということである。「陰謀がささやかれていることそのものが陰謀である」ということをここで見てゆくということになるのではないか。

一見陰謀ではないかというような事故や事件は、実はかなり様々なところに存在している。偶然のいたずらというのは、非常に大きなもので、その内容をなかなか面白い形で陰謀論のような内容になって見えてくる。しかし、「そんなに陰謀らしい陰謀」などは基本的には存在しない。

しかし、その陰謀論を「流した張本人」というのがいる。単純い言えば、「陰謀を流すことが陰謀」担っているということになるのである。陰謀を流すことというのは、「情報を混乱させることで真実から目を背けさせる」ということと、どうじに、「情報を混乱させて、民衆を誤った方向に向かわせる」という二つの効果を持つ。

一方でそのような陰謀論は「嘘」である。逆に言えば「嘘」こそ多くの情報が含まれるということになる。陰謀論的に言う嘘というのは、「真実隠す」というということがある。つまり、「隠さなければならない真実がある」ということになる。つまり「隠さなければならない事情」があり、同時に「隠すことによって得られる利益」ということがある。そのことから「利益を得る主体」がわかるので、利益が何か、また、その主体が目指しているものが何かということが明らかになり、また、彼らが向かわせたい方向にあるもの先にある「真の敵」があるということになる。

つまり、普通に真実を見る事よりも、あえて「嘘」を言われた方が、情報を多く得ることができるのであるが、残念ながら日本の人々は、そのこともわからない人が多すぎる。陰謀論者が「あの人はうそつき」などと言っていて、陰謀の深淵も見えないような人が少なくないのである。まあ、「嘘の方が情報が得られる」という当たり前のこともわからない人々が、陰謀論を語っているのであるから、日本の陰謀論者の質はその程度という事になるのだろう。

イラン国営通信「大統領のヘリコプター、技術的故障で墜落」

 イラン大統領のヘリコプター墜落死亡事故の原因としてイラン国営通信が「技術的故障」に言及した。

 イラン国営IRNA通信は20日(現地時間)、ライシ大統領を称える英語の記事で「ライシ大統領は日曜日(19日)にコーダアファリンダムからタブリーズ精油工場に戻る途中、技術的故障(technical failure)のため発生したヘリコプター墜落事故で殉教した」と報じた。

 米日刊ニューヨークタイムズ(NYT)は、ヘリコプター墜落の原因が明確に言及されたのは今回が初めてとみられる、と伝えた。

 これに先立ちIRNA通信はライシ大統領が事故当時に米国製のベル212ヘリコプターに乗っていたと報じた。

 米CNN放送はこのヘリコプターが数十年前に導入された老朽機種の可能性があると分析した。

 米空軍予備役出身のCNN軍事分析家セドリック・レイタン氏は「シャー(イラン国王)の執権後期の1976年にベル212ヘリコプターが商業的形態で初めて(イランに)導入された。それ以前には米軍で使用されたため、このヘリコプター機種が実際の運用され始めたのは早ければ1960年代末とみられる」と話した。

 また海外メディアはイランが国際社会の制裁の影響でヘリコプター部品調達に困難があったと伝えた。

 これに関しザリフ元イラン外相は自国に制裁を加えた米国が今回のヘリコプター墜落事故に責任があると主張した。

 IRNA通信によると、ザリフ氏は「痛恨の今回の事故の原因の一つは米国だ。米国は航空業界のイランへの販売に対して制裁を加え、大統領とその一行の殉教を招いた」とし「米国の犯罪はイラン国民の心と歴史に記録されるだろう」と述べた。

 西側の制裁で部品需給に支障をきたし、維持保守に困難があったという説明だ。

 米国のカービー大統領補佐官は「米国の制裁に責任があるという主張は全く根拠がない」とし「すべての国はこれら装備の安全と信頼性を保障する責任があり、民間航空も同じ」と反論した。

 続いて「イラン政権が自ら招いた問題でも米国を非難する方法を探そうとする点は驚くことではない」と話した。

 米国務省のミラー報道官もこの日の定例記者会見で「我々は制裁体制について謝ることはない」とし「イラン政府はテロを支援する装備の輸送に航空機を利用し、我々はイラン政府の航空機使用を含めて制裁履行を続ける」と述べた。

2024年5月21日 13時4分 中央日報

https://news.livedoor.com/article/detail/26447524/

 今回の陰謀論は、その「作られた陰謀論」ということについてみてみたい。

5月19日に、イランのライヒ大統領が、ヘリコプターの事故によって死去した。実際に調査が進んでいるが、実際には撃墜されたような後は全くなく、同時に、整備もしっかりされていた。

今回の事故の原因は、少なくともこちらの調査によると、いつもは旧ソ連、そして今はロシア製のMi-171ヘリコプターを使っていたがしかし、、このヘリコプターに関しては、現在ロシアがウクライナでの軍事作戦でヘリの消耗が大きいと言ことになってしまっているので、修理や整備の部品や、あるいはロシア人の整備技師などがイランまで来ることができない状態になっている。この事から、イラン空軍ではヘリコプターを自信をもって整備済みというものを出すことができない。当然に他のロシア製ヘリコプターについても同じ状態である。そのことから、かなり古い1969年製造のアメリカ製ベル212というヘリコプターが使われた。

自動車を運転する人ならばわかると思うが、レンタカーなど普段運転していない自動車を運転すると、そうであるとわかっていても、いつもの癖で、シフトレバーの位置を間違えたり、サイドブレーキを間違えたりということになる。当然にロシアのヘリコプターパイロットも同じで、その操縦ミスが発生し、その時にロシアのMi-171のやり方で操作をしてしまったので、全く異なる動きになってしまい墜落したのである。

「アメリカ製だから、アメリカがなんらかの工作を行った」という陰謀論があるが、1969年制の半分アナログのヘリコプターに仕掛ける工作はかなり難しい。爆弾でも仕掛けレば別であるが、コンピューター制御ではないので、なんらかのウイルスで操縦不能にするなどということもできない。そのように考えれば、この「アメリカの工作」がかなり難しいということも理解できるはずだ。しかし、このような陰謀論が出るのは「イランの国民の怒りをアメリカに向けさせる」という効果がある。当然に「本来ならばイランの空軍へ非難」隣、それア「ハメネイに対する非難につながることを恐れる」と言ことになるが、それをあえて公式には否定しながら、アメリカに向けたということが言える。当然にハメネイサイドが流したということが推定されるであろう。

一方、もう一つ「ハメネイが後継者を自分の息子にしたいので、次期最高指導者になると言われているライヒを殺した」という内容もある。これは「イランの反ハメネイ派」または「アメリカ」などがこのように流していることになると推定される。当然に、アメリカとしては保守強硬派のハメネイと、ライヒが両方いなくなってくれればありがたいので、そのような工作は行うであろう。

イランではこの二つのうわさが上がれておりその中で大統領選挙がおこなわれる。あえてもう一度言うが、工作などは簡単にできる機体ではないので、そのように考えれば、純粋に事故死である。同時に、そのことから、このように全く別な二つの陰謀論が出てきており、同時にそのことから「ハマス」や「ロシア」が戦争をしているから、軍事物資が足りない(つまりヘリコプターの整備部品が足りない」ということが原因であり、ロシアへの支援をしないという世論にならないようにするということが重要と考えている人が少なくないということになる。そのことがまさに今回の「隠さなければならない事実」なのかもしれない。

宇田川源流

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