「宇田川源流」 あのカルロス・ゴーンが逃げているレバノンで政変があり内閣が存在しない状態になっていることを知っているか?
「宇田川源流」 あのカルロス・ゴーンが逃げているレバノンで政変があり内閣が存在しない状態になっていることを知っているか?
カルロス・ゴーンを皆さんは覚えているであろうか?いや、このように聞かれれば、「覚えている」ということになるだろうが、実際のところ、普段の生活とは関係ないし、また、自分たちの内容などとは全く関係がない。この文章を読んでいる日産と関係のある人々や、ゴーン氏を必要以上に持ち上げていたマスコミの編集者などは、それなりに何かあるのかもしれないが、しかし、一般の人々は「日産は立て直したけれども、その後法外な金を横領して外国に逃げた人」でしかなく、また一犯罪者などは、ニュースで話題になっているだけで、それ以上の話にはならない。日本というのは「ブーム」があるだけで、そのブームが過ぎてしまうと多くの人が忘れてしまうのである。
あえて、過去の話題になった事件の犯人の名前を思い出すことをここで問うことはしないが、しかし、様々な事件の犯人や容疑者の名前などはあまり覚えていないのがふつうである。以前、「Nathan's Famous」が日本に進出しようとしていた時、(2004年くらいであったと記憶しているが、あまりはっきりと覚えていない)その会長が「日本はブームがあるので、市場性が高いと思っていない。多くの資本を投資しても、ブームの時は足りないが、その資本を回収する前にブームが去って結局損をすることになる」ということを言って、本腰を入れた進出をしなかった。今のネットにおける炎上という現象全く同じで、猫も杓子も同じことを、それも誰かが言ったことと同じようなことを言い、そのままそれを復唱しているだけで、全く無責任に発言し、そのまま自分の憂さ晴らしが終わってしまうと次のブームに移ってゆく。まさに、そのような状況であるために、日本は「真に価値のあるもの」がなくなってしまうのである。
さて、そのようなことはとにかく、まあそのゴーン氏の逃げたつまり「安全で快適な楽園であったはず」のレバノンが、今は窮地になっているのである。
レバノン、新首相が指名辞退=対立やまず組閣断念
【カイロ時事】レバノンで新首相に指名されたムスタファ・アディブ氏は26日、首相就任を辞退し、組閣を断念すると発表した。
新内閣の主要ポストをめぐり、各政治勢力や宗派間の駆け引きが激化。対レバノン支援を主導する旧宗主国フランスが求めた9月中旬の組閣期限を過ぎても、新内閣発足のめどが立たない状況が続いていた。
首都ベイルートで8月に起きた大規模爆発を受けディアブ内閣が総辞職し、8月31日に駐ドイツ大使だったアディブ氏が首相に指名された。地元メディアによると、アディブ氏は早期の組閣に向け、財務や外務など主要閣僚を各宗派が交代で務める案を提示したが、イランが後ろ盾のヒズボラなどイスラム教シーア派勢力が財務相ポストを強硬に要求、協議は難航していた。
2020年9月26日 18時54分 時事通信社
https://news.livedoor.com/article/detail/18960114/
親イラン政党の抵抗で組閣が難航 大規模爆発のレバノン このままでは「地獄に向かう」
【カイロ=佐藤貴生】8月に大規模爆発が起きたレバノンで、イランに近いイスラム教シーア派政党が組閣に異議を唱えて新政権が発足しない状態となっている。
爆発は政府が長期にわたり放置した大量の発火物が原因とみられ、政治の機能不全を露呈。旧宗主国フランスのマクロン大統領が政治改革の第一段階として、15日までの新政権の成立を求めていた。
ロイター通信によると、ヒズボラなどシーア派の2政党が新政権での財務相ポストを要求し、組閣が難航している。ヒズボラと併存する同名の民兵組織はイランから資金や武器などの支援を受けているとされる。一方、トランプ米政権は今月、ヒズボラと関係があるとして財務相経験者ら2人を独自の制裁対象に指定、ヒズボラ排除の圧力を強めている。
レバノンのアウン大統領は8月31日、爆発を受けて退陣を表明したディアブ首相の後任に駐独大使だったアディブ氏を指名した。同氏は財務相など閣僚ポストを宗派別に割り当てるのではなく交代制にするよう提案、シーア派政党が反発した。
財務相はここ数年、シーア派が占めている。在レバノンの記者(29)によると、公共事業の発注額の水増しなどで裏金が作りやすいポストだと指摘されている。
ヒズボラはレバノン国会で大きな勢力を持っており、閣外に出たら法案が全く通過しない事態になる可能性もあるとされる。レバノンはすでに財政破綻の状態だが、国際社会は政治改革を断行しなければ資金支援は行わない姿勢を崩していない。アウン氏は新政権が発足しなければ、レバノンは「地獄に向かう」と危機感を示している。
2020年9月24日 18時14分 産経新聞
https://news.livedoor.com/article/detail/18948855/
なぜ、ゴーン氏はレバノンに行ったのか。単純にレバノンという国家が、まずは国内の宗教的な対立によってイスラム教シーア派系、イスラム教スンニ派系、キリスト教系の三つの宗教に分かれていることで、絶対的な権力者がなかったということと、フランスの元植民地であって、フランスの企業のトップであった自分の権力が通用すると思ったこと、そして、シーア派系のテロ組織であるヒズボラが反米であり、アメリカや日本の影響力が少ないことから、日本から逃げるには最高の環境であるということであったはずだ。
しかし、そのレバノンは、8月の「港湾倉庫における飼料物質爆発事故」によっていきなり政変が起きた。
絶対的な権力者がいないということは、このような「有事」に対して抵抗力が少ないということや指導力が少ないということを意味する。なんでも会議や打ち合わせで決めなければならないということになり、そのことから、各宗教団体の内容が一致しなければ何もできないということになる。大統領がキリスト教、国会議長がシーア派、内閣がスンニ派ということになっていた場合、その各宗派のエゴが発生してしまうと、そのまま物事が停滞することになるのだ。
爆発事故によって、まずは国民の不信感が高まる。当然に危険なものを港湾、それも、一般市民の生活圏の近くに長期間放置していたのであるから、国民がデモを起こして内閣に責任を負わせるのは当然であろう。一方、以前にも書いたが、そのような内容であっても、実際は、各宗教派閥の調整によってしかものを動かせない。つまりシーア派がヒズボラが爆薬の生成のために硝酸アンモニウムを輸入した場合、キリスト教の大統領やスンニ派の内閣には対応できないのである。その調整が面倒であると思っていれば、内閣はさっさと辞任してしまい、次がなかなか次は就任しないということになる。
つまり、内閣がすでに数カ月不在になってしまっているという状態なのである。
そのうえ、フランスが「見舞い」と称してマクロン大統領が視察に来るなど、旧宗主国の介入があり、様々な問題が発生することになるのである。つまり、「スンニ派不在」「フランス介入」という二つの国難に見舞われ、また内閣に関しては、その候補が辞任してしまうという状態である。
レバノンで新首相に指名されたムスタファ・アディブ氏は26日、首相就任を辞退し、組閣を断念すると発表した。新内閣の主要ポストをめぐり、各政治勢力や宗派間の駆け引きが激化。対レバノン支援を主導する旧宗主国フランスが求めた9月中旬の組閣期限を過ぎても、新内閣発足のめどが立たない状況が続いていた。<上記より抜粋>
まさにこのような状況になってしまうのである。
レバノンは、位置的にも中東の最も問題のありそうな場所であるし、ここが落ち着かないこと、またフランスの介入だけではなくロシアや中国(イランを通じての中国の介入)がが介入し、レバノンそのものの独立が危ぶまれる状況である。その紛争はそのまま、イランを中心にした反米運動やイスラエルの問題などが大きく影響する。まさに、「ゴーン氏がいるところが震源地」になってしまうということになるのである。
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