「宇田川源流」【鎌倉殿の13人】 暗愚ではない二代将軍頼家を描いた三谷幸喜の腕

「宇田川源流」【鎌倉殿の13人】 暗愚ではない二代将軍頼家を描いた三谷幸喜の腕

 水曜日は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について好き勝手書いている。まあ、この文章を三谷幸喜氏が読むことはないと思うが、もしも目にしたら「何を書いているんだ」という感じになるのではないか。それはおこるというよりは「人の苦労もしらないで」というような感覚を持っているような気がするのである。逆に言えば、それだけ「無」から形を作り出すことは難しいのであり、その難しさがあるから楽しいのである。

小説とこのようなドラマとの違いは、やはり「他人が演じる」ということになろうか。人が演じるということは、その人の顔や表情の印象などによって様々な意味で物事が変わってくるのであり、また、脚本を読んだ瞬間に、様々な人が様々な感想を持つ。ドラマに関してはそのような様座な人の集合知になるのであるが、小説の場合は1人が全てをやらなければならないのである。どちらの方が楽というようなものではない。どちらにもどちらの良さも悪さもあるのだが、それだけでは無く、「得意」「不得意」ということもあるのかもしれない。

さて、今回の鎌倉殿の13人は、三浦義澄、安達盛長の二人が死んだ。まあ、今回は戦などで死んだわけではない。寿命といえば寿命であるが、ある意味で「役割が終わった」ということではないか。もちろん、史実通りであり、これで13人のうち梶原景時を含め3人死んだことになる。

三谷幸喜氏の解釈は、このように「支えとなる人」がいなくなったことから、北条時政と比企能員の対立が深くなっていったという書き方になっている。ついでに言えば、その内容から、その二人の対立によって隠れてしまっているが、源頼家はそれほど暗愚な人物ではないという書き方になっているのである。

鎌倉殿の13人:つつじが「善哉」を出産 ついに“運命の子”爆誕? 「まさかこの子が」「これがアレ」

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第29回「ままならぬ玉」が7月31日に放送され、北香那さん演じるつつじが、金子大地さん扮(ふん)する源頼家の次男を出産した。

 第29回では、御家人たちのバランスが崩れ始めた鎌倉。義時(小栗さん)は北条と比企との争いの激化を懸念し、頼時(坂口健太郎さん)と比奈(堀田真由さん)を前に決意を新たにする。そんな中、つつじが頼家の次男・善哉を出産。三浦義村(山本耕史さん)が乳母夫となるが、比企能員(佐藤二朗さん)は長男・一幡こそが嫡男であるとけん制する。

 一方、北条時政(坂東彌十郎さん)は、りく(宮沢りえさん)から政子(小池栄子さん)の次男・千幡を頼家の跡継ぎに……という展開だった。

 つつじは賀茂重長の娘で、第26回「悲しむ前に」(7月3日放送)から登場。ドラマの公式ホームページで、母は源頼朝(大泉洋さん)の叔父・為朝の娘で、頼家の寵愛(ちょうあい)を受け、後に“運命の子”公暁(こうぎょう)を産む……と紹介されていた。

 公暁は頼家の次男で、「父の無念を晴らすため日本史上に残る大事件を引き起こす」という。幼名は「善哉」。つつじの出産に対して、SNSでは「まさかこの子が?」「善哉。これがアレだな」「ベビー善哉爆誕」「運命の子供誕生」などと視聴者は反応。「善裁さん出産から始まる、比企と北条の新たな争いの始まり」「善哉は後の公暁、そして善哉の乳母は三浦、公暁は源氏将軍家を終わらせる存在」といった意見も書き込まれた。

2022年08月02日mamtanweb

https://mantan-web.jp/article/20220802dog00m200050000c.html

 今回は、なかなか次の伏線になる話ばかりであった。まずは善児の娘(拾った子だが)トウが出てくる。これはこれで暗殺などに特化した女性であり、多分、今後様々な意味で活躍するのであろう。後の話になるが、頼家は修善寺の風呂屋で暗殺されるのであるが、そのようなときにこのトウが出てくるのであろうと考えられる。

また、上記の記事にもあるが「公暁」が生まれた。教科書でも出てくるエピソードだが、三代将軍源実朝の暗殺はこの公暁が行う。この公暁も「何故実朝が三代将軍になったのか」ということが問題にない、そこで、女性同士の戦いが出てくるということになるのである。つつじ、とさきという二人の女性を妻に迎えている頼家が、父頼朝の遺言を守らずに実朝を後継者に選ぶことに端を発するということになる。

非常に丁寧に伏線を書いているのが印象的であり、なかなか面白い。そしてこれらの伏線が目立たないように、蹴鞠ガイドに落ちるエピソードや、阿野全成の呪詛など、別な内容を入れて、そのうえで伏線を目立たなくする手法もなかなか面白い、人間の社会には当然にあるのだが「その時に良かれと思ってやったことが、後になって大事件に発展する」というようなことをうまく書いているのではないか。

こののち、三浦義村の暗躍など、様々な話が出てくる。それらもすべてどこかに伏線が書かれているという作りが面白い。

宇田川源流

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