「宇田川源流」 潜水艦型ドローンの開発競争が始まるその原因は

「宇田川源流」 潜水艦型ドローンの開発競争が始まるその原因は

 ロシアのウクライナ侵攻は、世界の軍事バランスを大きく崩したということはよくわかるのではないか。そもそも「ロシアは軍事大国であり、ロシアと戦争をしてもすぐに負けてしまう」というような日本のイメージは全く当たらないということが明らかになった。日本におけるこれらの軍事的な分析というのは、本当に当たらないということになる。本当に日本というのは、これ等の内容に関しては全く当たらない。

さて、元々は、「核ミサイル」や「巡航ミサイル」などによって簡単にウクライナは負けてしまうと思われていた。当初はアメリカなども是連スキー大統領の亡命と亡命政府の設置を考えていたという。しかし、その様にはならず、かなり「人的抵抗」というか「アナログ的な戦術」によって抵抗し、徐々にロシアを起こし返している。今年に入ってからは、ロシアの反撃などもあり一進一退となっているが、ロシア側の被害もかなり多いというように聞いているしまた、ロシア国内の製油所なども爆撃されて破壊されている状態になっている。

この時に、使われているのが「ドローン」である。

ドローンは、戦場においていくつかのメリットが存在する。一つは、人が死なない(もちろん敵は犠牲が出るのであるが)ということであろう。味方の犠牲がないということは、かなり思い切ったこともできる。ある意味で「突撃」ができるというような言い方でよいのかもしれない。

そしてもう一つは「安価」ということである。ミサイルは一発で数十億するということであるが、ドローンは、日本においても家電量販店で買える値段である。そこに爆弾やカメラを積んで爆撃したり、偵察をするということができるのであり、ミサイル一発で数万のドローンを飛ばすことができる。

このドローンの攻撃によって、ロシアはかなりの被害がありまたウクライナ側も大きな被害になっている。この事は、ニュースだけではなくSNSの動画などに寄ってみることができる。

「ゴーストシャーク」に「マンタレイ」 各国がしのぎを削る無人潜水艦開発

韓国・ソウル(CNN)オーストラリアと米国が、それぞれ「ゴーストシャーク」「マンタレイ」と名付けた海軍無人潜水艦の試作艦を披露した。こうした無人艦は、人命に及ぼすリスクを最低限に抑えながら実力を行使する海中戦争の未来を表しているのかもしれないと専門家は指摘する。

 オーストラリアが4月に披露したゴーストシャークは、「世界最先端の海中自律走行艇」と位置付けている。

 オーストラリア国防省は、ゴーストシャークによって海軍が「持続的な情報収集・警戒監視・偵察(ISR)および攻撃を実行できるステルス性と長距離自律海中戦闘能力」を獲得できると説明。来年末までに実用モデルが納入されるとの見通しを示した。

 ゴーストシャークの仕様については、オーストラリア政府も同艦を建造するアンドゥリル・オーストラリアも、機密扱いを理由に公表していない。

 しかしアンドゥリルの担当者は、プログラム開始からわずか2年で、予定よりも早く予算の範囲内で試作艇が納入できたと胸を張った。

 英シンクタンク「カウンシル・オン・ジオストラテジー」フェローのエマ・ソールズベリー氏はゴーストシャークについて、米国で開発されたボーイング製の超大型無人潜水艦の試作艦「オルカ」によく似ているようだと解説する。

 米海軍は昨年12月、初のオルカ試作艦の納入にあたり、「モジュール式のペイロード区画で多様な作戦を遂行できる最先端の自律式無人ディーゼル電気潜水艦」と発表していた。

 モジュール式を採用することで、理論的には任務に応じてさまざまな兵器を搭載したり、偵察や情報収集のための特殊装備を搭載したりすることが可能になる。

 ただ、10年以上かけて開発された米海軍のオルカとは対照的に、オーストラリアのゴーストシャークはスピード開発を実現した。

 アンドゥリルの最高戦略責任者は、「はるかに早く、安く、インテリジェントにそうした能力を開発できる」ことを、同社とオーストラリアが「証明する過程」にあると話す。

 純オーストラリア産のゴーストシャークは、海軍艦隊に加わった後、輸出も計画する。

 一方、米ノースロップ・グラマンが製造した米海軍無人潜水艇の試作機マンタレイは、2月と3月に米カリフォルニア州沖でテストが行われた。

 開発は米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が担当。マンタレイの強さは、作戦に応じて搭載兵器を切り替えられるモジュール方式にある。

 分解すれば標準的な輸送コンテナ5個に格納でき、配備する場所に運んで現場で組み立てることが可能。試作艦はメリーランド州で建造され、カリフォルニア州の沖合で組み立てられた。

 マンタレイのプログラムは2020年に始まった。米海軍艦隊に加わる時期について、DARPAは目標を明らかにしていない。

 こうした中で、米軍が太平洋の「脅威」と位置付ける中国も、無人潜水艦を進化させている。

 「詳細は不明だが、少なくとも15年前から開発が進められており、オルカと似たようなもの(ただし魚雷を装備)のテスト段階にあると思われる」とソールズベリー氏は解説する。

 潜水艦に詳しい専門家のH・I・サットン氏によると、無人潜水艦はカナダ、フランス、インド、イラン、イスラエル、北朝鮮、ノルウェー、ロシア、韓国、ウクライナ、英国などの各国も開発を進めている。

2024年5月14日 15時46分 CNN.co.jp

https://news.livedoor.com/article/detail/26403738/

 ドローンの良さは、他にも小型化で発見されにくいということがある。つまり「秘匿性が高い」ということであろう。この事は、そのまま潜水艦にも当てはまるということになるのではないか。

ドローンそのものの開発は、日本はかなり遅れていて、「周回遅れ」どころか「数週遅れている」というような感じであり、中国などが先んじている。元々は、日本のラジコンヘリコプターなどがあったが、2000年代初頭に、ヤマハの「ココム違反、ラジコンヘリ輸出事件」などがあり、そのような「日本の国家を裏切る行為」が、そのまま現在の日本と中国の差が出てくる。日本の会社の人々は、自分の数年間の懐具合と個人的な欲求で、将来に中国が日本を攻撃する武器や技術を渡してしまっているのであるから、本当に困ったものである。数年間の懲役で終わっているような話ではないはずだが、日本は本当に平和ボケな甘い国であると思っているのであろう。

さて、そのドローンが「潜水艦」になる。その開発競争が行われている。

さて、戦術という意味では「精密射撃」「破壊力が大きい」ということが本来の攻撃の最も大きなものということになる。そのような意味で世界を震撼させたのは、大東亜戦争時に日本が行った「特別攻撃」という手法であり、人が爆弾を抱えて飛行機ごと体当たりをするというようなことは、防空技術を飛躍的に上げるとともに、世界の武器の向上に繋がった。日本は、ある意味で技術力と胆力は間違いなく当時から世界一であったということであろう。その日本の特別攻撃によって開発されたのが、一つでは誘導ミサイルであり、もう一つは、防御のかなめとして存在する「イージスシステム」である。

しかし、それをかいくぐって小型の爆弾を積んでゆくということになれば、ドローンは非常に有効な手段ということになり同時に、水上ドローンや水中ドローンということになる。実際にウクライナにおいても、序盤で活躍した黒海艦隊は、ミサイル攻撃によって巡洋艦のモスクワが沈没し、その後揚陸艦や潜水艦などが、ウクライナの発進した水上ドローンなどによって沈没している。その有効性は、かなり高いことがウクライナによって立証された形だ。この事によって黒海艦隊は湾から出ないかまたは撤退する以外には手段がなくなってしまっている。

このような戦況を見て、各国が水中ドローンを開発することは間違いがない。一方で、開発が進むということは、当然に、それに対する防御も進むということであろう。「カメラによって誘導された体当たり型潜水ドローン」は、実際にソナーで運航している潜水艦にとってはかなりの脅威になると考える。徐々にそのような戦争に代わってゆくことになるのであるが、それを開発している中国から日本はどのように日本を守るのか。

宇田川源流

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