「宇田川源流」 ロシアがウクライナの東部4州併合とそれに伴う日本の危機

「宇田川源流」 ロシアがウクライナの東部4州併合とそれに伴う日本の危機


 ロシアがウクライナの東部4州、東部ルハンスク、ドネツク、南部ザポリッジャ、ヘルソンの併合を9月30日の午後(日本時間9月30日夜)に発表をした。このことに関しては既に様々なニュースで知っている型が多いのではないか。ちょうど日本では三遊亭円楽師匠、アントニオ猪木、武村正義(あまり大きく報道されていませんが細川護熙内閣の官房長官です)の相次いでの逝去があり、日本ではあまり大きく報道されなくなっているという状況であった。

それでも、このことは日本において大きく報道されているので、知っている人が多いのではないか。しかしその多くはロシアのプーチン大統領の内容やロシアの政治の内容を考え併せ、そのうえ、日本人的な感覚で解説をしているのに過ぎないのではないか。本当にそうなのか、ということが大きな問題になる。

ロシアは日本の「隣国」である。隣国という響きは「地続き」というイメージがあるが、しかし、海を挟んでの隣国もそのまま隣国であるということになる。その隣国が政情不安であれば、当然に日本にも影響があるが、残念ながらそのことをしっかりと解説いしているマスコミは本当に少ない。ウクライナとロシアという、かなり距離が離れていることから、全く「対岸の火事」のような話になってしまっているのではないか。

今回このブログでは、この内容に関して「日本はどのような影響を受けるのか」ということを考えて見たい。

そもそも、ロシアのウクライナ侵攻は「特別軍事作戦」と言っていて、戦争であるとは全く言っていない。そのことは「警察行動の一環」というような感じになっている。ある意味で、他国であるにもかかわらずパキスタンにウサマ・ビン・ラディンを殺したアメリカの特殊軍のような内容になっており、その内容が20万人という大規模な軍事行動になっているというような感じになっているのである。

その目的は「東部2州の独立」「クリミア半島の自治」「NATOの排除」ということでしかなかった。そして、ネオナチを排除するということから、その「親玉」であるゼレンスキー大統領の「逮捕」を言うことを主張していたのである。

「ロシアは国際法違反」とバイデン氏 追加制裁を発表、中国は静観

 ロシアのプーチン大統領が30日、ウクライナ4州の占領地域の一方的な「併合」に踏み切った。

 欧米諸国は、重大な国際法違反だと厳しく批判し、新たな制裁に動き出した。一方、「中立」を貫いてきた中国やインドは、ロシアによる併合には距離を置きつつ、国益を重視して静観の構えだ。

 「ロシアは国際法に違反し、国連憲章を踏みにじり、世界中の平和な国々を侮辱している」

 米国のバイデン大統領は30日に出した声明で、ロシアを改めて強く非難。「国際的に認められたウクライナの国境を常に尊重する」として、各国にも「違法な併合の試みの拒否」を呼びかけた上で、領土支配を取り戻すウクライナへの軍事支援継続を強調した。これにあわせ、米財務省はロシアの軍需産業の関係者14人と供給業者2社、金融インフラの主要幹部3人、高官の家族や連邦議員らを在米資産の凍結などの対象にする追加制裁を発表した。また、国防総省は28日、数年後の納入を前提とした高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」18基を含む追加の軍事支援を表明。米国として、戦闘の長期化を見据え、支援を継続していく方針を明確にしている。

 ただ、米国内では、「併合」地域にウクライナが攻撃した場合、ロシアが「ロシアの領土への攻撃」と見なし、核兵器による報復の脅しの口実とする懸念が指摘されている。

 ウクライナが米国が提供した武器を使い、ロシアの主張する「併合」地域を攻撃することを認めるか。そう問われた国務省のプライス報道官は28日、「すべての段階において、我々が提供するものは、ウクライナ自身の領土、主権、独立、領土保全の防衛のためのものであると明確にしてきた。『併合』が行われても、こうした地域がウクライナの領土に変わりはない」と語り、「併合」地域での戦闘に米国が提供した武器の使用を認めることを示唆した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は29日のビデオ演説で、「この併合が何を意味するのか、世界中の誰もがよく理解している。ロシア政府が望むような結果にはならない」と述べ、国際社会の支援継続を訴えた。

2022年10月1日 0時40分 朝日新聞デジタル

https://news.livedoor.com/article/detail/22947056/

 そのような内容から考えれば、今回の内容は「軍事作戦の終了・目的の完了」を意味するということになる。

さて、このような併合を認めた場合どのようになるのであろうか。これは、中国やロシアが「軍事作戦」という戦争だか何だかわからない行動を行い、そのうえで、その地域を占領し、そして「ヤラセの住民投票」を行うことによって領土の併合を行うということになってしまうのである。このことを日本に合わせて考えてみよう。単純に、北方領土どころか、北海道にロシアが、沖縄や九州に中国が入ってきて、「ヤラセの住民投票」を行って併合を宣言したら、日本は日本ではなくなってしまうのである。そのうえ、そのような状況において「国連」が拒否権を持っていることから、基本的には何の役にも立たない。一次日本の旧民主党を中心に「国連世界政府説」があったが、今回は国連が全く機能しない、世界政府でも何でもないということを見せられたのではないか。

つまり、日本も含め「自分の国は自分で守らなければならない」ということであり、そのことができない国は、ウクライナのようになってしまうということを意味している。ちなみに、香港やマカオもほぼ同じ内容になっており、ロシアと中国はほぼほぼ同じような行動をとっている。そのうえで、国際法を違反しても拒否権を持っているということから制裁を受けないことになる。まさに大国の横暴の恐怖に多くの国が晒されている。

さて、そのような可能性の議論ではなく、ロシアは東の内容を集結させる。もちろん、ゼレンスキー大統領は戦争の継続と領土奪還をめざし、国際社会は上記のように非難を強めているのであるが、しかし、中国は「自分も同じようなことを考えていることから、静観している状態」なのである。つまりは、同じことをする可能性があるということを意味している。

第二次世界大戦後、軍事作戦による領土の占領ということは基本的には存在しない。国連憲章においても、その内容を認めていないのであるが、しかし、「独立後・併合」ということをすれば、国連憲章の内容をうまく「脱法」しているということになるのではないかという気がする。そのような行為に対抗することを考えなければならない。

結局はウクライナが抵抗を強める以外にはなく、そのことによって日本が守られるということになるのではないか。そうでなければ、つまりこのロシアの現象を認めれば、台湾も日本も、併合されてしまう。ロシアのラブロフ外務大臣は、今になってアメリカを非難しつつ日本の戦争犯罪に言及している。日ソ不可侵条約を破ったことなどは全く話をしない。同時に、中国はすぐに台湾を伺い、中国国内において排日運動が強まっている。北朝鮮は核ミサイルの実験を強めている。

これがバイデン大統領・岸田首相の時代に起きていることだ。日本はそろそろ、これ等の世界の出来事を、日本の自分自身の事として考える癖を付けなければならないのではないか。

宇田川源流

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