「宇田川源流」【宇田川教育論】 データサイエンスが流行しているからって数学重視は正しいのか?

「宇田川源流」【宇田川教育論】 データサイエンスが流行しているからって数学重視は正しいのか?


 今まで毎週水曜日は大河ドラマについて書いていたのであるが、今年の大河ドラマがあまりにも評判が悪すぎるので、何かトピックがあった時だけにして、これからは水曜日に「宇田川教育論」として、教育に関する記事を書いてゆきたいと思っている。

まあ、突然変えてしまうのであるが、この教育論もいつまで続くのかはよくわからないのであるが、まあ、とりあえずやってみよう。

ちなみに大河ドラマに関しては、麒麟がくるの時からなので2年間続いていた。教育論はどれくらい続くのであろうか。ちなみに、私のこのブログが始まってからずっと続いているのは「土曜日のエロ」だけである。これで、私の性格もよくわかってくれるのではないか。

 さて、今は受験シーズンであり、この時期になると様々な思い出が出てくる。私の場合、小学校6年の時に麻布中学を受験した。うまい具合に合格したので、高校受験はしていない。大学受験は二回失敗しているので「浪人」を二回やっている。まあ、精神的にはかなり困ったものであったが、実際には、この時が最も人生の中で成長したのではないか。

その後は「浪人する気分」さえあれば良かった。「覚悟」ではなく「気分」である。覚悟というほどではない、しかし、ある意味で自分が力の及ばない範囲でうまくゆかなくなることもあるのである。それならばうまくゆかない場合もあり、また、うまくゆく場合もある。そのようなことを「楽しむ」ということしかないのである。

さて、そのようなことから、受験に関しては、様々なことがある。

受験は、なぜか様々なことが決まる。単なる試験、それも日本の場合は記憶したことをそのまま答案用紙の上に吐き出す「記憶力試験」でしかないのに、そのことで人生を棒に振るような人も少なくないのである。そのように考えれば、受験ということは非常に大事な内容になるのではないか。

数学2科目を必須にした東京外国語大、志願者が74%に急減し1・1倍の専攻も

 国公立大2次試験の前期日程では今年、情報・データサイエンス系学部が人気を集め、志願倍率が10倍近くの狭き門となる大学もある。また、難関大が志願者を増やす一方、地方大では倍率の低下が目立ち、専門家は「入試の二極化が鮮明になってきた」と分析している。(上田詔子、古郡天)

  データサイエンス人気

 「理系で一番の大学。第1志望なので力を出し切りたい」。25日朝、東京工業大を受験する都内の私立高3年の男子生徒(18)は緊張した面持ちで試験会場に向かった。

 東工大は、東京医科歯科大との統合や推薦入試などでの「女子枠」創設で注目を集め、2次試験(前期)の志願者数は前年比で1割増の4167人となった。中でも、東工大でデータサイエンスや人工知能などを扱う情報理工学院(定員86人)の志願倍率は前の年の9倍から9・9倍へと増えた。同学院を志望する鹿児島県の男子浪人生(19)は「幅広く情報を学ぼうと志願したが、高い倍率を知ってプレッシャーです」と苦笑い。

 河合塾の調べでは、国公立大の情報・データサイエンス系学部の志願者数は前年比で116%となった。世界的なデジタル人材の需要増を受け、学部開設が相次ぐ。国公立では2023年度、一橋大と和歌山大、名古屋市立大で新たに設置される。一橋大の新学部「ソーシャル・データサイエンス学部」は前期(定員30人)の倍率が6・1倍で後期(同25人)は25・8倍に達した。

 コロナ禍による景気の落ち込みを反映し、資格取得や就職に有利とされる医療系(前年比103%)や経済・経営・商(同104%)も人気を集めた一方、文・人文(同92%)、国際関係(同85%)などは減少した。

  文系にも影響

 統計などを駆使するデータサイエンス重視の影響で、文系学部入試に数学を導入する動きも出ている。

 東京外国語大は今年の大学入学共通テストから、数学の2科目受験を必須とした。外大が数学を課すのは、言語学などでも言葉のデータを大量に集めて分析する手法が主流になっているためだ。ただ、前期の志願者数は前年比で74%に急減し、倍率が1・1倍の専攻もある。入試担当者は「国際系の人気低迷に加え、数学の科目増が影響した」という。青山亨副学長は「志願者が減っても、数学の素養を持った学生に入学してほしい」と強調する。

 私立大でも同様の傾向にある。早稲田大政治経済学部も21年度の一般入試から数学を必須化。関西大経済学部は今春、数学必須の募集枠を新設した。

 河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は「少子化の中、優秀な学生を確保するために、難関大の入試はより丁寧に能力をみる選抜に向かい、受験生には負担が増える傾向にある」と話す。

   二極化鮮明に

 今年の共通テストで数学などの平均点が上昇したため、受験生の「強気の出願」傾向も浮かんだ。

 国公立大2次試験(前期)全体の倍率が5年前の3・2倍から、今年は2・9倍に下がる中、東京都立大が4・8倍、東京大と神戸大は3・1倍と、都市部の難関大に人気が集まった。一方、駿台予備学校によると、四国(前年比78%)、東北(同95%)などで志願者は大幅に減った。コロナ禍以来続いてきた、受験生が地元の大学を選ぶ傾向は薄れているとみられる。

 駿台の石原賢一進学情報事業部長は「今年は、『難関大とそれ以外』『都市と地方』の分断と二極化が鮮明になってきた」とみる。

2023/02/25  読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230225-OYT1T50164/?from=smtnews

 東京外語大が、数学を必須にして受験生が減った。つまり、数学が苦手で東京外語大に入ろうという人が少なくなかったということにある。ITの時代で、これからAIが花盛りになるというときにデーターサイエンスが人気であるという。

データサイエンス(英: data science、略称: DS)またはデータ科学とは、データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチのことであり、その中でデータを扱う手法である情報科学、統計学、アルゴリズムなどを横断的に扱う。データサイエンスを、統計的、計算的、人間的視点から俯瞰することができよう。しかし、高校まで記憶することでしか勉強をしてこなかった、日本の大学生に、これ等の「データーサイエンス」ができるのかということ、もっと言えば、様々な統計的、計算的なことから、データを用いた分析にこれ等の内容の観点から俯瞰することなどができるのかはかなり疑問だ。

イギリスの教育などでは「エリート教育」ということが行われる。実際に、様々な文屋をある程度その検地を見ながら、全体を俯瞰的に見て、そのうえで、その俯瞰的な内容から新たな内容を導き出す。日本人のほとんどができないし、不得意としていることである。

日本の教育はそのことで、「ゆとり教育」ということを行うことを注記教育審議会で提案したが、それは大失敗に終わる。つまり「教育課程」だけを見直したものの、それを教えることのできる教職員がいないということになったのである。はっきり言って「先生がだめ」では、教育などができるはずがない。

数年前の話であるが、当時の文部科学大臣である萩生田光一氏が大学受験を論文せいにするといった瞬間に大学から、反対意見が出た。つまり、「記憶をは下す試験以外には出来ない」ということであり、論文を審査する能力が大学の教員や試験官に存在しないことを明らかにしたのである。このような教育が大学教育でよいのであろうか。

今回も同じで「データサイエンス」が流行しているからといって、その内容を行うために「公式を記憶し数字を当てはめるだけに成り下がった数学を受験科目に入れる」ということが適当なのか。それよりは「データに関する論文試験」を実施して、その内容から様々な内容を見る方が正しい内容ができるのではないか。しかし、そのような知恵はなく、「公式を記憶する数学を受験科目に入れる」ということである。同時に、そのことによって受験生が減るということになっているのである。本当に、レベルが低い。

「今年は、『難関大とそれ以外』『都市と地方』の分断と二極化が鮮明になってきた」<上記より抜粋>

その難関大というのも「記憶力が良い人」ということでしかないことに注意をはかるべきである。日本の大学は、大学の世界のランキングでどんどんと下落している。では、そのランキングの下落を止めることができるのは何か。よく考えるべきではないか。

宇田川源流

「毎日同じニュースばかり…」「正しい情報はどうやって探すのか」「情報の分析方法を知りたい」と思ったことはありませんか? 本ブログでは法科卒で元国会新聞社副編集長、作家・ジャーナリストの宇田川敬介が国内外の要人、政治家から著名人まで、ありとあらゆる人脈からの世界情勢、すなわち「確実な情報」から分析し、「情報の正しい読み方」を解説します。 正しい判断をするために、正しい情報を見極めたい方は必読です!

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