「宇田川源流」【現代陰謀説】 ウクライナでの戦争犯罪でプーチン大統領に逮捕状が出たが・・・

「宇田川源流」【現代陰謀説】 ウクライナでの戦争犯罪でプーチン大統領に逮捕状が出たが・・・


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。

さて今回は、プーチン大統領に対して「戦争犯罪」の逮捕状が出たというようなことが話題になっているので、そのことについて考えてみたいと思っているのであるが、まずは、そもそも「ICC」とか「逮捕状」ということがわかっていないと何だかわからないということになってしまうのではないか。その為に、その内容をまずは考えてみようということになる。

そもそも国際刑事裁判所というのはいったい何なのであろうか。国際刑事裁判所(ICC)は1998年7月17日に、国際連合全権外交使節会議において採択された国際刑事裁判所ローマ規程(ローマ規程または、ICC規程)に基づき2003年3月11日、オランダのハーグに設置された国際裁判所で、国際関心事である重大な犯罪について責任ある「個人」を訴追・処罰することで、将来において同様の犯罪が繰り返されることを防止することを目的としている。

ではここにある「ローマ規定」とはいったい何なのであろうか。1998年7月17日、ローマにおける国際刑事裁判所の設立に関する国際連合全権外交使節会議(通称ローマ会議)で、賛成120か国、反対7か国の多数で採択された条約である。021年6月現在の署名国は137か国、締約国は123か国でしかない。そもそもアメリカもロシアもウクライナも中国も、実はこの条約を批准していないし、または批准をしたのちに撤退しているのである。

ロシアは、2000年にローマ規程に署名した。2016年11月14日、ICCは、ロシアによるウクライナへの軍事介入の事前捜査についての報告書を発表し、「クリミア及びセヴァストポリの領域内における状況は、実際のところ、進行中の占領も同然」であり、「報じられているような双方の国による相手国軍事基地への爆撃や、ウクライナによるロシア軍人の拘束及びロシアによるウクライナ軍人の拘束といった情報は、東ウクライナにおける武装戦闘を背景とした国際的な武力衝突の存在を示唆する、ロシア軍とウクライナ政府軍との間の直接的な軍事的戦闘を表している」とした。これに対して、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンによる大統領布告は、「ロシア連邦はもはやローマ規程の加盟国とならないとの意思を、国際連合事務総長に送付した」ことを認めた。

またアメリカは2000年12月に(大統領のビル・クリントンのもとで)ローマ規程に署名したが、クリントンは、「我々の根本的な懸念が解消されるまでは、助言と同意を求めるためにローマ規程を上院に送付することはしないし、次期大統領[ジョージ・W・ブッシュ]にも勧めない」と述べ、批准のために上院に規程を送付することをしない決断をした。

このように主要国がここに加盟していない。その内容での逮捕状であるということを考えなければならないのである。

ICC プーチン大統領に逮捕状

 【ブリュッセル時事】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ロシアがウクライナを侵攻・占領後に一方的に併合した地域での子供らの違法な連れ去りを巡り、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。ロシアはICCに協力しない立場だが、ICCとしては、ロシアの戦争犯罪を追及する姿勢を鮮明にした。

 ICCは声明で、「プーチン氏が個人的に刑事責任を負うと信じるに足る合理的な根拠がある」と説明した。タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は、逮捕状は無効であり容認できないと反発した。 【時事通信社】

2023年03月18日 01時46分時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-2233450/

逮捕状プーチン氏外遊に影響

 【ブリュッセル=酒井圭吾】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ウクライナを侵略するロシアが占領地の子供を違法に自国に連れ去った行為は戦争犯罪にあたる疑いがあるとして、プーチン露大統領ら2人に逮捕状を出した。ロシアはICC非加盟で身柄を拘束される可能性は低いが、戦争犯罪の責任をプーチン氏に問う声は一層強まるとみられる。

 ICCはロシアのさらなる戦争犯罪を防ぐため逮捕状発行を公表したという。発表によると、プーチン氏とロシアの大統領全権代表(子供の権利担当)のマリヤ・リボワベロワ氏は昨年2月24日以降、ウクライナの占領地から多数の子供を強制的にロシアに移送した疑いがある。

 相手国の市民の強制移送は、ICCのローマ規程に抵触する。ICCは「プーチン氏は戦争犯罪の責任を負う合理的な根拠がある」との声明を出した。日本を含むICC加盟の123か国・地域は今後、プーチン氏の身柄を拘束する義務が生じる。プーチン氏は加盟国を訪問すれば逮捕される可能性があり、外遊に制限が出かねない。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日夜のビデオ演説で、「歴史的な決定だ。公式に戦争犯罪の容疑者となった」と述べた。タス通信は、ロシアの大統領報道官が「言語道断で容認できない。法的に無効だ」と反発したと伝えた。

2023年03月18日 18時52分読売新聞

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-2234856/

 ローマ規定では、ICCの管轄は「集団殺害犯罪(ジェノサイド)」「人道に対する犯罪」「戦争犯罪」「侵略犯罪」とし、2010年の規程再検討会議で侵略の定義及び管轄権行使の手続きに関する改正条項が採択された。管轄権行使には別途諸条件を満たす必要があり、かかる要件が満たされる前提で、2017年1月1日以降、管轄権の行使が可能となる規定となっている。また、時間的管轄としては国際刑事裁判所規程が発効した2002年7月1日以降に行われた犯罪に限り管轄権を有するとしている。

今回は、2022年3月2日には、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う戦争犯罪、人道に対する犯罪について、検察官による捜査開始の申立てを受け、日本の赤根智子判事を含む3名の裁判官による検討に入り、2023年3月17日にウラジーミル・プーチン大統領とマリア・リボワ・ベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)に対し、ウクライナ占領地域からの子供たちの違法連行に関与した容疑で逮捕状を発行した。

さて、ここまで制度と今回の内容を見たうえで、なぜ今になってこのことが行われたのかということであろう。もちろん昨年の2月24日以降ロシアがウクライナに侵攻したということがあり、なおかつその中において様々な戦争犯罪が起こ案われていること、特に、キエフ近郊の都市やウクライナ東部において、ロシアが撤退した後に一般市民が虐待して殺されていることがも多く目撃されたということと、同時に、そののちに子供が連れ去られている現場などがあって、そのことが国際的に問題にされているということになってくるのではないか。

しかし、それだけではない。それだけならば、今の時期である「必然性」はないということになる。ではなぜ今なのか。

一つには戦況が安定してきたということの証拠である。ゼレンスキー大統領がウクライナ郊外に出ることができるようになったということであり、そのことから、刑事裁判などをお行う余裕が出てきたということになる。逆に言えば戦況が固定化してきており、これから一進一退が少なくなるということを意味している。

同時に、そのことだけではなく、ロシアの違法性が明らかになってきたということになる。基本的には、「ロシアがウクライナの国内に入り、戦争犯罪を行っている」ということでしかなく、ウクライナ側に対してロシアが様々行っても、それはウクライナ国内の問題でしかない。ある意味で国際司法機関は、そのような国教と主権ということをしっかりと守っているということになるのであり、その国家の主権に違反しているということがロシア側において明らかであるということに他ならないのである。

そして、もう一つは「ロシアに味方するという国が増えてきている」ということも意味できる。中国などがそのようになっており、刑事被告人にんなるということによって、ロシアとの同盟関係は「共犯」になるということになる。中国の習近平国家主席がロシアを訪問し、様々なことを画策しているので会うrが、ロシア側に立っての交渉になれば、当然にそれは「中国が刑事被告人側の立場である」ということになってしまい、国際的に色分けできることになる。もっと言えば「被告側と検察側」というような、国際社会の二分化ができるようになってくるということになるのである。

このようにして「一つの逮捕状」という、ほとんど実効性のないモノであっても、それが意味し、そして祖霊が意味する次の展開は大きいということになるのである。

宇田川源流

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