「宇田川源流」【現代陰謀説】 北欧の国々をNATOに入れないためにイスラム教徒の対立を演出するロシア

「宇田川源流」【現代陰謀説】 北欧の国々をNATOに入れないためにイスラム教徒の対立を演出するロシア


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。ここでは、現在、日本において一般で入手することがd家いるまたは読むことのできるニュースや報道の内容などから、その内容を分析しまたは、それに関連するニュースを読むことによって、その内容をいかに考えてゆくのかということをしっかりと見てゆき、その裏に隠れている様々な国の陰謀や思惑を解明してゆくという内容をしている。もちろん、これらを専門に行っている部署や機関では、そのような報道だけではなく、その報道の裏側や、あるいは実際に現場にいる人々から話を聞くことなどによって情報を得るようにしている。

 ちなみに、人の話を聞いて、その話の内容を中心に情報を構成する内容を「ヒューミント」、電子機器などを使い、盗聴、傍受、暗号解読などから物事の情報を得る内容を「シギント」、そして、記者発表やプレスリリースなど、公に発表されている文章や新聞、既知の事実などから情報を分析しその内容を知ることを「オシント」という。その意味では、ここではヒューミントやシギントは基本的には行わず「オシント」を中心に、情報や陰謀の解析、思惑の内容を見るということを行っているのである。何故オシントを行うかと言えば、基本的には、このブログの読者の皆さんでも簡単に行うことができるということが最も大きな理由である。

 ヒューミントの場合は、基本的にはその情報源をしっかりと持つことが重要である。一次情報というような話もできるが、なかなか一次情報は少ないので、二次情報などから、脚色した部分や自己保身の部分をすべて取り除いたファクトを取り出すという作業が必要であり、また、嘘の情報に対するアクセスが重要になる。日本人は潔癖症的に情報を選り好みするので、「嘘」に対するアクセスが非常に下手、というよりは「真実であっても嘘と決めつけてその情報を検討することもなく見えなくしてしまう」という特徴がある。そのために、せっかく良い情報が入っていても、「常識的にあり得ない」などとして、その情報を捨ててしまい、真実から遠ざかってしまうということがある。それだけ先入観や、小さい常識に囚われ、視野が狭くなってしまっているということになるのだ。

 また、シギントの場合は、それなりに機材や技術が必要でコストがかかるということになる。そのようなことをすると、「情報の世界は一般の人々から遠い」というような感じになってしまうので、多くの人がマスコミに騙される土壌を作ってしまうことになるのである。

 そのような意味で「今ある情報から、物事の深層を突き止める技術を養う」ということでオシントの練習をしている。

イスラム諸国、聖典焼却に猛反発=欧州への移民増加も背景―「ロシアが扇動」の見方も

 【カイロ時事】北欧のスウェーデンやデンマークで、イスラム教の聖典コーランが抗議活動の一環で燃やされる騒動が相次いでいる。

 中東などのイスラム諸国は強く反発し、外交問題に発展。欧州とイスラム諸国の分断を狙うロシアが扇動していると見立てる外交専門家もいる。

 ロイター通信によると、デンマークの首都コペンハーゲンでは24、25両日、反イスラム団体の活動家がエジプトやトルコ、イラクの大使館前でコーランを燃やした。スウェーデンの首都ストックホルムでも6月、イラク出身の難民男性がモスク(イスラム礼拝所)そばでコーランを焼却。男性は7月20日にもコーランを踏みつけるなどした。

 コーラン焼却は、中東からの移民や難民の増加に伴う欧州諸国での反イスラム感情増大が背景にあるとみられ、「反移民」を掲げる極右団体が関与するケースも多い。エジプト外交評議会理事のサラー・ハリマ氏(74)は、「イスラム嫌悪」などによるコーラン焼却は「何度も起きており、目新しい出来事ではない」と話す。

 聖典冒涜(ぼうとく)にイスラム諸国は激怒。イラクの首都バグダッドでは20日、暴徒がスウェーデン大使館を襲撃し火を放った。イラク政府は、スウェーデン大使の国外退去を発表し「コーランが再び燃やされれば、断交する必要がある」と警告。トルコ外務省は「卑劣な攻撃だ」と非難した。エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などからも抗議の声が上がった。

 スウェーデン、デンマーク両政府はコーラン焼却に遺憾の意を表明。ただ、「表現の自由」を尊重する立場から、こうした行為を制止するのは難しい事情がある。

 外交的緊張は、欧州の安全保障にも影響を及ぼしている。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すスウェーデンでは1月にもコーランが燃やされ、これに反発したトルコで承認手続きが一時停滞。コーランへの冒涜が続けば、再度手続きが遅れる可能性もある。

 そうした状況についてハリマ氏は、ウクライナ侵攻を続けるロシアが糸を引いている可能性もあると指摘する。スウェーデンのNATO加盟を阻害するとともに、欧州への反感を利用してイスラム諸国への接近を試みているとの見方を紹介。「ロシアらしいやり方だ。あり得ない話ではない」と語った。 

2023年7月27日 14時20分 時事通信社

https://news.livedoor.com/article/detail/24694350/

 さて、このような陰謀を解析するには、当然に、先人たちの知恵を拝借するというようなことも必要になってくる。先人たちと言っても、陰謀をそのまま語ってくれるような人は少ない。そう考えれば、当然に、「物語」などから見えてくる陰謀や策略を学び、そのようなことを見てゆかなければならないのである。今回は、そのような例がちょうど出てきたので、その内容をお知らせしたい。

 三国志演義の中で「二虎競食の計」というものがある。これは、呂布が各地を放浪し、その中で劉備のところに入っていた時、曹操の軍事荀彧が提案したものである。二匹の飢えた虎の間にエサを投げ与えれば、二匹はエサを奪い合って争う。一匹は倒れ、勝った一匹も満身傷だらけになれば、二匹をしとめるのも容易くなるという作戦である。この策略を採用した曹操は、さっそく天使に詔勅を乞い、劉備を徐州の大使に任じ、呂布討伐の密命を下す。しかし、この策略は義理堅い劉備が「自分を頼ってきた呂布を成敗することはできない」として、失敗に終わってしまうのである。

 さて、突然三国志演義の話をしたが、現在のロシアから見た「トルコ」と「北欧三国」つまりフィンランド・スウェーデン・デンマークは、まさにそのような「二虎競食の計」を仕掛けるのにちょうどよい相手である。もともと、トルコはトルコ国内のクルド人を最も嫌っており、そのクルド人に対して「人権」を盾に保護をしているのが、北欧三国であった。一方、その北欧三国は、ロシアのウクライナ侵攻から、独自に防衛を進めることはあまり良いとは考えず、というか、ウクライナを見ていて基本的にそのようなことは難しいと考えており、NATO加盟を考えた。しかし、NATOは、何か新しいことをしたりその同盟を増やすには、全会一致の原則があり、そしてそのNATOには、トルコが入っていた。

 一方、トルコはもともとエルドアン大統領がロシアとの関係を重視し、ロシアとウクライナの若井工作を行ったり、世界平和のために国会の中の穀物運搬船の通行を保護するなどの穀物合意を推進していた。しかし、今年の6月になって、ロシアはクリミア大橋の爆破(無人水上ドローンによる攻撃)を機に、穀物合意を破棄しまたトルコの提案などをすべて排除した。トルコはロシアにメンツをつぶされた格好になったのである。そのうえ、5月に行われたトルコの大統領選挙でエルドアン大統領が再選したこともあり、トルコは徐々にロシアとの溝を深めている。

 そのようなトルコと北欧三国に対して「二虎競食の計」を仕掛けたということになる。

 欧のスウェーデンやデンマークで、イスラム教の聖典コーランが抗議活動の一環で燃やされる騒動が相次いでいる。<上記より抜粋>

 もちろん、もともと北欧三国とイスラム教徒はあまり仲が良くない上に、クルド人の問題があって、より一層敵対関係位なっている。しかし、NATO加盟問題もあり、何も今コーランを燃やすようなデモを起こす必要はないということになるのである。

 そうした状況についてハリマ氏は、ウクライナ侵攻を続けるロシアが糸を引いている可能性もあると指摘する。スウェーデンのNATO加盟を阻害するとともに、欧州への反感を利用してイスラム諸国への接近を試みているとの見方を紹介。「ロシアらしいやり方だ。あり得ない話ではない」と語った。<上記より抜粋>

 「なぜこの時期に、なぜこのようなことをするのか」ということを考えなおかつ北欧三国の国民感情をうまく刺激すれば、そのようなことはできる。しかし、よく考えてみれば、ロシアはそのように国民感情に工作を行ったことによって、2014年のクリミア半島併合をお行ったのである。そのことから考えれば、ロシアが北欧三国に何らかの情報機関を出し数名が扇動してこのような事件を起こしたうえで、トルコと北欧三国を対立させることは十分に考えられる。そのような観点からもしっかりと調査をしなければ、陰謀によって外交が阻害されてしまうことになるのではないか。

 逆に、陰謀とはこのようにするという、ある意味でお手本のような感じなのではないか。

宇田川源流

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