「宇田川源流」 中国が台湾を挑発する理由と米中関係そして心配される政治空白

「宇田川源流」 中国が台湾を挑発する理由と米中関係そして心配される政治空白


 中国の台湾に対する挑発が面白いほど行われている。

基本的に船によるものはないが、アメリカの高官が台湾に行くのにあたり、必ずといっていいほど抗議の声明をするのと同時に、中国の航空機が台湾との中間線を越えて飛行するようになっている。

まずはアメリカ側の観点から見てみよう。

基本的にこれらの内容に関して、アメリカは決して気にしていないというか、たぶんそのことまで計算に入れて行っているといってよい。現在の南シナ海の現状は「インドネシア・マレーシア・ベトナム・フィリピン・台湾・中国という接岸国と、アメリカ(旧フィリピン宗主国)・フランス(旧ベトナム宗主国)・イギリス(旧香港宗主国)という国家の中でどこが一番初めに戦争を始めるか」といういわゆる「デスゲーム」になってしまっており、誰も手に出せないような状況になってしまっている。

実際にアメリカやイギリスなどは戦争を仕掛けてもよいのであるが、実際のところアメリカやイギリス国内の中国人やあるいや左翼的戦争反対派の内容をどのように考えるのかということが大きな問題になってくることになる。特に現在コロナウイルスであったり、または、選挙を控えている現在の状況で、思い切って戦争までできるのかというと、そのような環境は整っていない。

アメリカも、イギリスも、まずは国内の「親中派」または「中国人」「中国企業」の排除を行っているということになっており、そのことができるまでの期間、時間稼ぎが出ればよいということになる。

今回、李登輝元総統のお別れ会にアメリカは国務次官を派遣している。それだけ重視しているということであり、また、日本においては森元首相を派遣している。アメリカも日本も大統領選挙または日本は組閣し直しで菅内閣に代わったところである。そのような状況において、あえて国務次官を派遣したということが世界に強いメッセージを出していると考える。

中国軍機が台湾侵入!防空識別圏内に 米中対立激化のなか、露骨な挑発続ける中国 日米の“政治空白”も懸念

 中国軍が9日、多数の戦闘機などを、台湾の防空識別圏内に侵入させる事態が発生した。台湾軍機が緊急発進(スクランブル)した。習近平国家主席率いる中国軍は7月以降、南シナ海や東シナ海、渤海、黄海の4海域で軍事演習を繰り返し、8月末には南シナ海に弾道ミサイル4発を撃ち込んでいる。米中対立が激化するなか、露骨な挑発を続けているのか。

 台湾・国防部は9日、複数の中国軍機が同日午前、台湾の南西空域の警戒エリアで活動したと明らかにした。台湾の通信社「中央社」の日本語サイト「台湾フォーカス」が同日報じた。

 国防部によると、侵入したのは、中国空軍の戦闘機「Su-30(スホーイ30)」や「殲10」など、複数の機種で多数という。さまざまな高度で、次々に侵入したとの報道もある。

 中国軍は、アレックス・アザー米厚生長官が8月10日、台湾の蔡英文総統と台北市内の総統府で会談した際も、戦闘機「殲11」や「殲10」などを台湾海峡の中間線を超えて侵入させている。

 同月26日には、中国本土から南シナ海に、グアムの米軍基地を射程に収める「東風(DF)26」(射程約4000キロ)と、「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「DF21D」(同1500キロ以上)など4発を撃ち込んでいる。

 現在、米国では大統領選(11月3日投開票)まで2カ月を切り、共和党のドナルド・トランプ大統領と、民主党のジョー・バイデン元副大統領が接戦を演じている。日本でも、自民党総裁選(14日投開票)の真っただ中で、日米の政治的空白が懸念されている。

 今回の中国軍機侵入について、台湾国防部は「地域の平和や安定を破壊する中国共産党の一方的な行為を厳正に非難する」としている。

2020年9月11日 17時16分 ZAKZAK(夕刊フジ

https://news.livedoor.com/article/detail/18881643/


 一方で、中国共産党は基本的には抗議をするしかない。しかし、この抗議もおかしな話である。台湾の総統や李登輝元総統を「中国国内が起訴し、犯罪者として扱っている」という事実があれば、「中国国内における犯罪者に対して国賓に準じる扱いをしている」ということで講義を行うことはできる。しかし、中国共産党は、そのようなことは何もしていない。つまり、「単純に元台湾の総統をしていた民間人の死に際して、その葬儀に出かけた」だけであり、中国共産党は何の資格があって講義をしているのかはわからない。

この抗議こそ「中国共産党に忖度しろ」ということを言っているものであり、そのようなことをしてしまえば、相手がつけあがる、つまり「中国共産党側の主張を認めたと後々になって言われる」ような問題になるのではないか。

この「忖度」が行えない場合は、日本の進出企業が何らかの不利益を被るまたは日本人が逮捕拘束されるなどの問題が発生する可能性があるが、しかし、それは、現在の日中関係及び日本と台湾と中国共産党の関係を考えて、その状況において、中国大陸に進出したということが問題であり、政治的な観点がなくなってしまっている「エコノミックアニマル」であって「社会的な生物」ではないということに他ならないのである。

さてこのように考えると、「中国共産党は国際法も国内法も全く無視している」ということになる。そして、中国のこのような態度を許してきたのがオバマ大統領であり、その時の副大統領であるバイデン候補であることは言うまでもない。

中国が尖閣諸島の上空に防空識別圏を設定した時に、そのことを息子ハンター・バイデンの投資ファンドの金を入れられて、認めてしまうという公私混同をして外交を誤った人間であることは間違いがないのである。

さて、これに対してアメリカは台湾に対して大量の武器輸出を考えている。現在そのような武器の及び日本への武器(F35-Bなど)の輸出をしていることに関しては、まさにアメリカは「中国との戦争」ということを意識しているというか、すでに計画をしているということに他ならない。

特に今までのような「中古の武器」ではなく「最先端の武器」を輸出するようになれば、それは完全に戦争の準備ということになる。アメリカ単独では戦えないということが見えていれば、当然に日本や台湾がどちらの陣営に立つのか、また、その時にどっちにつくかわからない韓国に関しては、全く信用できないから外すというよな状況になってくるのではないか。

そのような「前兆」を読めば、当然に中国のこれらの行為は「戦争をやめてほしい」というメッセージにも聞こえるのである。単純に、これらの武器に対応できなくなるということに他ならないのである。

そのような「裏読みのできる解説」が全くないのが日本であり、今日もそこまで米中戦争が迫っているのに、平和を謳歌しているのである。

宇田川源流

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