「宇田川源流」 関東大震災100年と各種取り組み

「宇田川源流」 関東大震災100年と各種取り組み

 先日の9月1日で関東大震災から数えてちょうど100年目となった。

この「関東大震災100年」ということは、普段の日本人の防災意識の高まりから考えても、かなり関心を呼んだことであると思う。実際に、各マスコミだけではなく、様々な場所で「関東大震災100年」のイベントや展示が行われている。なっひよりも9月1日には東京のキー局でいえばTBSとテレビ朝日系列で特集番組が組まれ、それ以外のニュースでも、すべての番組で出てきている。実際に日本テレビなどは112歳のおばあさん(といっては失礼なのかもしれないのですが)が出てきて、当時2歳の弟を抱えて坂を駆け上がった話をしていた。「最近になると当時の話をする友達もみんないなくなってしまって」と言っていたが、ご長寿なのは本当にめでたく素晴らしいことではあるが、当時のことを語れる友人がすっくないというのは仕方がないことではないかというような気がする。

このような話を聞くと、なんとなく「人間の運命」ということを考えてしまうのであるが、その時に震災で亡くなってしまった人もいるし、この年代であれば、その後の戦争などで犠牲になられた方もいるであろう。その後も様々なことがありまた病気になる方もいる。東日本大震災などもあった。その中で112歳で生きて、当時の話をしてくれるのは、何かそのような役目を持っている人なのではないかという気がしないでもない。そのような運命論を感じてしまうのは、私がオカルトが好きであるからだろうか。

さて、そのような日本国民の関心がある関東大震災について、マスコミ各社や、それだけではなく当時の震災被害のあった各地方自治体、その地域の地方ローカルマスコミなどもあるし、新聞社なども特集をしている。それだけではなく、地震ということで各学術機関も特集しているということになる。

Googleで簡単に検索してみて、それでヒットした中にはこのようなものがあった。

 学術フォーラム「関東大震災100年と防災減災科学」 日本学術会議

「関東大震災100年」関連イベント等のご案内 東京大学

関東大震災100年 ? 正しい知識と現代の備え 工学院大学

【2023年度みなと区民大学】「関東大震災100年」 明治学院大学

関東大震災100年―文豪たちの震災体験記を歴史の証言として ... 早稲田大学

[生涯学習センター]鎌倉市大学公開講座「関東大震災100年」 鎌倉女子大学

関東大震災から100年 千葉市内の大学で災害企画展 千葉経済大学

 さて、これは現代の人の防災意識の問題であるが、では、その復興や教訓はどのように生かされているのであろうか。

関東大震災からきょうで100年 防災や復興の教訓学ぶきっかけに

 10万人以上が犠牲となった関東大震災から1日で100年です。専門家は、地震で想定されるあらゆる災害や被害が起きたのが関東大震災だとして、改めて防災や復興の教訓を学ぶきっかけにしてほしいと呼びかけています。

 1923年9月1日、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が発生し、死者・行方不明者は10万5000人余りにのぼりました。

 長年、歴史の資料をもとに過去に起きた地震を研究してきた立命館大学の北原糸子客員研究員は、首都がかつてないほど大規模に被災した国レベルの災害であり、津波や土砂災害、大規模な火災など地震で想定されるあらゆる災害や被害が起きたのが関東大震災だと指摘しています。

 そのうえで、最近になって分かった事実もあることを踏まえると、関東大震災は終わっていないと考えるべきだとして、100年を機に改めて防災や復興の教訓を学ぶきっかけにしてほしいと呼びかけています。

 北原客員研究員は「地域や被災した人の年齢層など、見方によって震災から読み取れる教訓はさまざまだ。関東大震災に関心を持ってもらえれば100年たったことの意味はかなり大きくなってくる」と話していました。

   激しい揺れ 津波 土砂災害 東京・横浜などで甚大被害に

 今から100年前の1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災は、近代化した首都圏を襲った大地震により激しい揺れや、津波、土砂災害、それに大規模な火災などが発生し未曽有の被害となりました。

 午前11時58分に関東南岸の「相模トラフ」を震源とするマグニチュード7.9の地震が起き、当時の震度階級では、東京、神奈川県、千葉県、埼玉県、山梨県で震度6の激しい揺れを観測し、北海道から四国にかけての広い範囲で震度5から1の揺れを観測しました。

 内閣府の報告書などによりますと、神奈川県のほか東京や千葉県など関東南部を中心にあわせて10万を超える住宅が全壊しました。

 また、神奈川県鎌倉市では鶴岡八幡宮の拝殿など歴史ある神社や仏閣が倒壊したほか、重さ121トンもある鎌倉大仏が30センチ以上ずれ動きました。

 相模湾を中心に津波も発生し、静岡県熱海市で12メートル、千葉県館山市で9メートルを観測しました。

震源に近い神奈川県の山間部を中心に土砂災害も相次ぎました。

 なかでも現在の神奈川県小田原市根府川では大規模な土砂災害が発生して駅に止まっていた列車がホームごと海に流され、200人が死亡しました。

 東京の埋め立て地や神奈川県の川沿いの低地では地盤の液状化が起き、地割れや建物の沈下なども発生して地下水が吹き出す現象も起きました。

   犠牲者の多くを占めたのは火災

関東大震災の死者・行方不明者は10万5000人余りにのぼり、このうち9割が火災による被害です。

 地震の発生時刻が昼食の時間帯に重なり、かまどやしちりんなどを使っていたこともあって同時多発的に火が出て次々と延焼し、焼失面積が38平方キロメートルと大規模な火災となりました。

 地震の揺れで断水したことや強風が吹いていたことも被害を拡大させた要因と考えられています。

 特に被害が大きかったのが現在の東京・墨田区にあった「被服廠跡」と呼ばれる工場跡地です。周囲から火の手が迫り、炎や煙が竜巻のようになる「火災旋風」も発生して、避難していた人の大半のおよそ3万8000人が死亡しました。

 また、内閣府の報告書では朝鮮人が武装したり放火したりするなどといった根拠の無いうわさを背景に、各地で殺人事件が多発したとされています。

 関東大震災では住む家を失い、避難を余儀なくされた人も膨大な数にのぼりました。

 推計で100万人を超えるとされ、現在の千代田区や港区、台東区などにあたる「東京市」の人口のおよそ40%にあたり、上野公園には50万人以上が避難しました。

 その後、「帝都復興計画」をもとに東京や横浜市では土地区画の整理や河川の改修、「昭和通り」など舗装された幹線道路の新設も進みました。また、震災を教訓に「隅田公園」など数多くの公園が整備され、災害時の避難や防火の役割を担いました。

 こうした復興事業を通じて新しい町並みが誕生し、東京の銀座や京橋は「晴海通り」の拡幅で次第ににぎわいを取り戻しました。

2023年9月1日 1時39分  NHK

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230901/k10014180311000.html

 新聞の記事などはたくさんあったが、一応NHKの記事を拝借した。

さて、まずは地震に関して言えば、「揺れているとき」と「揺れが収まった後」の二つの危機があり、それを「備える」のと、「その時にどう行動するか」ということの二つが大きな問題になる。この二つの対応をしっかりと分けて語れる人は少ない。実際に「揺れているときに何をするか」「揺れが収まった場合に、何をすべきか」「津波や土砂崩れなどを予想する場所にいる場合」や「倒壊が予想される建物にいる場合」など様々な場合分けを考えて、その行動をしっかりと行わなければならないということになる。その辺を体系的に考えるということは十分にあるのではないかという気がするが、さすがにこの内容をしっかりと学ばなければならないのであるが、日本人というのは「お金をかけて、何かを買えばそれで安心してしまう」というような状況になってしまっている人が少なくない。そのように考えれば、しっかりと揺れているときにどのような対応をとるか、どこに逃げるのかなども考えておく必要があるのではないか。

次に火災や津波といった「関連災害」である。火災は、起こさないようにしても現代の場合はできてしまう。まずは火の元を確認する必要があるが、実際には、ガスなどは震度5以上になると自動的に止まる構造になっている。しかし、電機はなかなか大きな問題で、漏電による火災が非常に多い。特に、医療機器などがある場合は、電気を切ることができないので、その場合はどのようにするかということが重要なのである。一方海の近くであれば、なるべく高いところに行くということがっ必要だ。何よりも、高いところに逃げるということがなければ話にならない。そのようにして関連被害から身を守る必要がある。何かを備えておいても、その備えてあるものを使う前に死んでしまっては意味がないのである。

その後、救助、復旧、復興というようになる。その中で生きて耐えなければならないし、またその内容を手伝って雪待をもとに戻さなければならない。その時に何からどのように直してゆくのか。何の復興を重視するのか。少なくとも現在もしっかりと復興していない東日本大震災などは全くうまくできていない「悪い例」ということが言えるのかもしれない。

そして今度相模湾地震や南海トラフ地震が起きえるといわれている。それにどのように備えてゆくのか。我々は考えなければならないことが少なくない。よく「安心・安全」というが、備えて安心してしまう事が、安全を失うことであるということを、しっかりと考えるべきではないか。

宇田川源流

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