「宇田川源流」 イスラエル=ハマス戦争最終局面で国際司法裁判所が介入

「宇田川源流」 イスラエル=ハマス戦争最終局面で国際司法裁判所が介入

 昨年の10月7日にハマスが突然イスラエルの音楽フェスに侵攻し、イスラエル人だけではなく、多くの外国人を含む200名以上の人質を取った。イスラエルは、これに対して襲撃翌日の2023年10月8日にハマスに対して宣戦布告を行った。

この宣戦布告に伴って戦争を行っているのが現座の「イスラエル=ハマス戦争」である。

そもそもこの二つの勢力に関しては、オンラインサロンなどを通じてみてきたが、簡単に言えば、イスラエルが、パレスチナという人々が住んでいる場所に突然建国し、そのイスラエル人を追い出そうとして、パレスチナが長年テロ攻撃を行っていた。しかし、そのパレスチナとイスラエルは、1993年にオスロ合意で停戦を行った。当時のアラファト議長とイスラエルのラビン首相は、ともにノーベル平和賞を授賞している。

オスロ合意の

内容は、お互いに相手を国家として認め、同時にテロなどを行わず、そして平和共存するというものであった。しかし、その内容に関して、「オスロ合意を認めない」という勢力が出てくる。つまり、医師らエルの建国やパレスチナの今の土地に住んでいること自体を否定するという勢力である。それがイランであり、また、ハマスであった。

このハマスという存在に関しては、なかなかむずかしい。そもそも、ハマスはガザ地区の政党である。パレスチナは、二つに分かれており、ガザ地区は定住商人でありいわゆる「アラブ商人」といわれる存在であった。そしてもう一つがファタハといわれる遊牧民族ということになる。アラファト議長もその後任のアッバス議長もファタハということになる。そしてハマスは、ガザを中心にした集団である。何度も書いているが「ハマス」というのは「政党や互助集団」であり、その中で「祖国奪還」を主張している武装組織やテロ組織も存在する。

さて、イスラエルは「パレスチナ」という国家を相手に宣戦布告をしているのではなく、「ハマス」というガザ地区の政党や集団をさして宣戦布告をしている。

ICJがラファ侵攻停止を命令

 【ブリュッセル時事】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は24日、イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻を即時停止するよう求める暫定措置命令を出した。人道支援のためのラファ検問所開放も要求した。

 ICJは、ハマスに対しても、昨年10月のイスラエルへの奇襲攻撃で捕らえた人質を「直ちに無条件で」解放するよう改めて求めた。

 イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は外務省報道官との共同声明で、命令は「虚偽で言語道断だ」と反発。同国メディアによれば、戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は、ブリンケン米国務長官との電話会談で戦闘継続の意向を示した。

 一方、ハマス高官はロイター通信に、攻撃はガザ北部にも及び、暫定措置命令は「不十分だ」と不満を漏らした。ただ、命令によって戦闘停止に向けた国際社会の圧力は一層強まるとみられる。 【時事通信社】

2024年05月25日 05時57分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-3065414/

 イスラエルがハマスに対して宣戦布告をしている。問題は「ハマス」は、「テロ組織」なのか、あるいは「政党」なのかということになる。単純に、老人ホームも保育園もすべて「ハマス」がけいえいしていることになりまた、病院もハマスが経営している。ハマスに対して宣戦布告をしていると言ことになれば、当然に、これらも攻撃対象になる。

このように「定義」がしっかりしていないことによって、様々な齟齬が生まれるケースは少なくない。そのように考えると今回の内容も、同じだ。

 国際司法裁判所(ICJ)は、イスラエルに対して、戦闘行為の中止を命令している。しかし、そもそも国際法上正しい手続きをもって「宣戦布告をしている」ということになりその理由は「人質の奪還」である。そのように考えれば、「なぜICJは人質の解放を命令しなかったのであろうか」という疑問が出てくる。本来「人質の解放をしていれば、当然に、戦争の理由がなくなる」ということになる。しかし、人質の解放を行わないで戦闘だけを停止ということを命令しても意味がないのである。ではなぜICJはこのようにい皆がないことをしたのであろうか。

このように「戦争そのものの解決策を示すのではなく、ただ戦闘の中止だけを求めている」ということ自体がおかしいのではないか。このようなことをしていれば、国際司法裁判所の権威も、また戦争の停止にはならないということになる。つまりは、国際司法裁判所の権威そのものがなくなるということになるのである。

つまり国際機関がそのまま片方の勢力に味方し、中立公平な立場で判断するということを拒否した形になってしまうということになる。まさに、そのようにして国際機関が信用を失うのである。

ちなみに、何故ICJは、ロシアに対して戦争停止の命令をしないのであろうか。同時に、その戦争停止を命令してもそのままロシアに反故にされてしまうということになる。つまり、その内容が国際機関の内容を全く意味がないということになる。国連も国際司法裁判所もいずれも、実効性がないということになるのである。そして「戦争を抑止する力がない」というようになってしまうのである。

今回のような内容は、「国際機関が戦闘を止めることができない」ということになるのである。そのようなことになってしまうことが、今回の問題には包含されているお言うことになるのである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000