「宇田川源流」【GW特別編集 第三次世界大戦突入か?】 東西新冷戦に基づく中国と欧米の対立
「宇田川源流」【GW特別編集 第三次世界大戦突入か?】 東西新冷戦に基づく中国と欧米の対立
経済制裁が東西冷戦を作り出すというか、少なくとも世界の国々を二つに分断してしまうということを、前回見てきました。経済制裁は、相手の国力を失わせ、兵器や軍備を失わせるという経済効果や技術などを移転輸入させないというような効果があることは間違いがありません。しかし、そのことは二次的なものであると考えてよいのかもしれません。例えば「兵士」という身分に関して、普段ならば「軍人給与」という金銭が存在し、また、何か任務に就いた場合は当然に「危険手当」や「派遣手当」がつくことになります。このことは、例えば日本の自衛隊がイラクのサマワに派遣された時などにも当てはまっていますし、また、アメリカ軍の空母艦隊が中東に派遣された時も同様の話があったと思います。
しかし、今回のような戦争中ということになれば、どうでしょうか。例えば太平洋戦争時の日本は、臨時に徴兵を行いました。特に1943年からは「学徒動員」などといって、学生も軍隊に動員されたのです。では彼らの給与はいくらであったでしょうか。もちろんゼロではありません。非番の日などに遊びに行けるようにそれなりの金額が支給されていましたが、日本以外の土地(外地)であれば、軍票が支給されるものであり、基本的には国家の財政とは関係がない内容になっています。また、その残された家族も、何らかの仕事についていますし、また食料品などの生活物資は配給になっていたのですから、基本的には、それほどの金額にはなりません。つまり「軍の兵員を増やしたことがそのまま経済的な支出の増加」には必ずしもつながらないということになります。また、軍事物資に関しても、兵器などを輸入すればそれなりに金がかかりますがしかし、国内で自給する者に関しては「徴用」ということができますから、負担があるのは民間で会って政府ではないということになるのです。
このように考えると、例えば今回のロシアの軍費がどれくらいかかったというようなことを言いますが、しかし、本当にそんなにかかっているのかはかなり疑問が残るということになります。このようなことから言えば、経済制裁は軍隊そのものの拡大を抑止する効果は少ないということになります。実際に「政府」や「軍隊」を圧迫するのではなく、その国の国民生活を圧迫するということにつながるのです。
その国民生活の圧迫は、そのまま政府への不信につながります。実際には、その政府の不信が大きくなれば革命や内戦につながることになるのです。生活ができないとなった時には、基本的には海外の経済制裁が悪いというように考えるのではなく、通常は「海外から制裁をされるようなことをした現在の政府が悪いということにつながります。死僧というのは、身近にいる権力者に反発の誇作が向くようにできている、人間の心理的には、目に見える目の前尾の人々に対して嫉妬や怨嗟が向くようになっているのです。
政府は、情報をコントロールし、また自分たちに対する怨嗟をすべて「海外が悪い」として排外主義敵に海外に向け、その海外に向けられた怨嗟を戦争の継続力として使うことになるのです。
しかし、これが自分の国だけとして孤立していれば効果が大きいのですが、そうではなく、他に身に多様なことをされている国がある場合は、「排外主義」がより強固なものになり、また被害者同盟的に強固な軍事同盟的な共通性が見えてくるということになります。アメリカが今回の対ロシア戦略で最も間違えてしまったのはそのことでしょう。つまり、中国に対して経済制裁をしたまま、ロシアに対しても経済制裁をしたということです。つまり、ロシアと中国が同盟的に「反米」を掲げる国になってしまったということになるのです。
その意味で「ロシア・中国・イラン・シリア・イエメン(フーシ派)・ベネズエラ・キューバ」同盟のようなものができ、21世紀の「東西新冷戦」が始まったということになるのです。
さて、ロシアとアメリカは、今回の件でよく見えてきたと思う。もちろんバイデン大統領がそれほど良い対応をしているとは全く思えないのであるが、残念ながら、トランプ大統領の時のような機敏な対応はできていない。アメリカの民主党政権では、平和を追求し、そのためにぎりぎりまで軍隊を使わない。また軍隊による威圧も行わない。そのことによって敵国は助長しより大きな軍事行動を起こしまた、アメリカの弱気な態度を見た他の敵国の同盟国、今回で言えば中国のような国々が、ロシアに参戦し収拾がつかなくなる。そのことから、アメリカの民主党はそれらを収めるために「多国間と、アメリカの同盟国を巻き込んだ戦争」が始まることになるのである。アメリカが大規模な戦争を起こす時、つまり第一次世界大戦も第二次世界大戦も、ベトナム戦争もすべてアメリカの民主党政権の時であるというのは、子尾ような事情に他ならないのではないでしょうか。目の前の「偽りの平和」を求めるばかりに、根本的なところをすべて壊してしまい、結局大きな戦争になってしまうということが、大きな内容なのではないでしょうか。
さて、ではその同盟国はどうなのでしょうか。
アメリカの同盟国である中心的な存在はイギリスとフランスということになります。あとはオーストラリアでしょうか。これらの国々は、ある意味でバイデン大統領よりもはるかに主導的に動いているということになります。このことは明日見てゆきましょう。
一方でロシアの同盟国はどうなっているでしょうか。
ロシアの同盟国の主な国は中国とイランであるといってよいでしょう。実際に、シリア・ベネズエラ・キューバは国力が少なく、なおかつ国内もあれていて、反米とはいえアメリカに対して攻撃をできるほどの効力はない。イエメンに関しては、アメリカではなくサウジアラビアに、またイランは、イラクやイスラエルに攻撃を仕掛け、なおかつ、アメリカに対してはテロという手段になるということになるのです。それであっても、シリアからロシアに対して兵が供給される(志願兵などが出ている)ということになりますし、また、イランなどからも兵器供給がロシアに対して行われているということが確認されています。
ヨーロッパは、ロシアから天然ガスをとれなくなったことから、北アフリカなどから天然ガスを輸入し、それでもたりないものを、イランからアゼルバイジャン・ジョージア・トルコ経由で調達するということを企画していたが、その話もうまくいっていない状況なのです。
一方中国はどうなのでしょうか。
トランプ政権の後半2年間は基本的にはちゅうごくとのたいりつでした。いやトランプ政権は、習近平をアメリカに招いた時にシリアに巡航ミサイルを50発以上撃つなど、威嚇を行うということから始まり、最後は経済制裁を行っている状態です。ロシアは2014年にクリミア半島問題でアメリカから経済制裁を加えられていましたが地下資源があったので、基本的には、あまり大きな効果がなかったとされています。一方、中国は様々なアメリカを市場とした工業製品が貿易禁止になったので、かなり大きな問題になりました。しかし、それでも中国はなんとなく過ごしています。
その中国は一昨年1月までヨーロッパを市場として様々な動きをしていました。しかし、コロナウイルス禍の件で、全く責任を認めない中国に対して、ヨーロッパ側もあまり良い感情を持たず、フランスやイギリスなどは露骨に中国を排除するようになっているところです。その状態の時に、ドイツは相変わらず中国を擁護するような状況ですが、フランスやイギリスは中国の香港への民主化封じ・ウイグル問題・台湾との関係において様々な介入をするようになり、軍事的な圧力をかけるようになってきているのです。
まさに、ロシアとの対立だけではなく「中国と欧州」の対立もかなり大きなものになっているということになります。
その駐豪は一貫してロシアを擁護または決定的なところでは棄権するなどの対応を取りながら、台湾をうかがっているという状況が続いています。一方、イスラム教徒の関係は、ロシアとチェチェンと同様に、国内紋愛として処理しながら弾圧を繰り返しているということになるのです。
この中国の様々な各国との対立は他でまた詳しくすることにしましょう。今回はあくまでもロシアのウクライナ侵攻からの「世界的な対立構造」を解明するということから感がてえゆかなければならないので、中国の各論までは話が進まないということになります。
本来、経済制裁での冷戦ということになると、本来は冷戦大将の国のどこかが間を取り持つなどの話になるのですが、しかし、経済制裁をする側と受ける側において力が拮抗している場合は、そのまま対立が続き冷戦の対立が激しくなるということになります。今回はまさにその状況になるのではないかという気がします。
そもそも、もともと「共産主義」の二つの国が、市場経済を取り入れながら、相変わらず「一党独裁」を継続し、政治が市場経済をコントロールするというような状況になっている状況で、その経済を受け入れられるかということになるのです。平時、そして政治と関係ない企業は、経済優先でその内容を見てくるが政治になって来れば、その歪な政治と経済の関係がより一層目立つことになるのではないでしょうか。
そのようにあkんが得た場合、今回の冷戦は、ロシアとウクライナそのものよりも、ヨーロッパを中心にした中国市場経済とその排除が大きな課題になるのではないかという気がします。ロシアの地下資源に関するヨーロッパとの取引は徐々に解消の方向に向かうでしょう。しかし、まだ経済制裁になっていない中国との関係は、これからが問題発生になり、そして冷戦の山場になるのではないかと予想されるのです。
では、その時に日本はどのようにしたらよいでしょうか。あす、このゴールデンウィーク特別の最終日に、日本について考えてみたいと思います。
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