「宇田川源流」 「一つの中国」ということを認めることによる中国共産党の台湾統一の口実を与える世界

「宇田川源流」 「一つの中国」ということを認めることによる中国共産党の台湾統一の口実を与える世界



 新年早々、あまり良い話題ではない。昨年、一昨年に限らず、また習近平に限らず、他の国家主席であっても、台湾統一は、中国共産党にとっては悲願であり、毎回そのように演説をしていた。

しかし、例えば、1970年代に毛沢東が「台湾統一」を言っていたところで、そのことを実行する力はなかったし、また、台湾統一をするだけの財力も軍事力もなかったということになるのではないか。そのようなときに、そのような発言を聞いていても、「どうせ、国内の民意の鼓舞・国威高揚くらいにかならないであろう」というようなことしか思わなかった。

逆に言えば、1970年代の中国はそれほど貧しかった。まあ、当時の資料映像をみえれば、朝から公園に集まって太極拳を行い、自動車などはほとんど通っていなく、多くの人が人民服を着て自転車で人民公社に通っていたのである。今からでは信じられないかもしれないが、中国は「世界最貧国」であったのである。

しかし、最近では「同じことを言っていても、注目せざるを得ない」状況になっている。これは、それだけ中国が「実力を備えた」ということを考えなければならない。我々日本人は、いやアメリカを含め世界のすべての人々は中国が強くなったということを認めざるを得ないということになる。

中国が強くなることは、ある意味で認めざるを得ない。最大の問題は、中国共産党がその軍事強大国としてのモラルが存在せず、国際法などに従わない無法国家であるということである。そして、同時にそのことを自覚もしていなければ、そのことを知らしめる国もすくなく、それどころか金に釣られて、中国共産党にしっぽを振るような者もいる。それが日本国内にもアメリカにもいるところが問題である。

はっきり言ってしまうが、民主主義の国家では、政治家になるため、つまり被選挙権を得るのに資格審査のようなものはない。そのために、共産主義とは何か、その危険性や問題点などを学ばずに、「職業として」政治家になるようなものも少なくないのである。


中国当局、新年のあいさつで「台湾統一」言及 大陸委が反発「事実見て」

(台北中央社)中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)などが台湾統一実現を目指す北京当局の姿勢を強調したのを受け、台湾側のカウンターパートである大陸委員会は1日、台湾の人々はすでに「一国二制度」を明確に拒絶していると書面を通じて反論し、理性的にこの事実に向き合ってほしいと呼び掛けた。

 国台弁の劉結一主任(閣僚)と中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会の張志軍会長は元日、新年のあいさつを各自発表し、「祖国統一を推進する」「両岸(台湾と中国)統一の歴史の潮流を変えることはできない」などと異口同音の論調を唱えた。

 大陸委はこれに対し、「中華民国は主権国家であり、台湾がかつて中華人民共和国の一部分だったことはない」と反発。北京当局に対等な対話を呼び掛けた蔡英文(さいえいぶん)総統の元日の談話に言及した上で、蔡氏の戦略と方針に従って両岸事務を処理する同委の姿勢を改めて示し、政治的障壁を捨て去り、真の台湾海峡地域の安定を促進するべきと強調した。

(頼言曦/編集:塚越西穂)

2021年1月2日 14時20分 中央社フォーカス台湾

https://news.livedoor.com/article/detail/19474293/


 台湾は「一国二制度」というものを明確に拒絶している。「一国二制度」を認めるということは台湾がそのまま共産党の配下に入るということであり、同時に将来的には香港のように自治権も何もなくなってしまうということを意味しているのである。

ある意味で、このように言うと反感を持つ人も少なくないのであるが、現在の台湾と中華人民共和国の関係は、もともとの「中国国内における国共内戦」の戦争において国民党が台湾に移り、国民党の政治を行っているだけの話であり、ある意味で「国共内戦」を肯定する場合は、間違いなくそれが今まで継続しているということを意味しており、基本的には「内戦中」ということでしかない。

国際法的には、内戦中の独立政府(内戦政府)に関しては、その独立が認められることになる。「亡命政府」や「独立政府」などというのは、そのような状況になっており、その意味ではチベット・ウイグル・内モンゴルの政府に関しても、同様に「亡命政府」が認められることになる。

そもそも中華人民共和国の一つしかないのに亡命政府が様々な出来ているということ自体、その政府は様々な国を虐げており、その解決を対話や議会によって図ることをしない、もっと言えば人権を全く考えない政府であるということ出る。

その「台湾が一国二制度を認めない」ということは、当然に「内戦中の独立政府」であるということを台湾が自ら意思表示をしているのである。つまり、「いまだ内戦中である」ということを宣言しているのに過ぎない。

しかし、なぜか日本の政治家の中には「一方的に中国共産党の主張である一国二制度や一つの中国を認める人々がいる」ということであり、それが外務省などが認めているということが大きな問題なんのである。つまり、「中国共産党の下に、国民党政府が存在する」ということを、本人である台湾が認めていないのに、日本国が積極的にそのことを認めているということになるのである。

国台弁の劉結一主任(閣僚)と中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会の張志軍会長は元日、新年のあいさつを各自発表し、「祖国統一を推進する」「両岸(台湾と中国)統一の歴史の潮流を変えることはできない」などと異口同音の論調を唱えた。<上記より抜粋>

つまり、この共産党側の主張を完全に認めているということになり、台湾側の主張を全く認めないということをしているのである。ある意味で「内戦中に片方に肩入れしている」ということであり、なおかつそれは「民主主義を排して共産主義・社会主義国家を認める」という、日本国憲法における「民主主義の精神」を全く無視した内容を認めるということをしているのである。

はっきり言って恥ずかしくないのであろうか。まあ、中国の軍事力がそのように強くなっているということをは認めるのであるが、その力や金に屈して「悪魔に魂を売る」ようなことをすること自体が、日本人として「恥ずかしい」ということを考えるべきである。

今の菅内閣や二階幹事長には期待することはできないが、中国の主張する「一国二制度」や「一つの中国」を否定するだけの力を持った日本国政府を期待するものである。

宇田川源流

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