「宇田川源流」 毎年恒例【今年の10大ニュース解説】 <世界>のニュース編
「宇田川源流」 毎年恒例【今年の10大ニュース解説】 <世界>のニュース編
昨日に引き続き年末恒例の10大ニュースの解説である。今年何があったのかその内容を思い出してみて、来年に何が起きるのか、占ってみたり、あるいは、今までの流れを再度復習してみるのもよいのではないか。
そのような意味を込めて、あえて「日本のニュース」の次に「世界のニュース」についてみている。今年は世界といえども、やはり「コロナウイルスの影響」は避けられないニュースとなってきている。なにしろ、今年のクリスマスの時点で世界の感染者は8000万人となっており、死者は175万人になっている。アメリカでは9・11の犠牲者を超えており、戦争などの被害と同じような状況になってきているのである。
まさに、「戦争」であり、この禍が終わったのちに、再度この責任の追及ということが出てくるのではないか。
いずれにせよ、世界のニュースに関しても読売新聞社の記事を拝借して解説をしてみたい。
【1位】新大統領 バイデン氏
11月3日に行われた米大統領選は、再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領(74)に対し、民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が挑む構図となった。猛威をふるう新型コロナウイルスへの対応や経済の再建策などが主な争点となり、両氏は大接戦を繰り広げた。
【2位】WHO パンデミック宣言
中国湖北省武漢市で最初に感染が拡大した新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は3月11日、「パンデミック(感染症の世界的な大流行)」を宣言した。この時点でウイルスは110か国・地域以上に広がり、感染者数は計11万8000人を超え、死者数は約4300人に上った。
【3位】黒人男性死亡 抗議拡大
米ミネソタ州で5月25日、黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46歳)が白人警察官に首をひざで押さえつけられて死亡した。
警察官は免職・起訴されたが、フロイドさんが「息が出来ない」と訴える動画がネットで拡散し、黒人への人種差別として反発する抗議デモが全米各地に飛び火した。「黒人の命は大切だ(ブラック・ライブズ・マター)」を合言葉とする訴えは、さらに世界へと広がった。
【4位】英国がEU離脱
英国は1月31日、欧州連合(EU)から離脱し、統合を進めてきた欧州は歴史的な転機を迎えた。EUからの加盟国離脱は初めてで、加盟国は27か国に減った。英国のジョンソン首相は離脱にあたり、「変革を実現するため、取り返した主権という新たな力を行使する」と強調した。
【5位】香港「国安法」施行
中国の全国人民代表大会常務委員会は6月30日、香港での反体制活動を取り締まる国家安全維持法(国安法)を可決し、法律が施行された。昨年に香港で大規模化した抗議運動の封じ込めや民主派への締め付けが狙いで、「一国二制度」の下での香港の「高度な自治」は形骸化が決定的となった。
【6位】トランプ氏が感染
米国のトランプ大統領は10月2日、新型コロナウイルスに感染したと発表した。ホワイトハウス内では、マスク着用や社会的距離の確保などのルールが無視され、側近らの感染が相次いだ。トランプ氏は一時健康状態が悪化して軍の医療施設に入院したが、わずか3日で退院し、11月の大統領選に向けて劇的な復活を演出した。その後もツイッターなどでウイルスの脅威を軽んじるような言動を続けた。
【7位】米、WHO脱退
米国のトランプ大統領は5月29日、新型コロナウイルスに対する世界保健機関(WHO)の対応が中国寄りだとして、脱退の意向を表明した。ホワイトハウスで行った演説で、「我々が要請した改革を実施しなかったため、我々は今日をもってWHOとの関係を断ち切る」と述べた。7月には1年後の脱退を正式に通知したが、バイデン次期大統領は撤回の意向を打ち出している。
【8位】ヘンリー英王子 公務引退
英国のヘンリー王子(36)と妻のメーガン妃(39)が3月31日、王室の中心メンバーから外れ、公務を引退した。王室から経済的に独立するとともに、「殿下」「妃殿下」の敬称を失った。英メディアでは、メーガン妃が規制の厳しい王室の生活になじめなかったことや、大衆紙からの批判を避けようとしたことが理由として報じられた。夫妻は引退後、長男アーチーちゃん(1)と米国で暮らしている。
【9位】マラドーナさん死去
サッカー界の伝説的選手、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ氏が11月25日、首都ブエノスアイレス郊外の自宅で死去した。60歳だった。1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会で母国を優勝に導いた英雄の死を受け、アルゼンチンは3日間の服喪に入り、大統領官邸には数十万人の市民が弔問に集まった。同氏がかつてプレーしたイタリアのナポリなど世界中でファンが追悼した。
【10位】核兵器禁止条約 発効へ
核兵器の開発や保有、使用などを包括的に禁止する核兵器禁止条約の批准国・地域が10月24日、発効に必要な50に達した。来年1月22日に発効する。核拡散防止条約で核保有が認められている米英仏露中5か国や、日本を含む米国の同盟国は、北朝鮮などの核の脅威がある現状での核廃絶は非現実的だなどとして、核兵器禁止条約に参加しなかった。
日本で世界のニュースを話す場合には、必ずと言っていいほどアメリカの報道が出てくるのであり、アメリカと中国が中心ということになる。そのような観点から見ると、中東やアフリカのニュースどころか、東欧などのニュースは非常に少ない。まずは、日本において世界のニュースを手に入れることの難しさ、そしてそこで手に入れたものがアメリカや中国などほかの国の価値観を通して入って来るということを考えなければならない。単純に、日本が日本として独自にニュースを手に入れることができるようにしなければ、日本の将来は暗いのではないか。
さてそのように見たうえで、やはりトップは【1位】新大統領 バイデン氏、というニュースであろう。このニュースは、片方でトランプ大統領がいまでも敗北を認めていないといいながらも、一方で「民主主義の投票制度」ということや「選挙」ということに関して、改めて問題を投げかけたものではないかと思う。このように片方が「不正があった」として敗北を認めない場合の対処方法は、どうするのか。そしてその方法によっては来年以降の大きな問題になるし、また、アメリカ以外の国の選挙制度ということに関してかなり大きな問題になってくるのではないか。
とくに共和政治のように権威の存在がない国々にとって、民主主義というものの問題点が浮き彫りになり、また、他国の影響などの排除をどのようにするのかということも考えてゆかなければならないのではないか。
同様に「今まで当たり前とあったものの疑問」ということで言えば、【7位】米、WHO脱退、であろう。単純に、国連やそれに準ずる世界機関というのは、平等でなおかつ公平に物事を判断すると思っていたが、今年のコロナウイルスに関するWHOのテドロス事務局長の対応に関しては、誰もが「おかしい」と思っていたのであり、その退任を要求する署名は500万を超えていた。それを受けて、アメリカのトランプ大統領は脱退したのである。そのままWHOに代わる団体を作っていたらどのようになったのであろうか。バイデン大統領はその撤回を表明しているが、WHOはコロナウイルスの起源に関して調査しない旨を発表している。これで大丈夫なのか。世界の人々の不満は大きくなるのではないか。
このように考えると、今年は【4位】英国がEU離脱・【5位】香港「国安法」施行・【10位】核兵器禁止条約 発効へ、など、「新しい枠組みの世界」お始まりとなるようなニュースが多い。「アメリカ的な国」「中国共産党的な国」というような枠組みがはっきりしてきて、その対立軸や冷戦におけるパワーシフトが起きる可能性が非常に大きくなってきているのではないか。ここにニュースがないが、その時に資源地帯である中東やアフリカ、または軍事大国であるロシアなどはどのように動くのか。その辺は非常に興味があるところとなる。
このように、「2020年は新たな時代の幕開け」であり、「既存の枠組みに対する問題点が明らかになった」ということが言えるのではないか。それを世界の様々なところで火が上がり、大きな日になって世界を巻き込む予感がある。日本はその時にどうするのか。そのことを考えなければならない時代になったのではないか。
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