「宇田川源流」 「21世紀のヒトラー」により中国国内ではすでに「戦争準備」が進んでいる

「宇田川源流」 「21世紀のヒトラー」により中国国内ではすでに「戦争準備」が進んでいる


中国の対外的な威圧外交に関しては火曜日のブログで書いた。では国内に対してはどのようになっているのであろうか。

中国は、今までは「一党独裁」として共産党の上層部の合議制によって物事が決まっていた。そのことは、常務委員会で物事が決済され、その常務委員会の派閥などが様々な意味で重要視されれいた。しかし、本年の全人代で人事が変わってから、基本的には、常務委員会も中央政治局の局員も、つまり共産党の意思決定機関のすべてが、習近平に対する「イエスマン」しかいなくなってしまったということになっている。基本的に、習近平の施政の10年間、「反腐敗」ということで、多くの有力政治家がいなくなった。この中には、習近平に反対する人々も数多くあったし、また人民解放軍に対して影響力のある人も少なくなかった。しかし、それらの人々がほとんどいなくなってしまうということは、そのことに酔って、各組織に対する習近平の影響力が増すということを意味している。

この「反腐敗」というのは非常に面白い。良く考えたものである。

私のように中国において4年間仕事をしていた人にとっては、中国の政府は市政府の端に至るまで全て全てが腐敗していた。基本的にはトイレに入るのに少額であったが賄賂(チップ)が必要という事になっていたほどである。そのような状況で「反腐敗」ということをやれば、全ての共産党の人々が全て「処罰対象」になるのである。その中で処罰される人と処罰されない人を選ぶのは、基本的には「習近平の一存」である。ということは。対立する人は全て失脚し、また、残された人は習近平に処罰されなかった「恩」と、同時にいつ処罰されるかわからない「弱み」を持つことになる。その中で、力を発揮する人が、全て「習近平に忠誠を誓う」ということになるのであるから、それは大きな内容になるのではないか。

そのような中で「戦争準備」がどのようになされるのかということが非常に大きな興味になるのである。

習氏、「最悪のシナリオ」に備えよ、国家安全保障担当トップらに通告

 香港(CNN)中国の習近平(シーチンピン)国家主席は1日までに、国家安全保障を担当する当局者のトップらに対し、「最悪のシナリオ」を想定しつつ「荒れる海」への備えを進めるよう呼び掛けた。中国共産党は複数の取り組みを強化し、認識されるあらゆる内的及び外的脅威に対抗しようとしている。

 習氏は先月30日、党の国家安全保障委員会の会合で「我々が現在直面する国家安全保障上の問題は、格段に複雑かつ困難なものとなっている」と述べた。国営新華社通信が伝えた。

 その上で習氏は、現実主義に即して最悪のシナリオを想定しなくてはならないと指摘。厳しい現状を「荒れる海」になぞらえ、「大きな試練に耐える準備を整える」必要があると付け加えた。

 中国政府は経済の低迷から一段と敵意の高まる国際環境に至るまで、数多くの課題に直面する。習氏は取るべき対策として、国家安全保障システムとその能力の最新化を加速することに言及。その際注力するのは、実戦での効果の向上だとの認識を示唆した。

 また国家安全保障のリスク監視と早期警戒のシステムの構築を推し進める必要性も強調。国家安全保障の教育とデータ管理の質の向上などにも取り組む意向を示した。

 習氏は以前から国家安全保障の概念をあらゆる領域に拡大している。それは政治や経済、防衛、文化、エコロジー、サイバースペースまで多岐にわたる。深海から極地、ビッグデータ、人工知能(AI)もそこに含まれる。

 習氏が掲げる「包括的国家安全保障」の名目で、中国は大量の法律を整備し、認識し得る脅威から自国を守ろうとしている。具体的には反テロリズム、反スパイ、サイバーセキュリティー、外国の非政府組織、国家諜報(ちょうほう)及びデータセキュリティーに関する一連の法律だ。

 最近では、既に広範囲に適用されていた反スパイ法の領域を、国家の機密及び諜報から「国家安全保障と国益に関連するあらゆる文書、資料、品目」にまで拡大した。

 長年にわたるチャイナウォッチャーで、中国関連のニュースレター「シノシズム」で記事も執筆するビル・ビショップ氏は、習氏の支配下にある中国では全てが国家安全保障に該当すると指摘。安全保障と発展とのより良い調整に特段注力しているとし、現状では経済よりも安全保障に主眼を置いているように見えると分析した。

2023年6月1日 17時4分 CNN.co.jp

https://news.livedoor.com/article/detail/24346461/

 中国共産党に関しては、「反腐敗」を10年行ったことによって、習近平国家主席による「個人独裁」担ったということになる。ある意味で「共産党の合議制」の形式を取りながらも、反対する人もなく、また、反対した場合は排除される組織になった。つまりは、故人の独裁になったということになる。

このやり方はナチスドイツのヒトラーのやり方に酷似している。左翼の人々をして最も民主的であると評されたワイマール憲法の下において、その議会で、トップの為政者に対して反対する人が全くいなくなった状況になると、基本的には会議体が機能しなくなり、そのまま個人の独裁になる。全ての議会が形骸化し、故人の独裁が始まるのである。これは、北朝鮮の現在の政治体制も同じであるしまた、ヒトラーも同じ状況になった。ヒトラーの場合は大統領と首相が別々にあり、なおかつ議会がそれを監視することになったが、コク門の圧倒的な支持によって議会が全て首相であるヒトラーを肯定する形になり、また、大統領を兼務することによって、権力が一人に集中することになる。そのうえで、議会の権限をすべて首相に委任する「全権委任法」が成立することによって、ヒトラーの独裁になるのである。

さて、そのヒトラーの独裁になると、軍事的な準備や、国内の言論の統制、または戦争の意思決定などもすべてヒトラーの指示によって行われる。それも直接的な指示ではなく、ある程度の方向性の指示があり、それを周辺が「忖度」した形で物事が進む。特に、「恩」と「弱み」がある「権力者」は、自らの権力を維持するために、進んで習近平の意思を忖度し、そのうえで、その半歩先を進んだ結果を残そうと苦慮するようになるのである。

しかし、それらの指示が、現場では「実質的な戦争命令」というようなかたちで解釈される。少なくとも、敵の目前で軍事訓練を行うなどの事があれば、その内容がいつの間にか「忖度」があり、そこで「疑惑の銃弾」が生まれる。

このようなときには、基本的には陸軍が最も先に戦争が始まる。

陸軍というのは、攻撃命令などがしっかりしているが、銃を撃つのは全て最前線の兵である。つまり、敵に銃口を向けて引き金を引くのは、だれでもできてしまう。これに対して海軍は、艦橋で命令が無ければ大砲に弾を込めることも基本的にはできないし、空軍はそもそも発着許可がなければ飛行機は飛び立てない。現在まで台湾と中国が戦争が起きていないのは、全てが空軍か海軍によって成立していることであり、上官の命令がなければ、戦争がはじまらない状況であるからであり、旧帝国日本軍の盧溝橋事件のような状況は存在しないということになるので会うr。

それでも、いつ何が起きるかわからない。そのような中でその「独裁者」である習近平は、次のようなことを言ったのである。

「最悪のシナリオ」を想定しつつ「荒れる海」への備えを進めるよう呼び掛けた。中国共産党は複数の取り組みを強化し、認識されるあらゆる内的及び外的脅威に対抗しようとしている。<上記より抜粋>

つまりは、「戦争を準備せよ」ということを言っているのだ。

この会議が「実質的な戦争準備」ということになり、今後は「アメリカ側の挑発に乗る可能性がある」ということを意味している。これは中国の人民解放軍の戦争準備がある程度目途がつき、戦争準備が最終段階に入ったということを意味していると解釈できるのである。

さて、日本は今頃になって防衛費の増額の財源問題を言っている。実際にそれで何とかなるのであろうか。

宇田川源流

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