「宇田川源流」 ロシアと中国・アメリカとウクライナそれぞれの首脳会談

「宇田川源流」 ロシアと中国・アメリカとウクライナそれぞれの首脳会談


 ロシアのウクライナ侵攻が年を越そうとしている。この時のビッグニュースが、ゼレンスキー大統領のアメリカ訪問であろう。ちなみに、このアメリカ訪問でゼレンスキー大統領はアメリカから1000億ドル、約13兆円の寄付をウケたといわれる。もちろんそれくらいの価値のある話であることは間違いがない。

 さて、なぜこの時期にこのタイミングで戦争中のウクライナの大統領がアメリカに行ったのか。そのことを考えてみよう。

 一つは、アメリカがなかなか支援を本格化せず、そのことによって戦争が長期化しているという事実である。実際に、2月24日以前のプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領の会話がある。この時に「アメリカが本格的に参戦したらどうするのか」ということをルカシェンコ大統領が聞いているのであるが、それに対氏てプーチン大統領は「アメリカと本気で戦う気はない」というようなことを発言している。つまり、アメリカのウクライナ参戦は「戦争終了のゴング」になりうる可能性があるということになる。当然いこのことをバイデン大統領は知っている。というか、この情報そのものがアメリカの情報部が発しているのであるから、アメリカ国内でこのことを知らない政府上層部はないと考えるべきであろう。

 要するに、「アメリカは参戦したら戦争が終わるという情報を信じていないのか、あるいは、アメリカは戦争を長引かせたいのか」ということになる。そのことをもっとも危惧しているのがアメリカの情報部である。

 そこで、その真意をバイデン大統領に聞かせるためにゼレンスキー大統領をアメリカに呼んだという説がある。その真意はわからないが、アメリカが全面的にバックアップし、F15が護衛で飛行しながらのゼレンスキー大統領のアメリカ訪問は、なかなか興味深かった。もちろん、話している内容などは今までと全く変わらないものであるが、アメリカの人々の反応はやはり面白かったのではないか。

 

中国の習氏、ロシアに抑制促す メドベージェフ前大統領と会談

 【北京共同】新華社電によると、中国の習近平国家主席(共産党総書記)は21日、北京でロシアの政権与党「統一ロシア」党首のメドベージェフ前大統領と会談した。ウクライナ問題を巡り「関係各方面が理性と抑制を保つことを望む」と伝えた。

 習氏は、ウクライナ問題は「全面的な対話」によって政治的に解決するべきだと強調。中国は「客観的で公正な立場」を保つと述べ、和平協議を支持する姿勢も改めて表明した。

 メドベージェフ氏は通信アプリのテレグラムで、会談では中ロの「戦略的パートナーシップ」を巡って意見交換したと説明。「ウクライナにおける紛争を含む国際問題も協議した」と語った。

2022年12月21日 20時50分 共同通信

https://news.livedoor.com/article/detail/23418393/

ゼレンスキー氏が米ホワイトハウス到着、バイデン氏と会談

(CNN)ウクライナのゼレンスキー大統領は21日午後、米ホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と会談した。バイデン氏は高度な長距離防空システム「パトリオット」をウクライナに提供することを伝えた。

バイデン氏とジル夫人がホワイトハウスでゼレンスキー氏を出迎えた。ゼレンスキー氏にとって、ロシアによる侵攻以来、今回が初の外国訪問となる。

 バイデン氏は記者団に対し、ロシアの侵攻から300日が過ぎたことに言及した。「プーチンの残忍極まりない戦争に対する団結した防衛であなたの側にいることを光栄に思う」とゼレンスキー氏に述べた。

 そして「信じられないが、300日たった。プーチンはウクライナの国家として存在する権利に残忍な攻撃を行い、威嚇以外の理由なく無実のウクライナ人を攻撃した」と非難し、ロシア軍のエスカレートしているエネルギー施設や民間インフラへの攻撃を指摘した。

 バイデン氏はまた、米国がウクライナの自衛能力、特に防空能力を引き続き強化することを約束。米国が党派を超えてウクライナ人とともにあり、「欧州や日本などの同盟国と必要とされる経済面での人道支援や軍事支援を行う」とゼレンスキー氏に伝えた。

 会談に先立ってブリンケン米国務長官は同日、パトリオットの初の提供を含む、18億5000万ドル(約2450億円)の追加の軍事支援を発表した。

2022年12月22日 6時56分 CNN.co.jp

https://news.livedoor.com/article/detail/23419805/

 さて、ある意味で「ウクライナ侵攻」は世界の関心事になっている。この関心事は、二つの「勝負」によってなかなか見ごたえのある内容になっていることがわかるのではないか。一つは「戦争の勝負」である。はっきり言って、日本ではこの戦況などは全く関係ないのに、日本でのウクライナ報道というのは、ほとんどが「戦況」である。実に戦争などは全く日本とは関係ないし、憲法9条といっているマスコミがこぞって戦争そのものの武力行使を報道していることに違和感を感じない人はいないのではないか。

 本来「戦争」とは、、国力の総合力で争うものになっている。これは第一次・第二次世界大戦でそのようになったもので、本来は軍人同士の戦いであったものが、いつの間にか国家全体の争いになっていることに注目をしなけえばならない。そして、いつも戦争を語る時に入っているのであるが、最も重要なのは戦況そのものではなく「軍隊が思い切り戦える環境を作るかどうか」ということであり、補給と世論の安定である。このことは「項羽と劉邦」の戦い、要するに前漢建国の時の戦いで、韓信や黥布といった将軍よりも、劉邦が蕭何という補給と軍政を担当していた部下を最も高く評価していたことでもわかるとおりである。紀元前の時代からそのようになっているのに、日本のマスコミはその辺はよく話あらないらしい。「匹夫の勇」という言葉があるが、そのような事しか報道できないマスコミでは、正しい戦争は伝るはずがない。

 もう一つの勝負というのは、「外交力の勝負」である。現在の戦争は一対一の国で行うものではないので、双方の国に、双方の応援隊や同盟軍ができる。今回もウクライナ単独とロシア単独の戦いであれば、ウクライナはとっくに負けていたに違いない。しかし、ウクライナに対して様々な国が支援し、または武器の供与を行い、またはロシアに対して経済制裁を行うなど、戦争継続能力を失わせたことによって、徐々にロシア軍が弱くなって、今日に至っている。2022年の後半にはウクライナが逆襲するような報道も増えているのではないか。

 そのように考えた場合、この戦いにおいて「国力」「同盟力」では、ウクライナの方が大きくリードしたということに他ならない。そのことの反転攻勢を仕掛けて、ロシアは中国に出向いたが、中国は逆にロシアをいさめる結果になっている。

 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻が停滞し長期化した場合の打開策として、二つのオプションを用意しているという。一つは「核兵器の使用」そしてもう一つは「ウクライナの反対側に位置する北海道への侵攻」である。ラブロフ外務大臣は、すでにアイヌは固有民族でロシアが保護する義務があるということを表明しており、今回のドンバス地方と同じ外交要件を行っている。そのうえで現在日本海において中国とロシアの合同軍事演習が行われているが、その上での習近平国家主席のメドベージェフ前大統領に対する「ウクライナは」ほどほどにすべきというアドバイスはどのように考えるのか。日本はそれに備えはできているのであろうか。

 今回、期せずしてウクライナのアメリカ訪問と、ロシアの中国訪問が行われた。このことの意味は来年早々に出てくるのではないか。

宇田川源流

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