「宇田川源流」 いまさら中国によるアメリカ大統領選挙へ介入という国務長官の愚

「宇田川源流」 いまさら中国によるアメリカ大統領選挙へ介入という国務長官の愚


 もしもい暇な人がいれば、4年前の私のブログ、それもバイデン大統領候補(当時)が大統領になれば、かなり世界が危うくなるということを何回か繰り返し書いているのであるが、そのことをまた引き出して思い出してもらいたい。実際に、バイデン大統領は自分の息子のハンターバイデンがウクライナや中国のエネルギー会社から多額のわいろを受け取っており、大統領選挙でもロスアンジェルスの中国人コミュニティなどから支援を得ている。特に副大統領候補になったカマラ・ハリスに関してはかなり中国びいきであり、また現在大統領補佐官をやっていて、当時から大統領選挙の参謀をしていたジェイク・サリバンなどは中国との連携を考えていたような人物である。

バイデン大統領就任後、議会は中国に対する敵対的な経済制裁を継続するということになっていたので、中国を依怙贔屓したり必要以上に中国に不当な利益を与えるようなことはなかったが、しかし、そのような背景があるので、トランプ大統領時代の様な独自の制裁もしていないし、群を使っての圧力もかけていない。このことから、中国の台湾やフィリピン、つまり南シナ海への圧力のかけ方はあまりにも強引なものがありまた、尖閣諸島周辺に出没する中国海警局の公船もすでに今年に入っているだけで、数百に上る。ようするに、アジアという感覚でいえば、バイデン大統領では「安定を保てない」ということにある。

しかし、4年前の大統領選挙では、中国はアメリカ大統領選挙に介入し、トランプ大統領を引きずり下ろした。その選挙介入が見えている人々は、この選挙は不正があったということやバイデン大統領はフェイクで勝ったというようなことになった。実際に「郵送選挙」ができるようになったことから郵便局やポストの中に、多くの投票用紙が残されていたりまたは、本来の投票用紙ではない投票用紙が多数含まれていたりというようなことがあったようである。そもそも本人の意志かどうかも確認できない内容であり、そのこと嘉新支持者による議会占拠事件が起きるのである。

このようないきさつを見れば、今回も注後は民主党を支持するのではないかというようなことを考えるのではないが、どうやらそうではないらしい。

中国による米選挙への影響力行使の試み、証拠を確認 ブリンケン国務長官

 北京(CNN) ブリンケン米国務長官はCNNの26日のインタビューで、中国が米国の今後の選挙に「影響力を行使し、ほぼ間違いなく干渉」しようと試みている証拠を確認したと明らかにした。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は以前、米国の選挙に介入しないと約束していた。

 インタビューは3日間の中国訪問の最後に行われた。ブリンケン氏は中国で習氏を含む高官と数時間会談し、両国は米国の技術管理から中国の対ロシア支援まで様々な懸案事項を取り上げた。

 ブリンケン氏は今回、バイデン大統領が昨年11月の米中首脳会談で習氏に伝達した2024年大統領選への不介入を求めるメッセージを改めて伝えたという。CNNの報道では、習氏は当時、中国は介入を行わないと約束していた。

 中国は習氏のバイデン氏への約束を破ったのかと聞かれ、ブリンケン氏は「大まかに言うと、我々は(中国が)影響力を行使し、ほぼ間違いなく介入を試みている証拠を確認した。可能な限り早くこれをやめさせたい」と説明。

 そのうえで「中国による選挙介入については例外なく精査しており、介入は全くもって受け入れられない。従って、彼らにこのメッセージに耳を傾けるよう再度要請した」と述べ、中国などの国が影響力工作を通じ米国に存在する社会的分断につけこむ懸念があるとの認識も示した。

 中国は内政不干渉の原則に基づき、米国の選挙に介入しないとの方針を繰り返し表明している。中国や中国政府の関連組織とみられる団体はカナダなどへの政治介入を批判されている。

 ブリンケン氏の訪中はここ1年足らずで2度目で、昨年の米中首脳会談に結実した一連の高官級協議の中で最新のものとなる。米中両国は高官級協議を通じ、大きく損なわれた状態にあった二国間の意思疎通の強化に着手してきた。

4/27(土) CNN.co.jp

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a0a08493fbe143ebab2b7a4f409ad58e350bb64

 ブリンケン国務長官は、4月末に訪中し、王毅外相や習近平国家主席と会談した。その後アメリカマスコミのインタビューに答えて、武力による南シナ海への家圧の反対や、アメリカ大統領選挙への介入の危険などを表明している。そもそもなぜ、「中国の要人本人にそのことを言わないのか」ということが非常に大きな疑問である。当事者に止めるように言うべきであり、終わってから負け犬の遠吠えのように、そのようなことを言っていても何の意味もない。まあ、せいぜい「バイデン候補が撒けたときの言い訳を先に作った」というようなことでしかなく、このことがアメリカに利益をもたらすようなことは全くないということになる。このようなことを明らかにしながら講義をしないこと自体、現在のブリンケン国務長官に外交能力がないこと、バイデン大統領ではアメリカを守れないことを意味しているのであり、同時に、政権担当能力がないのではないかというような感覚になってしまう。

さて、ところで当然に、民主党を支援していたので、今回の選挙も民主党を支援するのかと私は単純に考えていた。しかし、これは別にブログで書かなければならないのかもしれないが、現在の中国はトランプ氏を支援し現状の政権を否定している。この事は、現在のコロンビア大学などで行われている、学生によるイスラエル抗議デモを見れば明らかであろう。ブログを書くことがあればしっかりと解説するが、大学の抗議デモが、なぜかハマスの子供たちが集まってお礼の投稿を行い、中国人とイラン人が一斉に「アメリカは人権を無視している」とSNS上で非難するというような展開は、誰かが仕掛けているとしか言いようがないところであろう。まさに、その内容はトランプ大統領が落選した選挙の時の「ブラック・ライブズ・マター」に近いものを感じる。

さて、ではなぜ中国政府は今回の選挙では何故トランプ氏を支援しているのか。この答えは二通り考えられる。一つは、今のうちにこのようにトランプを支援し、そのうえで、バイデン陣営とディールするという内容である。そのことによって、なんらかの有利な外交条件を手に入れるということを行う。まあ、選挙を使った「トラップ」ということになる。

もう一つは、「民主党と共和党を交互に応援し、非難することによる影響力工作と、アメリカ国民の分断を図る」ということである。このようにして二つの陣営に分かれて分断化されると、中国などの国家がアメリカの中に入り込みやすくなりその徒で内戦などの危機になり、結局のところ、中国が国力を挽回するということになる。バイデン大統領は大統領であるにも関わらず、そのようなアメリカ国内の分断化防止をしっかりと政策として行うことができなかったということであり、アメリカはしばらくの間中国に対して手を出せなくなるのである。

そのことは、そのまま日本や台湾が基金晒されるということであり、台湾や日本、フィリピンは、アメリカの支援を期待できない場合の中国の覇権主義を防ぐ方策を考えなければならないし、また、アメリカのような分断化工作を行われた場合の国内の対応を考えなければならないのである。

さてそのようなことはできるのか。今年1月の台湾の総統選挙では、台湾何は見事にそのことができた。一方のアメリカは全くできていない。では、日本はどうすべきか。よく考えればわかるはずである。

宇田川源流

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