「宇田川源流」【現代陰謀説】 コロナウイルス禍かで起きた変化に見る「利便性」という名の魔物

「宇田川源流」【現代陰謀説】 コロナウイルス禍かで起きた変化に見る「利便性」という名の魔物


 金曜日は現代陰謀説をお届けしている。現代に動いている陰謀をそのままここで解説をしているという規格である。何度も書いているのであるが、私が陰謀をすべて知り尽くしているわけではないので、ここに書いていることがそのまま本当に陰謀であるとは限らないし、また、このように書かれることを前提にした陰謀が仕組まれている可能性もある。陰謀などという物は、ある意味で、「知恵比べ」でありまたは「先読みの能力」であり、同時に、その内容は、その陰謀を仕掛ける国々の政治情勢や国民性の解析がどれくらいできているかということに罹っているということになる。

 そのように考えた場合、私の能力でできることは、私や私に情報を頂ける皆さんの能力が限界であり、その能力以上の陰謀を解析することはできないということになる。つまり「陰謀を解析する」ということはそのまま陰謀を解析する人の能力を超えることはできないということになるのである。

 日本には現在情報部が存在しない。そのために、情報部における情報の解析が行われていないのであるが、逆にもしもそのような解析が行われていたとしても、それで、アメリカや中国、ロシアなどの情報解析を超えることができるのかははなはだ疑問である。能力そのものだけではなく「平和ボケ」というセンスを削ってしまう要素があることから、また、日教組教育という無駄に自国を卑下する文化があることから、情報の解析に対して邪魔な雑念が入ることになってしまうのである。

 さて、この【現代陰謀説】では、陰謀の最中に不測の事態や突発的な事象が起きた場合にどのようにするのか、ということを何回も書いてきたと思う。つまり、その突発的な事象をいかに自国の有利に、またはそれまで行ってきた路線の陰謀に役立てるのかということを緊急で検討し、そして、その緊急検討をした内容を素早く実践するということになる。スパイ映画などで言われる「プランB」という状態である。

 さて、その「プランB」という考え方で見れば、今回のコロナウイルス禍はどのようになるのであろうか。

コロナ禍で企業の「脱首都圏」急増 過去最多351社で前年の2割超!

 2021年に本社を移転した企業は全国で2258社にのぼり、このうち首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)から地方へ、本社または本社機能を移転した企業が351社にのぼったことがわかった。前年から2割超の大幅増加となった。

 帝国データバンクが「首都圏・本社移転動向調査(2021年)」を、2022年2月15日に発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で、足もとではテレワークによる在宅勤務が定着しつつあり、本社などの主要拠点を都市部から地方に移転、分散する動きが急速に進んでいる。

■アミューズ、日本ミシュランなどが東京を脱出!

 コロナ禍によるテレワークの浸透で本社や事務所などへの出社が減り、オフィスが東京などにあることがあまり重視されなくなってきたなか、本社などを都市部から地方に移転、分散する動きが加速化している。

 こうしたなか、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)から、地方へ本社を移した企業の数は2021年に351社にのぼった。転出企業が300社を超えるのは2002年以来19年ぶりで、1994年の328社を大幅に上回り、過去最多を更新した。

 2021年に本社を首都圏から移転した、または移転計画を明らかにした企業は、大手芸能事務所のアミューズ(東京 → 山梨県富士河口湖町)のほか、フランスのタイヤ大手の日本ミシュランタイヤ(日本法人。東京 → 群馬県太田市)、光学・電子製品向け材料部品製造のデクセリアルズ(東京 → 栃木県下野市)などがある。

 その一方で、地方から首都圏へ本社を移転した企業は328社。この結果、2021年における首都圏の本社移転動向は、転出社数が転入を23社上回る「転出超過」となった。首都圏で転出超過となるのは2010年以来11年ぶりのこと。

 首都圏への移転元で最も多いのは、「大阪府」の67社だった。

■移転先に北海道、コロナ禍前から5倍に急増

 首都圏からの移転先で、最も多いのは「大阪府」の46 社。次いで「茨城県」の37 社だった。大阪府への転出社数は2 年連続で増えたほか、2010 年の41 社を上回り過去最多を更新した。

 3 位の「北海道」は33社で、コロナ禍前の2019 年の7 社から約5 倍に急増した。首都圏から北海道への移転社数としては過去最多となる。帝国データバンクは、人口密度の低さなどから、本社機能や研究施設の受け皿として北海道が注目されていることが背景にある、とみている。

 また、「宮城県」(19 年との比較でプラス10 社)や「岡山県」(プラス9 社)、「兵庫県」(プラス7 社)などは、コロナ禍前から目立って増加。「福岡県」(20 社)や「宮城県」(14 社)、「広島県」(10 社)なども、首都圏からの転出先として過去最多(広島県は最多タイ)を記録した。

 北海道はコロナ禍前から5倍増!(出典:帝国データバンク)

 これまで、首都圏からの本社移転先は大都市部や北関東3 県など首都圏近郊が多かったが、リモートワークが定着したことで、遠隔地のほか、人口密度の低い地方の中核都市が本社移転先の有力候補に新たに浮上している。

 さらに、首都圏からの転出企業を売上高規模別にみると、最も多かったのは「1億円未満」で176社となり、多くが小規模な企業だった。なかでも、5000万円未満の小規模企業、設立間もないスタートアップの割合はコロナ禍前を大きく上回ることがわかった。

 なお、調査は2021年に首都圏と地方間を跨いだ「本社所在地の移転」が判明した企業(個人事業主、非営利法人など含む)について、保有する企業概要データベースのうち業種や規模が判明している企業を対象に分析した。本社は、実質的な本社機能(事務所など)が所在する事業所をいう。

2022年02月19日 11時50分 J-CAST会社ウォッチ

https://news.nifty.com/article/economy/business/12318-1480024/

 近年、それもコロナ前の話であるが、日本に限らず世界のどこも「首都一極集中化」ということが大きな問題になっていた。

 首都(首都に限ったものではないのだが)の一極集中化ということはどのようなことを意味しているのであろうか。これはいくつかの問題を引き起こす原因となっている。

 まず一つ目は「経済格差」ということになる。当然に、資源も経済も人もすべてが一曲に集中してしまうということになるのであるから、そのまま、その潤沢にあふれるような経済力と、それ以外の地域とで格差が生まれることになる。このことは、経済だけではなく、人材も同じように変わってきてしまい、そのことから、日本では「一票の格差」などという問題になる。本来そのように「集中」をなくさせればよいのだが、それは「憲法における移動転居の自由」からそれはできない。つまり、「一票の格差」「経済の格差」の問題というのは、憲法の「生活の平等」「選挙権の平等」ということと「移動の自由」「職業選択の自由」との競合状態をどのように解決するのかということに他ならない。

 さて二つ目は、「人材の流出と地方の過疎化」という問題になる。首都ではないが、2016年、イギリスが国民投票を行いEUからの離脱を決めた。この時に最も大きな問題になったのが「人材の流出」である。当然に、若者はチャンスが多いところに行く。つまり、許認可や会社の本社が多いところに出かけてゆくということになる。sのことはイギリスからベルリンに人材流出を許すこととなり、なおかつそのことは人材が不足したイギリスの衰退を意味するということが、真剣に言われたのである。実際に日本でも東京と地方都市の思考や情報のスピード感が異なると感じることがあるが、まさにそのことであろう。

 そして、第三には「補助金の不公平化」ということになる。国家政府としては、当然に人材が平準化されることを望み、そのために過疎化した場所に人や企業を誘致するということになる。しかし、憲法上の要請から、移動を禁止できないまたは矯正できないということは税制の優遇や補助金によって優位にせざるを得ないということになる。しかし、そのような地方自治体が国家の方針に反発したり、あるいは補助金をはじめからあてにするような行動をとると都会の人々からは不公平感が出てくることになる。まさにその「地域対立」を生むような状況が出てくることになる。

 そして最後には「危機管理上のリスク」ということになる。雪が降ったり、あるいは台風が来た場合、都会は、人間が集中し平時であってもラッシュの電車など無理をしていることになるので、とうぜんに、その無理が危機管理上はリスクということになる。そのリスクをどの世に考えるのか、また、戦争などになった場合、人口集中地区を攻撃された場合や、そのインフラ(発電所など)を攻撃された場合にどのようにするのかというものん台になるのであるが、そこは、ここではあまり語るのはやめておこう。

 さて、コロナウイルス禍は、人を近づけないということが最も大きな内容になった。つまり、「地方」ではなく「人を離れさせる」ということに補助金を使うようになったのである。それは、そのまま「テレワーク」補助金や時差通勤というような話になってくるのであり、その内容が、そのまま地方に転嫁させることになる。

 つまり、上記のように「テレワークで物事を進められるのであれば、地価の高い東京に本社を置く必要はない」ということになるのである。まさに「全く異なること」から「プランB」が発生した形になる。その効果が上記の記事にあるような「本社の地方移転」ということになるのである。不謹慎な言い方をすればコロナウイルス禍があったことによって、人口集中を解消することができたということになる。まさに「陰謀説におけるプランB状態」とはこのようなことになる。

 もちろん、コロナウイルスが陰謀なのかという議論は存在するが、しかし、単純に経済の閉塞ということだけではなく、このような別な効果も生んでいることに着目すべきではないだろうか。

宇田川源流

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