「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 まさかのホラー的な伏線の作りをした三谷幸喜の「伏線の作り方」

「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 まさかのホラー的な伏線の作りをした三谷幸喜の「伏線の作り方」


 毎週水曜日は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について、自分の好き勝手な話をしている。まあ、私自身も歴史小説を書いていることから、様々な「話の作り方」に関しては、私流のやり方があり、また、その内容に関して今回のドラマを見ながら「素晴らしい」という感想を持っているので、その内容を見ているということをしている。

さて、三谷幸喜氏の脚本の作り方は、まさに「伏線」を作り、その伏線に関して面白いように、つなげてゆくという物語の作り方をしている。当然に、大河ドラマのような1年間を通しての話の場合、「場面」をリフレインしながら話を作る。まさに、その話の作り方はかなり素晴らしいものであった。「歴史」を扱う場合、当然に多くの人は「歴史」を知っている。しかし、三谷幸喜氏の作っているのは「ドラマ」であり、それは史実をなぞるものではない。史実をドキュメント的に作るのであれば、脚色も必要はないし、ドラマ仕立てにするための演出も必要ない。つまり、「歴史的な内容を題材にしたドラマ」を作っているのである。その為に、史実と異なるところが存在する。

さて、今回興味深かったのは二つある。まさに、ドラマであるということは「架空の人物」と「死ぬ人の史実とは異なる死に方」がある。まさに、その二つの特徴が、「ドラマ」である証拠となる。同時に、その「ドラマ」というのは、史実殻「現代の人にどのようなメッセージを送るか」ということになり、そのために「歴史(というか記録)に存在しない人物を使ってメッセージをわかりやすくする」ということになるのだ。

さて、今回の内容で架空の人物は善児であろう。その娘というか育てた娘トウとのコンビは、「暗殺者」として生きている。「暗殺者」というのは、感情を無くして人を殺す仕事である。そのような無感情な存在が、後の忍者などと通じるものである。その人物の動向というのは、様々な「歴史の帳尻合わせ」になる。

さて今回、なぜ「一幡」をわざわざ比企能員が死ぬときに殺さず、今回善児とトウに殺させたのかということが大きな謎になる。つまりこれは、「善児とトウ」の心理になんらかの変化が出るという伏線であるということになる。同時に、この時に「一幡が生きていた」ということが、後に比企尼が生きていたという事の伏線になるのである。つまり「比企屋敷」の中から生き残りがあったということを意味しているのである。

いやいや、なかなか凝った内容になる。

「鎌倉殿の13人」比企尼は生きていた“運命の子”善哉に呪いの言葉…ネット戦慄「完全にホラー」

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は21日、第32話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第32話は「災いの種」。奇跡的に息を吹き返した2代鎌倉殿・源頼家(金子大地)。頼家危篤の報が届いた後鳥羽上皇(尾上松也)は、ある考えを巡らす。政子(小池栄子)のもとには北条義時(小栗)らが集まり、新たな体制について話し合い。そんな中、比奈(堀田真由)は1人、思いにふける。先を見据えるりく(宮沢りえ)は夫・北条時政(坂東彌十郎)に京との関係をより深めるよう説き、愛息・政範(中川翼)も胸が躍る。そして、三浦義村(山本耕史)は…という展開。

 比企の血を引きながら比企滅亡に加担した責任を感じ、義時の正室・比奈は離縁を申し出。鎌倉を去った。

 実際に比企能員(佐藤二朗)に手を下した仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)は頼家と時政の板挟みの末に自害。実衣(宮澤エマ)が乳母を務める頼家の弟・千幡(嶺岸煌桜)が3代鎌倉殿・源実朝となった。頼家は伊豆・修善寺へ追放された。

 そして、義村に匿われている“運命の子”善哉(長尾翼)と頼家の正室・つつじ(北香那)。善哉が地面に絵を描いて遊んでいると「善哉様でございますね」の声。その主は、北条方による比企館襲撃を生き延びていた比企尼(草笛光子)だった。

 ボロボロの服に身を包んだ変わり果てた姿。「北条を許してはなりませぬぞ。あなたの父(頼家)を追いやり、あなたの兄(一幡)を殺した北条を。あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。それを阻んだのは北条時政、義時、そして政子。あの者たちを決して許してはなりませぬぞ。北条を許してはなりませぬ」。怯える善哉につつじが声を掛けると、そこにはもう比企尼の姿はなかった。つつじは善哉を抱き締めた。

 SNS上には「『義時怖い』で終わらず、もっと怖い比企尼まさかの登場。それはもう呪詛」「比企尼登場は完全にホラーだった。善哉に呪いがかかった歴史的瞬間を覗き見した気持ち」「(公式サイト相関図の)比企尼に故人のアイコンが付いてなかった理由はこれか」などの声が続出。視聴者を恐怖に陥れた。

[ 2022年8月21日 20:45 ] スポニチアネックス

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/08/21/kiji/20220821s00041000288000c.html

 さて、今回の内容は「公暁」が「実朝」を殺す所の伏線である。その歴史の内容は、「誰が公暁に殺すということをたきつけたのか」ということになる。このままでは三浦義村になってしまう。また、北条より時ではないかなどの説もある。しかし、その内容をまた区異なるようにして「比企尼」に下ということが今回の内容になる。

比企の家柄は元々は源頼朝の乳母という関係であり、同時に源頼家の育ての親ということになる。しかし、その家柄が源頼朝の死と共に源頼家の傀儡となって、そのまま鎌倉幕府を乗っ取ろうとして、北条家と争いになった。源頼朝が生きている間は、坂東武者が団結する物語であったが、源頼朝が死んだ瞬間に、派閥争いが起き、そのままその派閥争いが「バトルロイヤル」のように人殺し合戦になる。

今回は北条時政とりく(牧の方)の子供である北条政範が出てくる。ちなみに史実では、この人物は、実朝の妻を京都まで迎えに行き、その京都で死ぬことになる。そしてその死が和田義盛の乱や畠山重忠の乱につながり、そして牧の方事件で北条時政が追放されるきっかけになる。そのような人物もここに出てくることになる。

ある意味で「権力にみいられてしまった」比企家と、北条時政・りく夫婦、それに対して「何とか鎌倉や北条家を守る」という義時、そして、鎌倉の源家を守ろうとしている政子。まさにそのような色が出てきている。その中に、比企尼や源頼家のように「北条を恨む」というような勢力が出てくる。様々な内容が出てくる。

その「比企尼」は、すごい。やはり草笛光子さんという名女優のすごみは、なかなか恐ろしい。

「『義時怖い』で終わらず、もっと怖い比企尼まさかの登場。それはもう呪詛」「比企尼登場は完全にホラーだった。善哉に呪いがかかった歴史的瞬間を覗き見した気持ち」「(公式サイト相関図の)比企尼に故人のアイコンが付いてなかった理由はこれか」<上記より抜粋>

このような声が出てくるのはなかなかすごい。この善児の変化と、頼家の修善寺移送、そして公暁と実朝。この関係の伏線が、見えてくるのである。

宇田川源流

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