「宇田川源流」 正月早々殺伐とした話題ばかりも嫌なのでちょっと「頭の休まる」マーベルのスーパーヒーローの老後の話
「宇田川源流」 正月早々殺伐とした話題ばかりも嫌なのでちょっと「頭の休まる」マーベルのスーパーヒーローの老後の話
1月も第2週目となると、さすがに正月気分も抜けてきてしまうという感じではないだろうか。先週の木曜日に、東京では4年ぶりの大雪警報が発令され、雪国の皆さんからすれば、「それくらいの雪で何を言っているのだ」といういうくらいの雪でしかないが、しかし、それでも初日で50人を超える救急搬送車が出てくるという感じである。やはり「慣れ」というのはかなり大変なもので、普段と異なることをすることがこれほど大変なことなのかというような感じになってくるのではないか。情けない話ではあるが、東京の人は雪の怖さは知らない。そのために雪が積もるという予報であっても、平気で「靴底がつるつるの革靴やハイヒールで外出する」ということになるし、また、相手もそれを求めていて違和感を感じない。たぶんそのような感覚の差が、雪国と東京都でお異なるのではないか。
異常事態でも日常を求める、というのは別段悪いことではない。天変地異、例えば関東大震災の後に入った外国人の記録で日本人に驚愕している記事があるが、「震災の後何もかも失った焼け野原の中で、普段通り赤子を背負って夕飯の準備をしている女性がいる」という。我々からすれば「自身があっても、生きている人は腹は減る」のであり、そのための準備をすることは特に違和感はないが、海外であれば、当然に、泣き叫びパニックを起こしてどうしようもないところが、日本の場合は、日常を取り戻しているという。もちろん悲しかったり呆然としたりということはあるのだろうが、しかし、それでも日常の生活の中から切り離した思考はせず、常にあるがままを受け入れる体制にあるというのである。
さて、「ヒーロー」の条件というのは、実はそのようなことではないか。つまり、何かパニックを起こすような状況であるにもかかわらず、その内容をしっかりと受け止め、そして対処する力を持つことがヒーローである。このように書けば日常にもたくさんのヒーローはいるのであるが、しかし、「スーパーヒーロー」というと、基本的は全く異なるということになる。つまり、「超常現象」や「通常では考えられない敵」に対して、それを対処する力を持っているのである。それは、常人を超えた力であり、まあ、物語の中の世界なのであるが、多くの人を助けるということになっている。
しかし、物語には書かれないが、そのようなスーパーヒーローにも、戦死しない限り、必ず老後は来るのである。
スーパーヒーローたちの老後は? 豪研究者が予測
(CNN)スクリーン上で空を駆け巡り、危機一髪で敵を倒すスーパーヒーローたちは将来、健やかな老後を迎えることができるだろうか。米コミック大手マーベルのアイアンマンやスパイダーマンなど、代表的なヒーロー5人が年を取った時の健康状態を、オーストラリアの研究者らが予測した。
豪クイーンズランド大学で老年医学を研究するルース・E・ハバード博士は、3人の子どもを育てるシングルマザー。新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)期間は、自宅で子どもたちとヒーロー映画シリーズを見て過ごした。
そんな時、自身が高齢者の健康をテーマに開いた講演のパンフレットに、老いぼれたヒーローのイラストが載っているのが目に付いた。
面白いイラストだったが、すっかり太ってもうろくした姿には悲哀を感じた。そこで老化に関する専門知識を応用し、ヒーローたちの老後を独自に予測してみることを思い立ったという。論文は英医師会雑誌(BMJ)のクリスマス特集号に掲載された。
読んだ人が健康的な年の取り方を考えるきっかけになればと、ハバード氏は話している。
◇
アイアンマン
天才で億万長者、プレイボーイの慈善家。老後の健康にはプラスになる要素が多い。
社会的、経済的な地位が高く、都市部に住んでいることから、医療へのアクセスに恵まれている。知的能力が高く、認知症のリスクも低いだろう。
プレイボーイの生活をやめて秘書ペッパー・ポッツとの関係を築くという展開もプラス材料だ。
一方で心的外傷後ストレス障害(PTSD)や放射線被ばく、重力の変化、けがの多さが影響して、骨量の減少が加速したり、持病の心臓病が悪化したりする恐れもある。
ブラックパンサー
超文明国家であるワカンダ王国の国王として、健康な老後につながる教育や富を存分に享受することができる。
王国の住人は菜食主義のようだ。野菜中心の食事には肥満や心血管代謝系の病気を防ぐというメリットもある。
ただし、ブラックパンサーが摂取するハート形のハーブが体に良いかどうかは不明だ。精神、身体能力が強化されるようだが、パフォーマンス向上薬(PED)は副作用も多い。
ブラック・ウィドウ
主人公ナターシャ・ロマノフには残念ながら、老後の健康に良い要素があまりなさそうだ。
幼少期から暗殺者、スパイとしての訓練を受け、虐待や育児放棄、争いを経験してきた。早い時期に不妊手術を強制され、卵巣機能が阻害されたことで、さまざまな病気が引き起こされる恐れもある。
ハルク
主人公ブルース・バナーの老後も、見通しは明るくない。
心拍数が上がってハルクに変身する現象が頻繁に起きるということは、心臓に基礎疾患がある可能性を示唆している。
ハルクは体格指数(BMI)が高いのも心配だ。あの体に合った医療が受けられるかどうかも定かでない。
また自身も認める通り、常に怒っているようだが、怒りの感情は老化を進行させる。
スパイダーマン
スパイダーマンことピーター・パーカーにとって最大の財産は、周囲の人々だ。幼くして両親を失ってはいるが、おばのメイに大切に育てられ、数々のスーパーヒーローたちに支えられてきた。
力強さと柔軟性、機敏さもプラスの要素だが、ヒーローとしての活動は夜間に集中しているため、10代の若者に必要とされる8~10時間の睡眠が確保できているかどうかが心配だ。
2022年1月2日 9時23分 CNN.co.jp
https://news.livedoor.com/article/detail/21448349/
コロナウイルス禍というのは、我々の生活の中に、様々な事を変化させた。もちろんよろしくないこともあるが、実はよいこともいくつかもたらしている。そしてコロナウイルス禍が特徴的なのは、「世界が同時に同様の禍」に入っているということであり、その現象に対応する内容は「共通の認識をもって考えることができる」ということになる。
今回の豪クイーンズランド大学で老年医学を研究するルース・E・ハバード博士についても同じだ。コロナウイルス禍で外出できないために、結局マーベルのヒーロー映画を見て過ごしたらしい。そして思い立ったのが「スーパーヒーローの老後」である。
すっかり太ってもうろくした姿には悲哀を感じた。そこで老化に関する専門知識を応用し、ヒーローたちの老後を独自に予測してみることを思い立ったという。論文は英医師会雑誌(BMJ)のクリスマス特集号に掲載された。<上記より抜粋>
まさにこのようなことが、考えられ、そして研究した結果が上の記事の中に書いてある通りである。もちろん、「常人とは異なる能力を持っている」人物であることから、そもそも通常の人間の医学が適用されるのかということはかなり微妙な話であるが、しかし、まあ、その辺はめをつぶって、この話はかなり面白い。
そもそも「広報戦略」ということ、つまり「啓蒙」とは、一つには危機感をあおるということも重要なのかもしれないが、一方で、「誰もが知っている人々を例にとって常識を覆す」ということ、つまり「スーパーヒーローであっても、老後は来る」ということになり、そのうえで、その老後が、若いころに無理をしていて、あんなに元気だったのにというような感覚があっても、そこで油断をして貼らないというような啓蒙方法を使うということである。
もちろんその内容が「架空の人物」であるだけに、誰かの名誉を棄損するわけでもないし、また誰もが簡単にイメージできるので、多くの人に訴求力があるということになる。まさにもっとも負い題材であるという。
しかし、科学者というのはなかなかその研究をしない。まあ、「架空」の相手であり、研究に値しないということである。当然に研究の成果としては、そもそもスーパーヒーローがいないのであるから「実際に効果がある」話ではないのであるが、しかし、一方で、専門用語を山ほど使った学会誌などは、一般の人はほとんど読まないし、そもそも興味を持たないので、啓蒙には値しないのである。
そのように考えた場合、このような論文は「啓蒙する」という広報的な意味では当然に素晴らしいし、また、コロナウイルス禍で他にやることがなかったというようなことであるから、専門家や学会誌も許容できる「最高の題材」であったのではないか。
コロナウイルス禍であっても、このようなユーモアのセンスを忘れないようにする。そのことが最も大きな「対処方法」であり、それができる人こそ「本物のヒーロー」なのかもしれない。
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