「宇田川源流」 国連の場で停戦を検討しないと明言するロシアの「強気」に対応できない「平和教育」

「宇田川源流」 国連の場で停戦を検討しないと明言するロシアの「強気」に対応できない「平和教育」


 本日は9月の最後の木曜日なので、オンラインサロン「陰謀渦巻く世界情勢の中であなたが生き残る方法」(https://lounge.dmm.com/detail/2838/)の、9月の最終回になる。今月は「日本の平和教育」について毎週月曜日と木曜日であるから、今月は全8回で日本の「平和教育」を考えたのであるが、しかし、そもそも何が平和であるのかということの定義もできていない今の平和教育が、果たして平和を作るのかということから疑問になるものである。詳しくはオンラインサロンで読んでいただきたいのであるが、しかし、「平和教育」などということを簡単に言ってよい譲許ではないことは明らかではないか。

単純に「争わないこと」ということを教えるのはいくつかの問題点がある。一つには「争いになった場合の対処方法を教えない」ということになってしまう。人間は経験するから、その内容に関して対処をできるのであるから、日本の平和教育では「争いになった時にどのように対処をするか」ということへの「経験」がまったくなくなってしまう。二つ目には「理不尽にがまかり通る」ということになる。まさに、「争う事」でお互いがよくわかる場合がある。「好敵手」などという言葉はまさにそのようなものではないか。しかし、そのこともわからせないで「表面上の平和」だけを教えて何が良いのであろうか。

結局、日本の平和教育というのは、最も悪い言い方をすれば「数年で担任を外れる教員にとって、『ことなかれ主義』として自分の評価がつく」という意味で「平和」なのであって、当事者、つまり学校の生徒にとって、子供たちにとって平和ではない。そのことが「いじめに対する対処が何もできない」という現在の教育委員会を生み出しているのであり、同時に、「いじめを学校や教育委員会が隠ぺいする」というような状況になってしまうのではないか。

なぜこのようなことを書くかといえば、実は、ロシアのウクライナ侵攻に関して、日本の教育界からは全く声が上がらないということである。ロシアのウクライナ侵攻は「あれはいけないこと」というのはよいが、では「どちらが正しい」「間違っている」などという判断を教えたのか、そして「間違っているほうにどのような行動をとるべきか」ということは、しっかりと学校で教育しなくてよいのか。

歴史という結果だけで物事を評価してよいものではなく、「今起きている事件にどのように対処するのか」ということが最も大事であるのに、そのことが教えられない日本の教育は、これでよいのか。文部科学省は何をしているのであろうか。

ロシア外相、停戦は検討せず 欧米を「うその帝国」と批判

 【ニューヨーク共同】ウクライナ侵攻を続けるロシアのラブロフ外相は23日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、ウクライナとの「いかなる停戦案も検討しない」と明言した。ウクライナに武器を提供する欧米は「ロシアと真っ向から戦争をしている」と主張。会見に先立つ国連総会一般討論での演説で西側諸国を「うその帝国」と呼び、欧米批判を展開した。

 ラブロフ氏は記者会見で、ウクライナのゼレンスキー大統領が提唱する和平案「平和の公式」を「誰もが理解しているように、絶対に実現不可能だ」と一蹴した。

 ロシアが離脱したウクライナ産穀物の輸出合意への復帰は「現実的でない」と否定。ロシア産穀物の輸出正常化の約束が果たされず、合意は「ごまかしだった」と訴えた。

 ラブロフ氏は、10月に北朝鮮を訪問する考えを示した。金正恩朝鮮労働党総書記が今月13日のプーチン大統領との会談でプーチン氏の訪朝を要請しており、実現へ調整を進める。北朝鮮側とロシアへの武器提供について話し合う可能性もある。

2023年9月24日 8時42分 共同通信

https://news.livedoor.com/article/detail/25043209/

 さて、突然いじめの話をしたが、まさにロシアがウクライナに侵攻したというのは、漫画ドラえもんでいえば、ジャイアンがのび太をいじめているのとあまり変わらない。その内容は、そのままドラえもんという「NATO」などが、四次元ポケットから様々な武器や兵器を出してのび太に渡しているが、結局誰もジャイアンを止めないという状況に近い。その内容を見て、「ジャイアンは悪くない」というようなことを言い始めたり、中には「ジャイアンとのび太の後ろには、ディープステートという影の政府があるのだ」といってみたりいろいろである。ちなみに、「ディープステート論とドラえもんの例え」にちょっとだけ言及すると(どうでもよい話だが)、漫画ドラえもんに本当に例えてしまうと、未来から来た「せわし君」や、もっと大きなディープステートである「藤子不二雄」がいるというようなことを肯定してしまうような話になってしまうので、これはちょっと面倒な話になる。

さて、そのような話は別にして、要するに、現在のロシアのウクライナ情勢において、日本は全く有効な手段をとれていない。言葉の上では「ウクライナ頑張れ」などといっているし、義援金や医療器具など様々な物資をウクライナに送っていることを全く評価していないという話ではないし、そのような善意はとても良いことであると思う。しかし、それらはウクライナ国民を助けることにはなるが「争い(戦争)を終わらせること」にはつながらない。とはいえ、「戦わない・争わない」ことしか教えない日本では、武器の禁輸などを言っているので、優秀な「防衛兵器」がありながら、ウクライナ国民を守るための防空システムなどを送ることはできないということになっているのである。このようなことで「本当に平和や戦争を終わらせることを考えているのか」と非難されてしまう状態であろう。まあ、そのような非難をするのも面倒で「あきれて何も言わない」というのが、世界の現状だ。

それと同じことが国連に対しても言われている。国連は「和平交渉」を早くから取り持とうとして動いていた。しかし、一年半たった国連総会でラブロフ外務大臣は「停戦は実現不能」ということを言い始めたのである。つまり、昨年の2月24日から行った停戦交渉は、すべて無駄であったということになり、そのうえ「嘘の帝国」と揶揄されているのである。

結局、「武力のない話し合い」は、国連の場において「戦争を助長する」だけではなく、ロシアとウクライナという関係だけでなく、中国や北朝鮮を交えた「大きな対立」へと発展させてしまっているのである。このような状況を考えて、結局何もできないのが国連ではないか。

このような時に、何ができるのか。日本は「本当の平和」を作り出すために、どのように世界に貢献するのか、それとも地球が滅びるというときに、日本だけは戦わないなどといって、世界の人々の命が理不尽に奪われてゆくことを見て見ぬふりをするのか。今まで「平和教育」を言っていた人々こそ、それを強く主導してもらいたいものである。

宇田川源流

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