「宇田川源流」 2023年日本の10大ニュース

「宇田川源流」 2023年日本の10大ニュース


 今年も年末になった。毎年恒例の「今年の10大ニュース」を、今日は日本の10大ニュースを、そして明日は世界のニュースを見てみたいと思う。

普段は何か前置きを書くのであるが、いつものように読売新聞社の発表した10大ニュースをお借りして、今年何があったかを見てみたいと思っている。

まずは前置きで様々なことを書かずに、さっそくニュースに見てみよう。

日本の10大ニュース

【1位】WBC14年ぶり優勝…最強侍 列島沸く

 野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)で、栗山英樹監督率いる日本代表「侍ジャパン」が3月21日の決勝で前回覇者の米国を3―2で破り、2009年以来14年ぶり3度目の優勝を果たした。

 日本は、大谷翔平選手、ダルビッシュ有選手、ラーズ・ヌートバー選手ら大リーガーと村上宗隆選手(ヤクルト)、岡本和真選手(巨人)らプロ野球トップ選手の混成チームで臨み、「歴代最強」との声も上がった。

 1次ラウンドを4戦全勝し、グループ首位で突破すると、準々決勝でイタリアに快勝。準決勝のメキシコ戦は逆転サヨナラ勝ちし、決勝へ進出した。

 決勝では、米国に1点を先取されたものの村上選手の本塁打などで勝ち越し、岡本選手も本塁打で追加点を挙げた。1点差に追い上げられた九回は、3番指名打者で出場していた大谷選手が登板。最後はエンゼルスで同僚のマイク・トラウト選手との対決を空振り三振で締めくくった。

 大会の観客動員数は、日本や中南米の盛り上がりが全体に波及し、130万人を超えて過去最高を更新。大谷選手は大会の最優秀選手(MVP)に選ばれた。

【2位】大谷メジャー本塁打王 

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が10月1日、44本塁打で日本人初の本塁打王となった。右肘を痛めた影響などで9月3日を最後に欠場したが、2位に5本差でトップを守った。投手としても10勝を挙げ、史上初の2年連続「2桁勝利、2桁本塁打」を達成した。

 11月16日には、史上初となる2度目の「満票」でアメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選出。2021年に続き、投票権を持つ全米野球記者協会の記者30人全員が1位票を投じた。

 今季終了後にフリーエージェントとなり、去就が注目されたが、12月9日にロサンゼルスを本拠地とする強豪ドジャースへの移籍を発表。総額7億ドル(約1015億円)の10年契約は、スポーツ史上最高額とされる。大谷選手は入団記者会見で「優勝を目指し、欠かせなかったと言われる存在になりたい」と決意を述べた。来季は打者に専念する。

【3位】ジャニーズ性加害問題

 ジャニー喜多川氏による性加害問題で、ジャニーズ事務所が9月7日、記者会見を開き、性加害の事実を認めて謝罪した。男性や子ども・若者への性暴力が注目され、芸能界のハラスメントやメディアの対応にも厳しい目が向けられるなど、大きな社会問題となった。

 藤島ジュリー景子社長は引責辞任し、新社長に東山紀之氏が就任。10月には同事務所が被害者への補償に専念し、完了後に廃業するとして、社名も「SMILE―UP.(スマイルアップ)」に変更した。所属タレントは来年4月に全面稼働する新会社で受け入れる。

 この問題を巡っては、英BBCが3月、喜多川氏の性加害を告発する番組を放送。翌月、事務所に所属していた歌手のカウアン・オカモトさんが記者会見で被害を公表し、一連の事態が取り上げられるきっかけとなった。また、大手企業が所属タレントのCM起用を見送る動きも広がった。

【4位】藤井竜王史上初八冠

 将棋の王座戦五番勝負の第4局が10月11日、京都市で行われ、挑戦者の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖)が永瀬拓矢王座に勝ってシリーズ3勝1敗で王座を奪取し、21歳2か月で史上初の八冠独占を成し遂げた。

 一夜明けた記者会見では「(八冠になっても)盤を挟めば立場の違いは全くない。これまでと同じ気持ちで臨む」と穏やかに語った。

 11月11日には、最高棋戦の竜王戦七番勝負を制して八冠初防衛を果たした。出場したタイトル戦で19連覇しており、大山康晴十五世名人の持つタイトル連続獲得の最多記録(19期)に並んだ。来年の記録更新に期待がかかる。

【5位】阪神38年ぶり日本一

 プロ野球の「SMBC日本シリーズ2023」で、阪神タイガースが11月5日に行われたオリックス・バファローズとの第7戦に勝利し、38年ぶり2度目の日本一に輝いた。

 18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした阪神とパ・リーグ3連覇を飾ったオリックスの対戦は、1964年以来、59年ぶりに関西に本拠地を置く球団同士の顔合わせとなったことから、「関西決戦」としても注目を集めた。

 岡田彰布監督はシーズン中に選手が意識しすぎないようにするため、リーグ優勝のことを「アレ」と表現し、流行語となった。

【6位】闇バイト「ルフィ」逮捕

 各地で相次いだ指示役「ルフィ」らによる強盗事件を巡り、警視庁は2月7~9日、フィリピンから強制送還された渡辺優樹、今村 磨人きよと の両容疑者ら男4人を逮捕した。4人はフィリピンを拠点とした特殊詐欺グループの幹部で、SNSの「闇バイト」で実行役を集め、強盗を指示していたとみられる。警視庁は、昨年5月以降発生した5都府県の8事件を一連の強盗事件として捜査。12月までにすべての事件で指示役を立件した。

【7位】新型コロナ「5類」移行

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5月8日、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられた。3年余り続いたコロナ対策は、平時の体制に切り替わった。「マスク着用」「3密回避」など、これまでの暮らしを一変させたコロナ禍は、区切りを迎えた。感染者の全数把握も終了。読売新聞の集計では、5類移行までに国内で累計約3383万人が感染し、約7万人が死亡した。

【8位】ビッグモーター不正請求

 中古車販売大手ビッグモーターで、従業員が車体を傷つけて修理範囲を広げるなどして、自動車保険の保険金を不正請求していたことが発覚。創業者の兼重宏行社長は7月25日、引責辞任を表明した。その後、損害保険ジャパンの白川儀一社長も不正の可能性を認識しながら、ビッグモーターとの取引を再開したとして辞任を表明。金融庁は11月、ビッグモーターに対し、損害保険代理店の登録を取り消す行政処分を出した。

【9位】夏の平均気温過去最高

 気象庁は9月1日、今年の夏(6~8月)の日本の平均気温が、1898年の統計開始以降で最も高かったと発表した。最高気温が35度以上の「猛暑日」の日数は全国38地点で最多となった。熱中症によるとみられる死者も相次いだ。猛暑は農作物にも影響を与え、不作により野菜などの価格が高騰した。夏を過ぎても暑さは続き、今秋(9~11月)の平均気温も統計開始以降、最高を記録した。

【10位】処理水放出開始 

 福島第一原子力発電所の廃炉に向け、東京電力は8月24日、同原発の処理水の海洋放出を開始した。放出期間は30年程度に及ぶ見通しだ。反発する中国は科学的根拠を無視して日本産水産物の輸入を停止。中国向けに魚介類を輸出していた水産業者らが打撃を受けた。海洋放出を巡っては、中国発とみられる偽情報がインターネットで広まり、日本への迷惑電話も多発した。

【番外】安倍派裏金疑惑4閣僚交代

 自民党最大派閥の安倍派による政治資金パーティー収入の裏金化疑惑が判明し、岸田首相が12月14日に松野博一官房長官ら同派の4閣僚と5人の副大臣を交代させる事態となった。同派に所属する萩生田光一政調会長ら党幹部も辞任した。

 東京地検特捜部は19日、政治資金規正法違反容疑で安倍派と二階派への強制捜査に踏み切った。安倍派では、2018~22年の5年間で約5億円を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあり、裏金化に関与した議員は数十人にのぼる可能性がある。二階派も1億円を超える収入を記載しなかった疑いがもたれている。他の派閥でも収入の過少記載などの疑いが浮上している。

 疑惑を受け、派閥の改革や政治資金規正法の改正など、抜本的対策の必要性が指摘されているが、党内には慎重論も根強い。

https://www.yomiuri.co.jp/feature/top10news/20231222-OYT8T50060/

 

さてさて、今年以下に何もなかったのかといえば、単純に野球などの「スポーツや競技」の内容が多かったということでわかるのではないか。1位 WBC、日本が14年ぶり優勝 2位 大谷翔平、米大リーグで本塁打王 4位 将棋の藤井聡太竜王が史上初の八冠 5位 阪神38年ぶり日本一 と、ベスト5農地、4つが野球と将棋のことである。確かにWBCはかなり話題になった氏、大谷翔平の話もMVPも含めてかなりの話題になったが、それにしても災害や事件、ましてや政治や経済の動きよりもこちらの方が多く、国民の印象に残っているというのは、どのようなことなのであろうか。

実際に、5月までは、コロナウイルス禍であまり動けなかったし動かないことが肯定される状態であった。そのことから、実質半年しかなかったというような感覚も無きにしも非ずであるが、しかし、逆に政治や経済に「印象に残る」事は何もなかったというようなことに等しいというのは、かなり寂しいことである。もちろん事件がある方がよいというものではないが、4月には全国の統一地方選挙もあったし、また「増税クソ眼鏡」などの流行語も生んでいるにもかかわず、政治に関しての内容が全く入っていないのはどのようなことであろうか。ちなみに10位までも入っておらず、番外で自民党清和会パーティー券問題が入っている。サミットにゼレンスキー大統領が来た話などは全く印象に残っていないし、また政府はそのようなことを全くうまく広報できていないということに等しいのではないか。ちなみにサミットは11位、岸田首相の爆弾投げ込みが16位、マイナカードトラブルが20位と、政治は全く話題になっていない。

その代わりに話題にあったのは、3位 ジャニーズ事務所、性加害認め謝罪 が多くの人が注目したことではないか。これは「ジェンダー」とか「性加害」が、社会的に大きな関心を呼んだということに他ならないし、また、その内容をいかに考えるのかということになる。この問題はマスコミや、芸能界の在り方ということに非常に大きな影響力を持ったということになるのではないか。まさに、今後の「日本文化」ということをどのように考えてゆくのかということが重要になってくるということになる。単に「他山の石」ではなく、日本全体が大きな内容になってくる。

6位の「ルフィ」事件、8位のビックモーター事件に関しては、社会面の問題になるが、しかしそれ以上に「経済事案の犯罪」が大きい。猟奇的殺人などではないのでそれはそれでよいのかもしれないが、しかし、経済事件がベスト10に2つも入っているというのは、これまた経済に関する社会的な内容が大きな関心を持っているのと同時に、そのような事件が多くなってきている日本の景気問題ということにもつながるのではないか。

このように考えていると、今年は「何もなかった」というような印象になるが、しかし逆にライン円以降の日本の方向性を暗示する事件が大きかったのではないか。そのような中で大谷翔平選手や藤井聡太さんなど、若い世代が頑張ってくれているというのは、日本にもまだ希望があるということなのかもしれない。

1~30位ニュース一覧

1位 WBC、日本が14年ぶり優勝 19,499(77.1%)

2位 大谷翔平、米大リーグで本塁打王 17,741(70.1%)

3位 ジャニーズ事務所、性加害認め謝罪 17,150(67.8%)

4位 将棋の藤井聡太竜王が史上初の八冠 16,868(66.7%)

5位 阪神38年ぶり日本一 15,807(62.5%)

6位 闇バイト強盗、指示役「ルフィ」ら逮捕 13,693(54.1%)

7位 新型コロナが「5類」へ移行 13,481(53.3%)

8位 ビッグモーターが保険金不正請求 11,213(44.3%)

9位 記録的猛暑、夏の平均気温過去最高 10,831(42.8%)

10位 福島第一原発の処理水放出開始 9,652(38.1%)

11位 広島でG7サミット開催 9,057(35.8%)

12位 各地でクマ被害、死傷者過去最多 6,588(26.0%)

13位 日大アメフト部員、違法薬物で逮捕 6,318(25.0%)

14位 歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者を逮捕 5,867(23.2%)

15位 ガソリン価格過去最高、物価高続く 5,035(19.9%)

16位 岸田首相演説会場に爆発物投げ込み 4,740(18.7%)

17位 夏の甲子園で慶応107年ぶり優勝 4,711(18.6%)

18位 生成AI急速に普及。著作権侵害など弊害に懸念も 4,431(17.5%)

19位 旧統一教会の解散命令請求 3,983(15.7%)

20位 マイナカードでトラブル相次ぐ 3,965(15.7%)

宇田川源流

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