「宇田川源流」 参議院選挙を前にしても支持が全く上がらない立憲民主党の見苦しい言い訳

「宇田川源流」 参議院選挙を前にしても支持が全く上がらない立憲民主党の見苦しい言い訳


 参議院選挙が近い。まあ、7月の20日前後であろうから、まだ3カ月近くあるということなのだが、それでも、選挙まではあっという間であろう。実際に、私や知り合いのジャーナリストの所には、既に「当落予想」や「各党の議席予想」をしてほしいという依頼が来ている。

先に今のうちに言っておくが、今の段階の議席予想などはあてになるものではない。実際に今のところはまだ候補者も出そろっていない。ある政党は、「ここに出す予定だが現在公募中」などと普通に言ってくるのであるから、その状態で、当落の予想などはできるものではない。それでも仕事であるからするということになるのであるが、それらは、基本的にインタビューに夜情報収集以外には全く手段がない。つまり、普段からそのようなインタビューを行える先を持っているということが最も重要であり、そのような人脈のない人々は、一部の偏った意見で物事を言ってしまうということになる。そのインタビューの相手も、基本的にはまだ嫌がる時期だ。「そんなことを言われてもまだわからないよ」というのが普通の回答。そのうえでも「名前を出さないから、何か意見下さいよ」と言ってなんらかの資料や情報をもらってくるような状況でなければ話にならないのである。

まあ、それでもうまくゆかないことは間違いがない。この時期の当落予想など当たるはずがないのである。しかしそれでもなぜそのような仕事を受けるのか。それは簡単で「傾向値」つまり、どの政党の支持率が高いのか、または下がってきているのかということを調べるためである。このように何回か行うことによって、当然に、これから3カ月の間の政策などがみえてくるし、その政策など(事故や災害、外国での出来事もあるので必ずしも政策ばかりではない)の結果で、支持率などは変動することになる。そしてその支持率の動きの延長線上に結果が出てくるのである。つまり、最終、投票日の1週間くらい前の時点ですべてがわかるように、現在のうちから支持率や投票傾向を調べておくということになるのである。

そのようにして、現段階の情勢見てみれば、昨年の総選挙と同じで自民党はほぼ横ばい、これから経済政策などがあまり振るわず、値上がりが続くということから、現状維持ということになれば良い結果になるであろう。公明・共産辺りはそのまま、立憲民主党が大幅に支持率を下げている状態で、その部分を維新の会が急襲するというような感じであろう。あと意外と頑張っているのが国民民主党ということになるのではないか。

そのような中で「本当は支持率が高かった」と主張している往生際の悪いのが立憲民主党なのである。

衆院選「362万の立憲民主党に投票したい方が『民主党』と書いた」 国民との案分票大量発生も泉代表主張

 立憲民主党が2021年秋の衆院選に続いて22年夏の参院選も「民主党」を比例代表の略称として総務省に届け出る方針を決めたことについて、泉健太代表が4月22日の記者会見で、改めて理由を説明した。

 泉氏は、衆院選では「362万票の立憲民主党に投票したいという方が民主党と書いた経過」があると説明。「民主党」と書かれた票の大半が立憲を念頭に置いたものだったと主張した。「民主党」が目立つ旧ロゴの構成を挙げながら、「ぱっと見で『民主党』という打ち出し方は2017年以降もそれなりにしてきた」として、「立憲民主党の略称が民主党だというふうに認識をしている方も一定層おられるから、前回はそれだけの票が出た」とも述べた。

■神奈川県連からは「民主党」方針に異論

 前回19年参院選では、立憲が「りっけん」、国民民主が「民主党」の略称を届け出ていたが、21年衆院選では立憲も「民主党」を届け出たため、大量の案分票が発生した。21年の衆院選の比例代表では「民主党」と書かれた票は362万6320票にのぼり、立憲に295万8201.722票、国民民主には66万8116.241票が割り振られた。その結果、立憲は比例で1149万2094.722票、国民民主は259万3396.241票を獲得。両党とも、案分票の割合は25%を超えた。

 こういった事態が繰り返されることで、引き続き有権者に混乱を招くことは必至。4月19に開かれた党の会議でも、神奈川県連から異論が出ている。

 泉氏は、21年の総選挙でも「立憲」や「りっけん」にしていれば「今のような問題は起きていない」とする一方で、

「しかし、様々な経緯の中で、前回『民主党』という略称になって戦った結果、362万票の立憲民主党に投票したいという方が民主党と書いた経過があって...」

などと発言。362万票の「民主党」票は、「立憲民主党に投票したいという方」によるものだったとの見方を示した。

旧ロゴは「『立憲』よりも『民主』が大きい形になってますね」

 視察先で見かけた掲示板で使われていた立憲の旧ロゴが「『立憲』よりも『民主』が大きい形になってますね」とも。旧ロゴは、旧国民民主と合流するまでの旧立憲(17~20年)時代に使われていた。泉氏は次のように話し、立憲としても「民主党」の名称を強調してきた経緯があると主張した。

「ぱっと見で『民主党』という打ち出し方というのは2017年以降もそれなりにしてきた経緯があって、やはり立憲民主党の略称が民主党だというふうに認識をしている方も一定層おられるから、前回はそれだけの票が出た」

 ただ、泉氏の執行部としては「立憲」(りっけん)という単語を普及・浸透させていきたい考えで、「いつまでもこの状態を続けると言うつもりはない」とも話した。それまでには一定の時間がかかるとして、泉氏が主張するところの「民主党=立憲民主党」票への配慮が必要だとしている。

「前回、まだ半年前の総選挙で362万、そのうちの多くが『立憲民主党』と『民主党』という略称を結びつけて、略称を書いていただいた方々がおられるので、その皆様に説明を尽くしつつ、まず来るべき参院選は、これまで通りの略称で戦っていくということになった」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

4/22(金)J-CASTニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/69e5e4a8c0e1ddd4de9425f4bb0b94a5aa950cd6

 さて、前回の総選挙やその前もそうであるが「立憲民主党」「国民民主党」の略称が問題になっている。実際に我々ジャーナリストは、区別するために「立憲」「立民」というような言い方をするのであるが、選挙時の略称というのは本人たちが決めるのである。もともと自分たちは民主党であるというようなことを言い、民主党とい過去の栄光を引きずっている両党は、お互いが「民主党」ということを略称とすると決めたのである。

ちなみに、略称というのは、選挙の時に、日本の場合はマークシートなどではなく、全て名称を自筆で記載するという形式をとっている。その為に「自由民主党」「立憲民主党」などと正式名称を全て書くのは難しくなってしまい、そのことから略称の使用を認め、その略称を使った場合も、その政党への投票とみなされるということになっている。ちなみに、さすがに個人の名前を書く選挙区の場合は、登録名を書くこと人あるのであり、名称の略というのはなかなか難しい。そこで、「画数の多い感じの人は、ひらがなにする」などの工夫がなされているのである。

さて、その略称が同じ場合はどうなるのか。それは「案分する」ということになる。

。21年の衆院選の比例代表では「民主党」と書かれた票は362万6320票にのぼり、立憲に295万8201.722票、国民民主には66万8116.241票が割り振られた。その結果、立憲は比例で1149万2094.722票、国民民主は259万3396.241票を獲得。両党とも、案分票の割合は25%を超えた。<上記より抜粋>

まあこのようになるのである。しかし、このようなことは、当然に予想されたことであり、そのことがわからない方がおかしい。つまり政治家として「現在行った政策(今回は略称の設定)がどのような結果をもたらすかということが予想できない」ということであり、政治家としては致命的であろう。それくらいのことがわからずに、本当はもっと支持者が多かったなどといっても、それは自己責任に過ぎない。そのうえ、今回は国民民主党は予算案にも賛成するなど与党寄りで立憲民主党棟は一線を画している。つまり、「全く反対の主張をしている政党に投票する結果になってしまう」ということになるのである。

そのような結果を出してしまったのも、選挙制度が悪いわけでもないし、国民が悪いわけでもない。ましてや与党が悪いわけでもないのである。ひとえに「略称の設定において二つの政党で調整を付けることができなかった」ということが原因なのである。

逆に言えば、これくらいの調整もできないのが現在の立憲民主党であり、そのようなことだから、国民からの支持が失われているのである。参議院選挙では、最終的にはどのような数字になるのかは不明であるが、しかし、あまり振るった結果にはならないというのが良そうである。

宇田川源流

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