「宇田川源流」【現代陰謀説】 ロシアが行っている情報工作は成功しつつあるという報告

「宇田川源流」【現代陰謀説】 ロシアが行っている情報工作は成功しつつあるという報告


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。昨日のブログ投稿で「陰謀論はおかしい」としながら、本日は、「陰謀説」を核のであるから、何となく矛盾しているのかもしれない。

一応言い訳がましく書いておくと、「陰謀」は存在する。ただし、陰謀を語るときは、「陰謀の主体」「陰謀の目的」などをしっかりと書いたうえで、「陰謀に関するこちらの対応の仕方」を書かなければ何の意味もない。この「対応の仕方」について「陰謀=インテリジェンス」というのに対して「陰謀の対応=カウンターインテリジェンス」という。まさにそのカウンターインテリジェンスに関して、全く語らない「オカルト的陰謀論」が少なくないのである。

このように書くと「過去の陰謀に関して紹介しているだけ」などと、不思議な言い訳をする陰謀論者がいる。では「過去カウンターインテリジェンスはなかったのか」「どの様なカウンターインテリジェンスを考えるべきであったのか」ということなど、陰謀を仕掛けられた側の立場に立って、しっかりと教訓を得るべきであり「こんなことがあったんだって」「これが真実なんです」で終わっているような内容は「陰謀を語っていること」にならないのである。

ということで、ここでは「日頃目にするニュース」等から、どの様に「陰謀を見分けるか」ということをしっかりと一緒に学びたいと思う。

さてそのような陰謀が最も大きく動くのが「戦争中」である。ちなみに、現在ロシアがウクライナに対して行っていることは、「戦争」なのか、それとも国際法的に宣戦布告をしているわけではないので「特別軍事作戦」なのかということは、非常に大きく解釈が分かれるところである。そもそも「テロとの戦争」という事は、成立するのかということがしっかりと学ばれなければならないのであり、その内容をしっかりと見てゆくということが非常に重要になるということなのである。もちろん「戦争」も「特別軍事作戦」も軍事力を行使するということでは同じなのであるが、その中身よりも、その時のロシアが仕掛けた陰謀とは何かということになる。

“ロシア、欧米への情報工作成功しつつある”米戦争研究所が警鐘

 アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は27日、ロシアが欧米各国にウクライナ支援を無駄だと思わせるため「ロシアが優勢」と見せかける情報工作を全力で行っていて成功を収めつつあると警鐘を鳴らす分析を公表しました。

 戦争研究所は27日に公表した分析で、西側が結束してロシアに対抗し、自らの能力を動員すれば、ロシアは負ける可能性が高いとした上で、にもかかわらず「この戦争はロシアが優勢であり、 (西側は)勝てないという考えは、ロシアの情報工作によるものだ」と指摘しました。

 この情報工作はソ連時代に理論化された「反射的コントロール」と呼ばれる考えが使われていて、「自陣営があらかじめ決めた結論を、相手陣営が自ら導き出すよう、その判断のもととなる情報を送り込むこと」だとしています。

 その上で、NATO=北大西洋条約機構が長年ロシアに挑発的な行動をとっておらず、ウクライナの加盟交渉も停滞していたにもかかわらず「プーチン大統領はウクライナのNATO加盟の議論がロシアに対する明確で切迫した危険だったとの嘘の主張で侵攻を正当化した」と指摘しています。

 そして、欧米各国でロシアの一方的な主張が真剣に考慮されていると指摘し、「ロシアの長期的な情報工作の成功を示している」「『認知の操作』はロシアの核心的な能力のひとつで、ロシアにとってウクライナで勝利する唯一の戦略として、西側の人々に全力で実行されている」と警告しています。

 戦争研究所によりますと、ロシアによるこうした事実に基づかない主張を含む情報工作が、西側諸国の判断に影響を与え、現実の戦場に反映されているということです。

 ウクライナが無人機などでロシア国内を攻撃するなか、「国内への攻撃に西側が供与した兵器が使われたというだけで、プーチン大統領が核による報復をするとはとうてい考えられない」にもかかわらず、核の威嚇を背景に西側の軍事支援の決断が遅れ、去年のウクライナ軍の反転攻勢の失敗につながったとしています。

 また、ロシアは西側の「平和を求める」という本能的な傾向につけこむことに長けているとも指摘しています。

 「侵攻開始後に出された、ロシアによる『和平案』と称されるものはすべてウクライナの主権の破壊につながる要求が含まれていた」「ロシアに関しては、『戦闘をやめる』ことは『殺戮をやめる』ことを意味しない。占領地域で拷問などによる殺害は続く」と、安易な停戦論を強く警告しています。

 結論として、西側は結束すればロシアに対し「優位性を持っているが、それを使う決断をしなければならない」とし、それには「兵器生産の強化やより大きなリスクを受け入れること」などが含まれると主張しています。

 また、他国を一方的に侵略したロシアが、自国への攻撃を免れることを要求する権利はないとして、ウクライナへの武器供与の条件とされる「ロシア国内にある正当な軍事的目標を攻撃することの制約」を西側は取り除かなければならないと提案しています。

 戦争研究所は去年12月、ウクライナが敗北した場合のアメリカの軍事的・経済的負担が「天文学的になる」とする分析を公表しています。

 今回はロシアの情報工作の脅威を警告し、西側のより積極的なウクライナ支援を強く求めていて、アメリカなどの軍事支援が停滞していることへの強い危機感を示す内容になっています。

2024年3月28日 18時25分 日テレNEWS NNN

https://news.livedoor.com/article/detail/26129130/

 陰謀というのは、基本的に「相手が気付かぬうちに、相手を弱体化させたり、あるいは、自分に有利な方向に導く」ということをいう。もちろん単純な工作ということもありうるし、また、何年にもわたり何段階もの工程を経て行う大掛かりなものもある。よく間違われるのは「暗殺」というのは、それが目的ではなく、その人物がいなくなった後の社会的影響(軍隊の動きや政治の動き)などがあり、そのことに対する内容が重要なのである。つまり、暗殺の対象者の存在自体というよりはその人の社会的影響力が大きな問題になる場合が多い。例えばアメリカ大統領であったケネディの暗殺が陰謀論で取り上げられる。実際に、その弾道の動きなどを解析して、本当につかまった犯人が暗殺犯なのかということが問題になるが、それ以上に考えなければならないのは、そのケネディという存在がいなくなった後のアメリカという国家の事であろう。そこがどのように変化したのかそして、その変化が陰謀を仕掛けた人が企画したモノであるのかということが最も重要な内容になるのである。

さて、今回はロシアのウクライナ侵攻に関してである。

「反射的コントロール」と呼ばれる考えが使われていて、「自陣営があらかじめ決めた結論を、相手陣営が自ら導き出すよう、その判断のもととなる情報を送り込むこと」<上記より抜粋>

この論理は、普通に行われていることである。日本でも普通に行われており、「自民党はダメだ」という情報だけを送り込む、このことによって現在の小選挙区制では自民党ではない政党に投票をする人が増える。このことから「民主党がよい」といわなくても、各選挙区は「民主党に投票する」という選択肢を導き出すことになる。与党を否定するだけで野党支持が増えるという「批判票の受け皿」という発想が出てくる。民主党という政党の失敗はまさに「与党になってからも、またその後下野してからも批判しかできなかった」ということに尽きる。

さて、戦争中に最も使われるのが「平和」という言葉である。「平和」というのは、一般的に多くの人がそのことを望んでいる。しかし、その「平和」というのは、「平和を守るもの」なのか、それtも暴虐の相手に対して「抵抗をしないこと」なのかということは、大きな意味が違う。

現在のウクライナにおいてもともともウクライナ領に入ってきたロシア軍をロシアウクライナ国境まで押し返すことは、「平和を破ることなのか」ということが非常に大きな問題になる。しかし、そのことは軍隊を使ってロシア軍を駆逐することであり、そのことは戦闘行為、ましてや人命が失われるということを意味する。

ロシアh「平和を破っているのはウクライナネオナチ政権である」という主張をする。自らが、ウクライナ国境を破り不法に占拠していることやその占領地域で虐殺していることなどはすべて譚アに挙げて、ウクライナの戦闘行為だけを取り上げ「平和を遠ざけている」と批判するのである。

要するに「自国の平和を守る戦い」と「抵抗しないで占領され拷問や虐殺されること」は、どちらが「平和」なのか。このような選択肢の中にありながら、ロシアの戦争を肯定するような人がいるのは、まさにロシアの「陰謀」なのである。

もちろんカウンターインテリジェンス的なことを言えば、まずは「国際法」を学ぶ事であろう。今回のウクライナ侵攻は明らかに「ロシアによる軍事力を使った現状変更」であり、国際法に違反しまた国連憲章にも違反している。ウクライナは、国際法的に正しい行為を行っている。法とは、一つの基準である。その基準を守った側を問題視するということ自体が何かおかしな話ではないか。要するに陰謀にかかりやすい人というのは、単純に「基礎知識が足りない人」であり、そのことを解消することが、陰謀にかかりにくい体質を作ることにつながるのである。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

0コメント

  • 1000 / 1000