「宇田川源流」 米中関係がうまくゆかなくなって日本から「切り崩し」にかかる中国とそれに乗っかる「エコノミックアニマル」日本企業

「宇田川源流」 米中関係がうまくゆかなくなって日本から「切り崩し」にかかる中国とそれに乗っかる「エコノミックアニマル」日本企業


 日本ではほとんどが台風と総裁選のニュースばかりで、全く世界情勢が見えない日々が続いている。本当に日本のマスコミというのは、同じことばかり何度も繰り返し、それもかなり不正確であったり不安定である情報を流して何とも思わないばかりか、間違っていてもその言論に全く責任を取らないところが特徴である。「言論の身勝手」「言論の無責任」もここに極まってきたということであり、今のままでは日本のマスコミ報道を信じる人は世界から取り残されるというような現象が生まれてくることになるのではないか。日本の言論界は、そのような内容をしっかりと見ながら報道姿勢を改めるべきである。少なくとも自己の言論には責任を持つべきであろう。

さて、そのように日本の国内の政局ばかりしか関心がないかのような状況の時に、米中関係や中東の問題、アフリカなどでは様々な問題が行われている。

例えば、中国では米中関係に関して「北戴河会議」で話し合いが行われている。毎年8月に開かれる北戴河会議は、現在の執行部と昔の執行部の人々である「長老」が集まって、今後のことを話し合う「実質的な中国の最高意思決定機関」といわれる。実際は、夏季休暇を、多くの幹部がほぼ同じところで過ごしているということなのだ。往時の軽井沢のようなものであると思っていただければよいのではないか。そのような場所に、同じ共産党の先輩後輩が一堂に会せば、お互いに何かを話し合ったり、あるいはあいさつに行くということで意見交換がされるのは、普通のことであると思われる。その意見交換が、次の展開において、様々に影響するというのはおかしくない話である。

日本のように「根回し」とか「事前の調整」というのが恒例化している中では、ある意味で夏に避暑地で「根回し」が行われるというように考えればよいのではないか。まさにそのような会議の結果、この9月初めには様々なことが「新たな展開として」動き始めるのである。

習主席 対日関係改善に意欲

 【北京時事】中国の習近平国家主席は3日、抗日戦争勝利記念75周年の座談会で、日中関係について「中国と日本は隣近所だ。長期的な平和友好関係を維持することが、両国人民の根本的利益にも、アジアと世界の平和安定維持にも符合する」と述べ、対日関係改善に取り組む意向を示した。一方で「中国の特色ある社会主義の道を歪曲(わいきょく)し改変しようとする勢力に中国人民は決して応じない」と、中国批判を強める米国をけん制した。国営中央テレビが伝えた。

 習氏は座談会で「日本軍国主義のたくらみを徹底的に粉砕した」と日中戦争を総括しながらも、「中日人民の何代にもわたる友好」の必要性を指摘。日本への言及以上に共産党政権の正統性や実績に時間を割き、(1)共産党の歴史を歪曲(2)党と人民を分裂(3)中国が発展する権利を破壊―しようとする勢力への対決姿勢を強調した。

 3日には、日中戦争の発端となった盧溝橋事件(1937年)の現場近くにある北京市郊外の中国人民抗日戦争記念館で、75周年の献花式典が開かれた。習氏が出席する式典は5年ぶりだが、大規模な軍事パレードを行った70周年に比べると大幅に簡素化し、対日批判色を抑制した。

 一方で、習主席は同日、ロシアのプーチン大統領と祝電を交換。習氏は「75年前のきょう、中国人民の抗日戦争とソ連の対日作戦の勝利が、世界反ファシズム戦争に最終的な勝利を告げた」と強調、世界平和維持へ連携を呼び掛けた。 【時事通信社】

2020年09月03日 22時09分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-781240/

 今年の中国の北戴河会議では、「アメリカと戦争をして勝てるとは思えない」ということが決められた。そのうえで人民解放軍の主導権争いをしているということが決められている。

米中戦争において、この北戴河会議では「対米新8か条」が決められたといわれている。

1:米国の在中企業の全面的整理

2:新型核兵器の開発

3:国防費増大 GDPの4%

4:全親中国国家との(イラン、北朝鮮、アフリカの一部の国)と連携強化

5:米国の同盟国との乖離 ドル建て取引中止 親中国家とは人民元建てに変更

6:中国包囲網を必ず破る 台湾問題は武力で解決

7:全中国人に対して戦時中統制

8:米国と断交し徹底対決

 このことが本当に決められたかどうかはわからない。しかし、(1)経済の低迷、(2)「新型コロナ」の蔓延、(3)長江・黄河流域での洪水による水害、(4)深刻な食糧不足という四つのことをもとに、習近平派は江沢民派や共産党青年団派に責め立てられているというのである。

そのような中で、外交的にその内容を行わないというのは、結局「内部が安定していない」ということになる。そして対米強硬に転ずるために「足りないもの」を準備するということになろう。

その「対米強硬に転ずるために足りないもの」とは何か。それが「日本」である。当然に、日本を利用し日本の経済力と技術力を中国は入手しそのうえで、アメリカをたたくということになろう。日本の経済力の大きさはそれなりに高く、また技術力、特に軍事に関する技術力はアメリカの技術力とリンクしているところが多く、そのことによってアメリカの内容がわかるということになる。

一方、そのようなことをしてしまうと「アメリカを裏切る」ことになり、アメリカからの制裁を加えられる可能性が高いということになるのではないか。つまり中国は「アメリカと対峙するために日本を取りこむ」ということになり、それは日米同盟を危うくするということと同時に、中国に対抗する力がなくなるということを意味している。その場合、「アメリカがなくなった(またはアジアから撤退した後)に、中国に対抗しうる力がなくなる」ということを意味しており、それは日本が中国に支配されることを意味している。

このようなことを言っていると「そんな大げさな」ということを言う人がいるが、実際に中国はそのようなことを考えているわけであり、なおかつ、日本はそのキャスティングボードを握る重要な位置に立っているということを自覚すべきである。日本の場合「経済は政治と別」などといっているが、日本人がそのつもりでも世界でそのことが通用しなくなってしまっているということになるのである。将来「こんなはずではなかった」などといっても遅いのである。そのような「世界戦略」を持ったうえで物事をできるかどうかのことではないかと思われる。

そのような感覚が見えるかどうか。現在の日本の企業の動きが問われているのである。

宇田川源流

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